主役は花から色づく葉へと

金木犀が散ったのはいつのことでしょう。
桜のように盛大に散りゆく姿を見せる花もあれば、隠れて匂い、
人知れず散りゆく花もございます。
晴れの姿を見ることもままならず、最期すら見届けられない
なんて、こんな心残りがございましょうか。

いよいよ外套の必要な時期となってまいりました。
日の陰りも早うございます。
どうかお早くご帰宅くださいませ。

寝起きで、わたくしの言葉など水上の耳に届いてはいないと
思っていた伊織でございます。

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