生兵法は怪我の元

今年に入ってから始めた開脚ストレッチ、その後の進展はと申しますと、恥ずかしながら華々しい成果はございません。
確かに前屈は、、少しずつではありますが、指先が床に届きそうな気配を感じております。
膝まで下げるのも一苦労だった以前からは比べようもないほどの前進です。
しかし開脚は、さほど変化がないどころか、驚きの変化が起こってしまったのです。

「あ…足が…組めない……?」

普段から足を組む習慣が無かったので気付くのが遅くなってしまったのですが、足を組む形の新しいストレッチを試みてみたところ、何故か右大臀筋あたりに違和感があります。
椅子に座って確認してみると、左足の上に右足を乗せることが困難になっていたのです。
この何とも言えない、足の筋を痛めてしまったような違和感は、慣れないストレッチのせいなのか、正しいやり方が出来ていなかったのか…。
恐らく両方でしょう。
このままやり続けるのは危険!
そう判断した私は、とりあえず開脚ストレッチを一時休止することにいたしました。

このまま休んでいると元に戻ってしまうのではないか。
そんな焦りを抱えつつ一週間ほど休んでみると、無事に違和感は解消。
その後は、地道にワンステップずつ反復して行うことにいたしました。
何事も、急いで成果を得ようとするのは、危うさを伴うものなのかもしれませんね。
開脚ストレッチは一生の課題として、末永く取り組むことにいたします。

宝塚星組公演「スカーレットピンパーネル」

待ちに待った紅ゆずるの新トップ披露公演です。「スカーレットピンパーネル」は2008年に星組で安蘭けいがパーシーを演じ第16回読売演劇大賞優秀作品賞等数々の賞を受賞した作品で2010年に月組で霧矢大夢がパーシーを演じ、今回は7年振りに再演され紅ゆずる綺崎愛里の新トップコンビが誕生しました。

この作品は紅ゆずるが2008年の初演の時に新人公演でパーシーを演じた記念すべき役でもあります。柚希のもとでも3枚目的なカラーを持っていて面白い子と注目を集めていました。パーシーに対するショーブラウンは今回は礼真琴。柚希、龍、明日海が演じてきた出世作でもあり、礼が少々荷が重い役ですが堂々と演じて大変興味深いショーブラウンでした。

ストーリーは宝塚ファンのお嬢様方はご存知とは思いますが18世紀末のフランス、パリには革命の嵐が吹き荒れ貴族たちが次々と捕らえられ死刑宣告を受ける、そんな中に革命政府の恐怖政治に反感を抱くイギリス貴族パーシヴァル・ブレークニー(パーシー)紅ゆずるは誰にも知られることなく無実の貴族を救い出しフランス国外へ逃がすという大胆な行動を起こしていた。革命政府の公安委員ショーブラウン礼真琴はイギリスで赤い星型の花を指すレッドピンパーネルの正体を突き止めようと躍起になっているところから物語は展開して行きます。

マグリット綺崎愛里との愛の行方、舞踏会の場面等、2幕構成ですが飽きさせず、素晴らしい新トップ披露公演です。東京宝塚劇場で6月11日までの公演でした。紅ゆずるの魅力に胸躍る事と存じます。本日はこの辺りで失礼します。

藤堂でございました。

慈雨

お嬢様、おぼっちゃま方、ご機嫌麗しゅうございます。

傘の手放せない季節がやってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

この時期はくせ毛をなだめるのにも一苦労致しますので、湿度の上昇には恨めしさを感じることもございます。

ただ香川は幼い頃、渇水に悩まされたこともございましたので、雨のありがたみも存じ上げております。

当たり前のように感じている蛇口をひねれば水が出るということがそうではなくなった時、水の大切さを思い知るのでございます。

雨の日には、耳を澄ませるようにしております。

水の奏でる様々な音が、自分の中まで潤してくれるような感覚。

ささくれだった感情も癒してくれるような心地が致します。

目を閉じて、

この時期ならではの雨粒のハーモニーをお楽しみ下さいませ。

そうそう、

今年はサテン地で作るテルテル坊主が洒落ているそうですね。

お嬢様の雨やどりをティーサロンにてお待ちしております。

夜の使用人食堂

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。

近頃、いけないと分かっていながらもつい夜更かしをしてしまうのです。

お嬢様を見送った後に一人で食べる夕食はなんとなく味気なく、夜は食堂で誰かしらと食事をするようにしております。

大体黒崎や新山が淡々と悪態を付き合いながら食事をしているので、そこに混ぜて頂きます。

彼らは不思議です。
二人ともクールなイメージがございますが、話を聞いているとつい笑いが溢れてしまう。一緒にいて居心地が良いというのは使用人としてとても大切な資質のように思います。

