あの日見た空はまだ遠く

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

10月はあっという間でございました。

自身が企画させていただきました
「新選組」ハロウィンに際しましても、
お嬢様から嬉しいご感想を賜ることが出来、
大変励みになりました。
ティーサロンでのイベントにおいても、
また違った形の催しをお届け出来たのではと存じます。

執事歌劇団の皆と共に、
白金高輪セレネにて行われた催しにも参加させていただきました。
外側から見ていても彼らの頑張りや
凄さは分かっていたつもりでしたが、
こうして参加させていただくことでよりそれが分かった気がいたします。

私としても本当に楽しいひと月となりました。
改めてありがとうございました。

この屋敷にまいりました頃、
こんな風に様々なことに関わらせていただくとは、
つゆにも思っておりませんでした。
それだけの年月が経ったのだと感じますし、
背中を見せることに不安を覚えるより、
当然見せていかなければならない立場に
なっているのかもしれないですね。

「今が最高だ」
という言葉に感銘と尊敬を覚えたことがありました。
これからは私が発していくべきものなのかとも考えますが、
まだまだそのような自信はありません。
いつか胸を張って申し上げられるよう、
その時まで精進してまいります。

これから先も沢山の楽しみを
皆様にご用意してまいりますので、
どうかお付き合いいただければ幸いです。

いよいよ年の瀬。
今年は気候の移り変わりも激しく、
体調を崩しやすいのですので、くれぐれもご自愛ください。
お戻りを心よりお待ちしております。

P.S.
12月(正確には11月末ですが)から、
私のフットマンアイスをご用意いたします。
今回は奇をてらわずに、
甘いバニラアイスと
ほんのりビターなキャラメルソースを合わせました、
シンプルなお品でございます。

少し早いですが皆様へのクリスマスプレゼント。
そのリボンをイメージしております。

そのままでもケーキやスコーンと合わせていただいても、
美味しく召し上がっていただけると存じます。
是非お試しくださいませ。

才木

あきらめる

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

十月までまいりますと、
いよいよ年の瀬が見えて来る頃合いです。
一年をどう始めるかも重要だと存じますが、
どう終えるかも意識したいところです。
振り返り反省をするというのは勿論、
出来れば楽しかったことや達成出来たことなど、
前向きなことも一緒に思い出していただくと
更なる1年の活力になると存じます。

自分に厳しく、他人に甘く。
美辞麗句ではございますが、
道徳規範的なものに縛られすぎるのも
よろしくはございません。

自分で自分を甘やかすくらいが、丁度いい。
程よく諦めるのも大切です。
ということで、久しぶりに本のご紹介をいたします。

――――

岩崎ナオコーラ
「あきらめる」

“登山で頂上まで行く? 途中で降りられる?

「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」

近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。
入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、
ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、
あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。
親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。

ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、
やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!?

「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」――
火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。”

※あらすじより引用

岩崎ナオコーラさんといえば、
私の中で原田マハさんや吉本ばななさんと
並ぶ、
「作品は知っているが読んだことの無い作家」だったのですが、
(名前の印象が似ているので並べました)
気まぐれに読んだダ・ヴィンチ(雑誌)の
書評をきっかけに拝読いたしました。

タイトルが何となく緩い印象なのがよく、
作品全体も文学的なテーマはありながら、
柔らかく読みやすい作品でした。

大切なことはあれど固執するべきことはあまりない。
成熟者と呼ばれるシニア層の主人公が、
人生の転換点に気づくのはそんなことです。

長く生きるほどに経験が増え、
経験の先には執着がよぎります。
それが良いのか悪いのか。
断じることは出来ませんが、
ひとつの考え方としては面白いのでは、と。

是非ご一読いただければ幸いです。

才木

新選組

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

いよいよハロウィンも近づいてまいりまして、
今年のギフトショップのフェアも始まりました。

「新選組 」という変わり種に、
驚かれた方も多いと存じます。
昔から様々な方に愛されてきてはおりますが、
日々燕尾服をまとって給仕をする我々と
イメージが異なるものではございますね。

歴史、特に時代の大きな変わり目には
さまざまな人間の思いがあり、ドラマがあります。
新選組はそんな中でも、何かに囚われることなく自らの信念を貫いた孤高の集団というイメージがございます。

彼らの信念の根幹にあったのは、
ざっくり申しますと「武士であること」。
武士というのは勤め人です。
ただ名乗り、強いだけではいけません。
仕えるべき主があってこそ、武士なのです。

そう考えると我々使用人と被る部分もございます。
忠義に厚い彼らの背中から
見習えることが沢山ある気がいたしますね!

使用人たちの姿も
皆様に楽しんでいただけるように仕上げさせていただきました。
是非お楽しみくださいませ!

