ドアマンの夏 ニッポンの夏

お屋敷の ドアにしみ入る 蝉の声

夏真っ只中、お嬢様、お坊っちゃま、夏をエンジョイされておりますでしょうか? 夏の男、金澤でございます。

今、私はお屋敷の玄関先にてお嬢様のお帰りを蝉の鳴き声と共に待ちつつ、2013夏を感じております。

連日、猛暑が続いております

朝のこと、使用人一同お嬢様をお迎えする準備中、
白さが眩しい夏服の使用人が真剣な眼差しでせっせとテーブルを拭いております。
そっととなりに立ってみる

シュールだ
この出で立ちの差は実にシュールだ

宗形「なにかご用でしょうか?」
金澤「いや、ただの通りすがりのドアマンです」

……

ドアマンの 見た目で気温 二度上げる

暑い中、ご帰宅頂き最初に見る使用人がドアマン
とっても涼しげな出で立ちのわたくしをどうかお許し下さい

時々、お屋敷の外を見回りに階段上に出ることがございます。
すると行き交う人々の視線が… この暑い中しんじられな〜い‼ というような視線がビシバシと!
2分も出ていますとビシバシの視線が徐々に気持ちよく…だんだん朦朧と…
はっ! あぶない、あぶない! 急いで階段下に戻ります。

……

ドアマンにとって心苦しい事は、どうしてもお嬢様にエントランスにてお待ち頂かなければならない事です
暑い中ご到着されたのです、直ぐにティーサロンへご案内して差し上げたいのですが、どうしてもままならず、お待ちいただく場合がございます
ごめんなさい、お嬢様…と静かに思うのです…

そして、ご到着予定のお時間過ぎてもご帰宅されない時、私は心配で心配で…この暑さです、道中でもしかして…まさか…
心配でじっとしておれずに両玄関のドアをいったりきたり…右往左往

お嬢様 まだ来られぬかと 執事言う

執事も心配しております…
ご無事に到着された時は、よかった〜と静かに思うのです…

もし大幅にご到着が遅れそうな際はお手数ではございますがどうかお屋敷にご一報をお願いいたします。

そして、ご出発の際、お屋敷の階段へと向かわれる時に、うわっ!とくる熱波! 心苦しゅうございます…
灼熱のコンクリートジャングルへお嬢様は力を振りしぼりお出かけになられます
私は心の中で、がんばれ!お嬢様! と静かに思うのです…

こうしてドアマンはお嬢様のことを常に思いながらお屋敷の玄関を守っております。

ドアマンはひとりぼっちです、己にしっかりと責任を持ち務めます。とてもやりがいのある大切な仕事!
そしてなにより、お嬢様を一番最初にお迎えし、一番最後にお見送りをする!嬉しいことです!ドアマンの特権です!

今は後輩のドアマンも頑張っております
お嬢様、どうぞよろしくお願い致します

……

早い時間の務めもあと少々…

グゥ〜 グゥ〜〜 なんと!お腹の虫が鳴き出した!
お腹空いたなぁ〜

お屋敷の ドアにしみ入る 腹の音

ってちがうちがう お嬢様に聞こえてしまう〜
いけません、ちゃんと時間までビシッとしなくては!

生ビール ああ生ビール 生ビール

いやはやもう脳内が高気圧にすっかりおおわれてしまいました。

暑くて大変だけどやっぱり夏は特別な季節!
「シーズン・イン・ザ・サン」♪