見習いたいな、などと考えながら見ていると今度は急に子供みたいにくだらないことをし始めたり本当に不思議です。

ある程度食事が進んだ頃に、執務を終えた伊織や水瀬がやって来て、もうひと盛り上がり。

なかなか夜更かしを止めるのは難しいようです。

隈川

皆が見ている…

5月24日の金澤の日誌を読んで目頭が熱くなった百合野でございます。

使用人達をサッカープレイヤーに例えていただいたり、歌劇団の歴史を語ってくれたり。
嬉しゅうございますね。

使用人の立ち位置をサッカーのポジションで例えると確かに歌劇団はFWポジションかと存じます。

お屋敷の名を背負って外での音楽舞踏会などに参加させていただいて、お呼ばれされるパーティー等ございましたら我々が顔を出させていただいております。

ですので、皆様から見られるお屋敷の『顔』と例えられてもその名に恥じない様、努めているつもりでございます。

しかし、使用人はティーサロンや本邸でのお給仕の姿勢もお嬢様への忠誠の一つとなります。

安心してお食事を楽しんでいただいたり、時に紅茶やカクテルのデモンストレーションなどを行うパフォーマンスも。

そちらを表現出来るのは紅茶部やビバレージユニットのメンバーしかいないと存じております。

そしてゴールキーパーと表現しておりましたが…

フットマンの時は、つい見落としがちな食器の下げ物や洗い上がりの補充などに気を配り。

ドアマンの時は、ティーサロンの流れを予測し気を配りながら執事に案内し。

シェフとフットマンの架け橋となるマスターオブサーバンツホールを担う時は、それぞれのフットマンの動き方を把握しつつ指示を出してくれる。

おまけに紅茶係の時はお嬢様の好みに合わせたレシピコントロールをし、それぞれ紅茶の特性を把握しながら淹れられる使用人…。

金澤さん…
貴方はゴールキーパーには留まりませんよ。

使用人の皆はきっと貴方のそんな『背中』を見て尊敬しております。

私もその一人でございます。

だから安心してください。

ゴールまでボールは運ばせませんから。

古谷でございます

窓の向こうから響く雨音。

しとしとと聴こえてくるこの音色が、まどろみの中でも耳を伝い、どこか朧げに流れてゆく。そんな夜もそろそろ多くなって参りました。

6月の空に映る月は今宵も、まるでかの楊貴妃がこよなく愛したパールの如く、銀白の煌めきを真珠の粒のように地上にこぼして輝いているようです。

地上では水無月を彩る、それはみずみずしいまま咲く紫陽花の花。

この花もそんな月明かりをたっぷりと浴び、雨夜に映えるほどに艶やかで美しい色を魅せてくれます。

そんな景色を窓を開いて眺めていたら、気づけば夜もすっかり更けてしまいました。

降りつづく長雨により、今宵もどこか肌寒い夜になりそうでございます。

オヤスミ前のカクテルは、じめじめとしたこの頃をしばし忘れさせ、6月のしっとりとした風情が垣間見れるような。そんなグラスに致しましょう。

心身を潤わせ、冷えた身体を温め、美容にも良いとされる。それは旬の果実ライチのリキュール。すっきりとした爽快な口当たりをお贈り致します。

「China Blue-チャイナブルー-」

その神秘的な色合いを見つめ、グラスにひろがるハーバル系の香りをたっぷりと吸い込み、すっきりとした喉越しで今日の疲れを癒して頂きましょう。

「Violet Fizz-ヴァイオレットフィズ-」

今日はいつもよりもほんの少しだけ。外の雨音に耳を傾けながらじっくりとグラスを飲み干してみてください。そして、どうか今宵も良き夢を観れますように。

古谷