ドッグランとハンドパン

敬愛せしお嬢様へ

時任でございます。
急に冷え込む日々が続いております。外套のご用意はお済みでございましょうか?
とは言え、まだ晴れた日のお昼はお散歩向けの暖かさを残しておりました。
冬の景色も悪くはありませんが、暖かなうちに一枚描こうと思い立ち、近くの公園へと出向いて参りました。

紅葉の兆しはあるものの、まだまだ色付いてはおらず、緑が優しい色彩のグラデーションを描いておりました。
散歩路には犬のお散歩をなさっている方も多く、広い公園を探検して何かを見つけては、一目散に主人の元へ駆け戻っていく犬たちを良く見かけました。
…いや、犬って足早いですね。うちの猫の20倍ぐらい早い気が致します。うちの子が一般の猫の1/10ぐらいの速度しかないだけですが。

この日はお天気も手伝ってか、絵画や写真や音楽を楽しんでいる方も多く、森のベンチでビールのボトルを傾けながらヴィオラを弾いていた方など、大層絵になっていて、思わずその方をモデルに絵筆を取りそうになってしまいました。

また、森の入り口では閉じた鍋に窪みを付けたような不思議な楽器を演奏なさる方を見掛けました。オリジナルで作られたのかと思っておりましたら、同日に駅前でも同じ楽器を奏でる人を見かけたので、そうでもないようです。

調べてみましたら『ハンドパン』という楽器のようでございます。
実に良い音が響きますので、もしお外で見掛けることなどございましたら、ぜひ耳を傾けてみてくださいませ。

お散歩もたまにはいろいろな発見があって良いものでございます。
お嬢様ももしお散歩で何か面白いものを見つけたら、使用人たちに教えてやって下さいませ。