秋といえば④

ご機嫌麗しゅうございます。
山岡でございます。

「秋といえば」をテーマに日誌をしたためております。
第四弾、恐らく最後でございます。単語はこちら。

食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋
紅葉、金木犀、コスモス、
秋刀魚、栗、さつまいも、
お月見、運動会

最後はお月見と運動会です。
どう展開されていくのかは想像がついておりません。
では、参ります。(ふぁいしません)

10.お月見
歴史的には陰暦8月15日から16日の夜(十五夜)、
旧暦9月13日から14日の夜(十三夜)の月を鑑賞する事だそうでございます。
陰暦8月15日は現代では10月6日で中秋の名月。ちゃんと満月だそうです。
旧暦の9月13日は現代では11月2日。当日は満月ではありませんでしたね。
私は月を見るのは割と好きです。
日食などにはあまり関心がありません。
知識は付けていないのですが、身体の具合が悪い時に月を見ると大体その月は綺麗に見えない、何か奇妙さを感じてしまう事と、
先日使用人達と話していた時に、月の引力の関係で体調に影響を及ぼすという話を聞いた時に何かしら因果関係があるのだなというのは感じていまして、
そこからはただぼーっと眺めていた月への思いは変わってしまったような気がいたします。
自身の事をより深く知るためにも、
月をこれまで通りの感情で眺める為にも、
この辺りの知識はしっかり付けたいと思った次第でございました。

11.運動会
青春でございますね。
秋に運動会を行っていたのは小学校か中学校までで、
高校は春に行っていた記憶がございます。
徒競走、綱引き、玉入れ、リレー、ダンス、二人三脚、騎馬戦、障害物競争、応援団、仮装リレー、組体操、社交ダンスもありましたかね。
走る時に流れるクラシックのBGMが好きでした。
曲名は未だに存じておりません。
小中学校の運動会は特にダンスの練習が楽しかった記憶がございます。当時の流行の曲に合わせて振付を覚えたり、ソーラン節もやりましたでしょうか。
後は学生時代は運動の出来る子が人気者になれる文化も顕著でしたね。
私はそういう点では一切縁のないものでございました。

以上でございます。
四季は好きですし風物詩も勿論好きですが、
こう文章にするために色々を思いを馳せていると、
よりひとつひとつのことへの趣が増す感覚がございますね。
お嬢様方へお届けするものである為あまり自己満足にならないように意識はしておりますが、
私自身の秋への充実度が増した気がいたします。
私のしたためた文章が大事なのではなく、
お嬢様がひとつの単語に対して同じように思考を巡らせた結果、趣深くなられる事が山岡にとってのこの日誌の意義や目的や喜びなのかもしれませんね。

長らくお付き合い頂きありがとうございました。

あっという間に冬を感じる季節になりましたね。

この調子でしたらきっと冬といえばもやるのでしょう。
気が向いたらご覧下さいませ。
それでは。

十一月

心臓から頭の先を巡って足先に至るまでに、血液と共に鉛を運んでいるのではないのかと考えてしまうほど、体がグンと重くなり、息は絶え絶えで、もう、いっそのこと諦めてしまおうかと弱い心が見え隠れをします。

『合計で百キロ、今月中に走り切る」

十月中旬に思いつき、意気揚々と走りますと宣言した私は朝晩、お休みの日でもお給仕の日でも、目標を達するために無我夢中で足を前に運びました。
スタートを切った序盤、私は余裕なのではと錯覚しました。
思った以上に動く体と無尽蔵にも思える疲れを知らない体力。普段から沢山歩いてるおかげもあるのか、軽快な足取りでございました。

ただしかし、辛くなってくるのは中盤からでございました。

一周がおおよそ三キロの外周を三十と半分。二周目に入るも、景色が一向に変わらない。なのに疲労が顕著に見え始め、心が消耗し出す永遠に続くと感じてしまう地獄。
走りながらも私は、一度でも止まってしまうと、もう二度と走れない、走りたくない。そんな予感めいたものを感じていました。
よくゴールのないマラソンほどキツイものはないと聞きますが、ゴールが見えているからこそ、その道のりの長さに苦しむことはあるんだと、知る良い機会になりました。

