宝塚「王妃の館」「VIVA.FESTA」

桜も北上しすっかり若葉のころとなりましたが、お嬢様、奥様、旦那様、お坊ちゃま、お元気にお過ごしの事かと存じます。本日は宙久美公演のお話でございます。

「王妃の館」は浅田次郎氏の原作で、田淵大輔の脚本、演出で東京宝塚劇場デビュー作です。パリ、マレー地区のヴォ―ジュ広場の片隅に「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」王妃の館が、今では高級ホテルとして知られているが実際は深刻な経営難に陥っていた。そこに目を付けた旅行会社のツアーコンダクターの桜井玲子(実咲)がとんでもない提案をしてきた。高額の”光ツアー”と格安の”影ツアー”、ツアー客に昼夜をを入れ替えて同じ客室を利用するという、客は一筋縄ではいかない曲者ばかり、恋愛小説家の鬼才といわれる北白川右京(朝夏)はスランプを脱出すべくツアーに参加、しかし団体行動をしなければならないが別行動をして玲子に再三注意をされるが一人で部屋に籠り、頑張っているが筆が進まない。そんな彼の前に、ルイ14世が絵画から抜け出すように現れる。ルイ14世と(真風)、光と影のツアー客が巻き起こす考えられない物語が展開して行きます。
朝夏の三枚目的な役柄と実咲のコンビネーションが素敵ですが、この作品が実咲のサヨナラ公演となります。

「VIVA,FESTA」スーパーレビュー。祭りです。リオのカーニバルに始まり、総踊りでは朝夏を中心に宙組全員の群舞です。ヴァルプルギスの夜の祭り、スペインの牛追い祭り、特に藤堂は日本のYOSAKOIソーランが素晴らしく感銘を受けました。フィナーレの実咲中心でのダンスナンバー、ロケット黒燕尾の群舞も圧巻でした。見逃されたお嬢様方も是非DVDなどでご覧くださいませ。

次回は「スカーレット・ピンパーネル」の紅ゆずるのトップに期待しています。
藤堂でございました。

想いをしのばせて

お嬢様、おぼっちゃま方、ご機嫌麗しゅうございます。

お庭の新緑がまぶしい時期になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
みどり一色に、心がうきうきする香川でございます。

緑色というのは、目にやさしい色だそうでございますね。
アイレストグリーンと言って、目の疲れの回復なども期待できるようでございます。
眼が疲れることで、脳や身体が疲れやストレスを感じるので、観葉植物などで癒して差し上げるのも良いかもしれません。

また、安心感も得られる色のため、鉄道会社のコーポレートカラーにも選ばれていたりも致します。
やはり安全第一を掲げる意味でも、色の選択には深い考えがあるのかもしれません。

ただ、英語では、
Green with envy
ともあるように、嫉妬やねたみ、恋焦がれる気持ちを表す色でもあるようです。

緑色ひとつとっても、さまざまな意味があるようでございますね。
折を見て別のお色も調べてみるといたしましょう。

心安らぐティーサロンにて、お嬢様方のお早いお帰りをお待ちしております。

小さき帝王学

敬愛せしお嬢様へ

時任でございます。
すっかり暖かくなりまして、お散歩には良い気候となりました。
私もふと時間の空きました折は、ふらりと川辺や公園に出掛けて見たくなります。

先日も少々のお時間を頂きましたので、ちょっと遠出してごく小さな旅路をうろついてまいりましたが、旅路のお話はまた今度に。

小旅行の間の、移動の最中や小休止の時には、馴染みの古本屋で気まぐれに購入して参りました書を開くのが常でございますが
、此度はふと目につきました『松下幸之助』氏や『本田宗一郎』氏の自伝を読み返して参りました。

このような腕一本、頭脳一つでご自身の身代を築き上げた方のお話に触れてみますと、
その手腕や技術に拠って自然とその位置にあるものと、ただ権威を翳してそぐわぬ能力を糊塗するものは全く違うのだと改めて思わされます。
後者はただただひたすらに迷惑です。身に染みて知っております。