才木

チャレンジ

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

毎年の恒例行事を今年も終えました。
皆様今年もありがとうございました。
来年もご期待くださいませ。

さて暦的には秋でございまして、
いよいよ今年も終わりに近づいてまいりました。
毎度気の早いところではあるのですが、
様々な準備をしておりますと、
否応なくそう感じてしまうところです。

ティーサロンやギフトショップでも(きっと)様々ございますが、
この度執事歌劇団のハロウィンパーティーに、
桐島と山岡と共に参加させていただくことになりました。

思えば参加の叶わなかった朗読会などもございまして、
私としてはようやく参加が叶った形です。
まずはお楽しみになさってくださいませ。
皆の邪魔にならないよう、
少しでもステージの彩りになれるよう、
精一杯やらせていただきます。

そしてお嬢様。
あまり日頃こんなことは申し上げませんが、
是非見守っていただければ幸いです。
また間違いなくステージには、
生の魅力というものがございます。
目で見て、肌で感じ、楽しんでいただければ。
会場にてお顔を拝見できれば、大変嬉しゅうございます。

はてさて。
様々申し上げましたが、
今年もまだまだ様々なことがございます!
沢山楽しんでくださいませ!
勿論ティーサロンへのお戻りも、
変わらずお待ちしております。

才木

アオキサイキョウノカクテル

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

いよいよ夏本番でございまして、
世間的にも夏休みに入る頃ですね。
関係がなくなって久しいですが、
この季節特有の空気感ですとか、
幼少期に感じたワクワク感も相まって、
心躍るところでございます。

暑ささえもう少し適切であれば、
手放しで喜べるのですが……。
とはいえ嫌な部分ばかり見ていても、
何も楽しくございません。
遠く鳴る祭囃子の音に耳をすまして、
季節の到来を祝うことにいたしましょう。

さて夏といえば。
今年も佐々木とチョコミントカクテルを
ご用意することになりました。
当家伝統のレシピを細かにアレンジし続けております、このカクテル。
気づけば五年目を迎えました。

皆様のおかげで、
ここまで続けることが出来たことは勿論ですが、
同期の佐々木とここまで続けてこれたことは、
とても嬉しいことにございます。

この度は折り返しや原点回帰の意味も込めまして、
初年度のタイトルと共に(Re:)にその気持ちを込めました。
気は早いところですが、
また末永くお付き合いいただければと存じます。

夏を楽しみましょう!

才木

日誌

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

近頃使用人の談話室にて、
司馬と大河内と共に映画談義に興ずることがしばしばございます。
ご存知の通り、二人は非常に造形の深い者たちであります。
その知識は広く深いものでして、
私ごとき広く浅く楽しむタイプでは
遠く及ばないものがあるのですが、
彼らがどう感じたかを聞くことは、
一つの楽しみでございますし、
更に色々なものに触れる際の原動力になっております。

日々新しいものに触れ続けることは、
人生に潤いを持たせることに必要不可欠ですし、
停滞が一番の毒であると私は信じております。

とはいえ自分自身の好みでばかり動いておりますと、
視野が狭くなることを痛感させられます。
時代の流れにもある程度敏感でいたいと思いますし、
(傾倒するかはまた別の話です)
ジャンル問わず様々な経験を積んでいきたく存じます。
ひいてはそれが使用人として、
皆様にお仕えする上での益になるだろうとも考えております。

何かオススメなどありましたら、
教えていただければ幸いです。

ティーサロンにてお戻りを心よりお待ちしております。

才木

初瀬川は大和へと流れ下る

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます、才木でございます。

四月、春は変化の多い季節でございますね。
皆様におかれましても、様々なことがおありになるかと存じます。
楽しいこともあれば、ご苦労されることも。

私としても、
4月8日をもって
給仕を許されてから7年が経ちました。
思えば出会いもあり別れもあり、
自分自身としても春とそれは
密接に結びついております。

去るもの追わず、来るものを拒まず。
自分の外側へのこだわりを捨てることを
ある意味での美徳としてまいりましたが、
思いがけない仲間の再来はやはり嬉しいものです。

ですので今回は、
そんな春から初夏にかけての
暖かな空気をエクストラティーで
感じていただければと存じます。

初瀬川は、奈良県北部を流れる川。
その流れはやがて大和川へと繋がります。
川辺に泳ぐのは大小様々、色とりどりの鯉のぼりです。

我々の大好きなツイルフォードを、
ミルクティーに仕上げまして、
フラペチーノのようにクリームを
おのせしてご用意いたします。
パティシエにも協力を仰ぎまして、
クリームも数種類ご用意いたします。
その点もご期待いただければと存じます。

5月28日は、
小瀧がティーサロンにて初めて給仕した日でもございます。
(2周年でございます!)
様々な点を合わせてお楽しみいただければ幸いです。

是非お楽しみくださいませ。

――

ギフトショップにて、
今月頭から私の使用人大好きシリーズとしての一品、
ミルクジャムをご用意してございます。

シンプルなお品故に、
トーストに合わせても当家のスコーンに合わせてもと、
幅広くお楽しみいただける物に仕上げております。

個人的には、アイスクリームと合わせていただくののもオススメです。
どちらかと申しますと庶民的な、
濃厚なものとの組み合わせがよろしゅうございます。
チョコや抹茶とお好みに応じてお楽しみくださいませ。

ギフトショップでもティーサロンでも、
皆様のお戻りを心よりお待ちしております。

才木