残り数日、目標までは二十五キロ程。

以前、なぜこんな無謀なことを始めたのかと聞かれたことがございます。

「普段から社会勉強等、ご自身のことを一生懸命にこなしてるお嬢様、お坊ちゃまを見て、私も負けてはいられないと思いました」

この言葉に嘘はございません。
けれど、私も人間でございます。
綺麗事だけではない本音というものもございます。

それは昔からの憧れでございました。

私の姿を見て、誰かに、明日も頑張ろうって、そういう気持ちにさせることができる、自分になりたかったから。

私が成していることは所詮自己満足だと、このような考えは身の程知らずなことであると頭では理解してます。

それでも成し遂げたいと思ったのが私でした。

目標を達成することを決めた最終日。ちょうど休館日の真ん中の日に、私は覚悟を決めました。

 

時間にして三時間と少々、距離にして二五.八キロ。

 

普段走る二倍以上の距離を走り切り、見事自分で掲げた百キロに到達しました。

走り切った私は終わったことへの喜びと感動と、自然に溢れる涙と心の底から湧き上がる達成感を噛み締めながら『こんな私でも、いつか憧れた自分になれたらいいな』とこれからも頑張っていこうと、前向きになれる挑戦になって良かったと思いました。

また、私卯月は日本紅茶協会認定ティーアドバイザーの資格を取得いたしました。

あの日夢見た自分自身になれるよう、これからも精進してまいります。

お嬢様、お坊ちゃま、

温かな紅茶たちと共に

お早いご帰宅をお待ちしております。

三つの幸せ

百合野でございます。

お嬢様。

特別な時間というものをご存知でございますか?

そう、それはスイーツを召し上がっていただく時間でございます。

もしも、一つのスイーツで三つの特別な時間を頂戴できるとしたら…

いや、そんなわけが

…あるのでございます!

それは11月後半から提供させていただきます。
私のフットマンアイス

「プレミアムバニラ〜ストロベリーソースと共に〜」

にございます。

はい。
ご説明いたしましょう。

こちらプレミアムバニラと本格的なストロベリーソースが別々に出てまいります。

まずは一つ目の幸せ

ただのバニラではなく
バニラビーンズたっぷりの高級プレミアムバニラ。

きっとお嬢様を「バニラが一番だった」と気付かせてくれるかと存じます。

そして二つ目の幸せ

ジューシーな果肉の本格的なストロベリーソース。
こちらを先程のバニラアイスに絡めて召し上がってくださいませ。

きっとお嬢様を「小さい頃好きだった苺はここにあったのね」と思い出させてくれるでしょう。

そして三つ目の幸せ

スコーンとのマリアージュ。

お屋敷のスコーンに、バニラそしてストロベリーバニラを絡めて召し上がってみてくださいませ、たちまちアイスとスコーンのロンドがお口の中で奏でられ

きっとお嬢様を「私の幸せはここにあったんだ」と目覚めさせてくれる事でしょう。

バニラのみとストロベリーバニラの幸せで厳密には四つの幸せでございましたが。

いかがでしたでしょう?

よろしければご一緒にティータイムに幸せを探しにいらっしゃいませんか?

審美眼

掃き清めし庭に今一度枯葉を撒く。

季節はまさに本格的な冬の片足手前といったところでございましょうか。
お嬢様、いかがお過ごしでございますか?

香川でございます。

塵一つなき様を最適解とするか。
あえて舞い落ちし葉に情をのせるのか。

受け手の鋭敏な感度があればこそのやり取りが、庭の情景一つに込められていた時代もあったのでございましょう。

平均的な解答がコンマ数秒で返ってくることにも安心を覚えつつ、
唯一無二のひとひらの枯葉に手放しかけた探し物が隠れているような、

既視感とは何かしらこういったところにもあるのかもしれないと、
狂気的なオリジナルへの希求に駆り立てられるのは秋の夕景のせいでしょうか?

