敬愛せしお嬢様へ
今年の桜も綺麗でございましたね。
時任はこの季節あまりお外を出歩けませんので、道すがらに眺める程度ではございますが
名所で艶やかに咲き誇る桜も、街中でふと見かけるひっそりと咲く桜もそれぞれに美しく
また望めるならば桜の下で友人たちと盃を酌み交わしたいものだと、ふと郷愁に駆られたりも致しました。
そんなお花見でございますが、元々は桜ではなく梅を愛でる宴が起源だそうでございます。
奈良の貴族たちが冬の終わりに、丹念に育てた庭園の梅を愛でる宴を催す習慣があったそうでして。風情があってよろしいことではありますが、さぞ寒かったろうにと余計な感想も抱いてしまいました。
それが桜に移り変わって行った切っ掛けは、豊作を祈る庶民の祭事だったそうでございます。
元々、「桜」の語源は「作神の御座」‥田圃の神様がひととき休まれる場所という意味でして
桜の咲く時期に豊作を請い願っていた民の催事がいつしか貴族の梅見の宴に混じり合い
貴族・庶民共に現在のようなお花見の習慣へと移り変わっていったようでございます。
様々な歴史を紐解くと、何かと何かの祭事が混じり合ってしまうことは意外と多いのでございますね。ハロウィンもそのような感じでございましたし。
数百年後の日本ではうっかりするとクリスマスとお正月が混じってしまっているかもしれません。
メリーニューイヤー?それともハッピーニュークリスマスでしょうか。
おせちのデザートにショートケーキをいただくフルコース。イルミネーション門松。お年玉を配り歩くサンタクロース。
‥ちょっと見てみたいですね。
風に桜の花びらが舞い飛ぶ中、そんな馬鹿げたことを思う朝でございました。
お屋敷の催しも、時期が近しいものが混じりあったりするのでしょうか
エイプリルフール開館記念日?
わたぬき執事の日?
‥‥うん。
混ぜるのやめよう。