かつて私が道に惑いましたとき、私は大旦那様より『相手のこと、周りのことを考えてあげるのが、仕事において大切なことだ』
との訓戒を賜りました。考えれば考えるほどに難しく、未だこのお言葉を己の中で噛み砕ききれておりませんが、これを当然のように行える方というのが、
一般に言われる『人の器』を持つということなのでございましょうか。

頭脳に長けるでなく、器もなく、ただわずかな腕にすがる我が身と致しましては、せめてわずかな腕を少しずつでも磨きあて参ろうと思います。

古谷でございます

日盛りの時、このところ幾日にもわたり空から降り注ぐ暖かな春の陽射し。

お屋敷の広大な敷地を隔てる路樹たちもたっぷりとそれを浴び、まるで天翔ける程伸びやかに芽吹きはじめました。

舞い散る薄紅の花びらが魅せた儚げな美に代わり、なんとも生命力に溢れた若葉たちが、初々しくてあどけなくとも、すくすくと伸びはじめております。

夜は更けて参りましたが、昨日よりも今日。今日より明日と強さを増した白昼の日照りによって、お身体は火照りお疲れではございませんか?

そんなお嬢様にお贈りしたい、今宵のカクテルはモヒート。

クラッシュした氷の隙間に敷きつめられた、若葉のようにみずみずしく育まれたたっぷりのミント。冷凍庫でしっかりと冷やしたラム酒。グラスのなかで満たされた爽やかな薫りが、熱を帯びた貴女の心身にきっと涼を届けてくれるかと存じます。

グラスを傾け、喉を潤し、万緑の薫りを吸い込んで今日の疲れを癒して頂きましたなら、月明かりに美しく照らされた、まるでエメラルドのような今宵の新緑をただただ静かにみつめ、翠玉の煌めきをその瞳にそっと映す。貴女もそんな夜を過ごしてみませんか?

古谷

初夏の潤い

皆様、ご機嫌麗しゅう。
吉川でございます。

この度、大旦那様よりお許しをいただき、私のフットマン(?)アイスをご提供させていただく運びと相成りました。

初めて飲んだ時に衝撃を受けて以来、私の中でキング・オブ・スピリッツとして燦然と輝いているお酒であり、ウォッカ・テキーラ・ラムと並んで世界四大スピリッツのひとつであるジンをベースにしたカクテル「ジンライム」を氷菓にいたしました。

ジュニパーベリーの香りが爽やかなジンのグラニテに、お好みでライムを絞ってお召し上がりください。

さっぱりとした食味は、食後のデザートとしてだけではなく、食前酒の代わりとして、或いはディナーのお魚とお肉の間のお口直しとしてもお楽しみいただけます。

軽いアルコール感がございますので、ご無理をなさらない範囲で様々な味わい方を試みていただければ幸いです。

梅雨前の初夏を感じる日々の中、皆様のお口を潤す甘露となりましたら望外の喜びです。

ご帰宅の折りには是非ともお試しくださいませ。

続・貴重な旅

百合野でございます。先日の旅の話の続きでございます。

実はこの旅でも大旦那様はしっかりと我々使用人を育てようとしてくださいました。

それは、己の精神を鍛える為にとても高い場所に位置する吊り橋を皆で渡る事になりました。

怖いので渡れないと入り口で引き返す使用人、山と山を繋ぐ吊り橋は中盤辺りで一番風が強くなり、そこで諦める使用人…
様々おりました。

そんな中、姿勢一つ崩さず、突き進んでいく使用人がおりました。

水瀬でございます。

使用人を先導するかの様に進む、その大きな背中はまるでお嬢様を護る戦士の様でございました。

そして振り返ると後ろには微笑んだ古谷の姿が。

凛と立つ彼もまた、後衛を司る聖騎士の様。

皆、頼もしゅうございます。

私は危険な状況にも関わらず、なんだか安心感に包まれておりました。

(本来は前後でなく、高さが敵でございますが…)

そしてその試練を終えましたら大旦那様からのお食事やサプライズのプレゼントがございました。

大変使用人想いな大旦那様と仲間の心強さを実感した旅でございました。

歌劇団の団員達はもちろん誰よりも頼れる仲間でございますが、今回の旅では少し違った目線で仲間との話をお届けいたしました。

まだまだ語りきれませんが、この続きはティーサロンでお話いたしましょう。

では、失礼いたします。