見方を変えればこの木の葉。
熱した水をかけ、香りや味わいを引き出せることを誰がどのようにして見出したのでございましょう。

お嬢様も日ごろ答えなどなき混沌の中にてお過ごしでございましょうか。

山の端に沈む陽の光を遠目に見つつ、
せめてカップの中の夕焼け色のひとしずくに、
お疲れを癒す心づくしを込められればなどと、
幾ばくか湿り気を帯びた想いなども誘われるのは、
リースなどの用意を仰せつかった時候のせいかもしれません。

二度とはかえらぬ人生の一瞬一瞬。
のびる夕雲がたとえ宵闇に消されていこうとも、
お許しいただける限りお供いたしましょう。

お早いお帰りを心よりお待ちしております。

霜月

秋も深まり、歩道に落ち葉が散る季節となりました。

お嬢様いかがお過ごしでしょうか、乾でございます。

先日11月1日は当家ティーサロンともゆかりの深い紅茶の日でございました。今年は美味しいお茶との出会いはございましたか?

さて、今月は個人的に気になる日がございます。
11月17日が「将棋の日」なのでございます。

私の趣味の一つとしてお嬢様方にも時々お話しさせていただいておりますが、そこで今回は「将棋の日」の起源などをご紹介させていただこうかと存じます。お嬢様の雑学のひとつに加えていただけますと嬉しゅうございます。

江戸時代、将棋好きであった徳川家康公が将棋と囲碁を幕府の公認とし公務として将軍の御前で指す御城将棋が行われるようになりました。

八代将軍徳川吉宗の頃からは年に一度、旧暦の11月17日に「御城将棋の日」として御城将棋を行うようになりました。

この事を由来として1975年に日本将棋連盟が11月17日(新暦)を「将棋の日」と制定致しました。

毎年11月には全国各地で将棋にまつわる様々なイベントが行われております。

今年は11月22日・23日に兵庫県加古川市でイベントがあるようです。

いずれ私も一度は参加してみたいと思いますが、さていかがいたしましょうか。

お嬢様のご趣味のお話などもお教えくだされば嬉しゅうございます。

お帰りをお待ちしております。

日誌

お嬢様、お坊ちゃま
秋の金木犀の可愛さに喜びを感じていた近衛でございます。

秋といえば、私は大好きな花の一つである金木犀の季節だなと思う次第でございまして、つい道を歩くときなど甘い匂いがしないかなーと思いながら目的地まで足を運ぶものでございます。

ただ最近は秋がいつの間にか過ぎて冬を混じる気温になってしまいましたね。
まだまだ金木犀の香りを楽しみたいものではございますが、雨などで散ってしまったのでしょうか…

お嬢様、おぼっちゃまも道行く先で季節のお花やこれからはハロウィンが終わりクリスマスを控えてイルミネーションが街で用意し始める頃合いでございましょう。
社会勉強先での素敵な出会いがございましたらぜひご帰宅の際に話を聞かせてくださいませ。

また私この度ティーアドバイザーの資格を取得することが叶いました。
これからも一層お嬢様のおそばで使えるにふさわしい使用人になれるよう精進してまいります。
どうかお見守りくださいませ。

V.V.

秋風吹く空を見上げて、北新地へと向かう黄金色の銀杏並木を思い出しました。

その落ち葉を踏み締めた感覚が起因となり郷愁の想いに耽る能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

ソムリエが年に最もそわそわするボジョレー・ヌーヴォーの季節でこざいます。

本年の新酒には一体どのようなキャッチコピーがつけられているのでしょうか。

こちらの日誌がお嬢様の目に留まる頃には、文言が決まっているとよいですね。

 

今年は時任とともに、2025年のボジョレー・ヌーヴォーをお届けいたします。

五年以上も前、時任とワインバーに立っていたことを非常に懐かしく感じます。

味覚のプロフェッショナルでございますので、選定したワインが楽しみです。

 

本年の新酒は、昨年とラインナップを少し変えてご用意する予定でございます。

入れ替わりのあったボジョレー・ヌーヴォーを、簡単にご紹介いたしましょう。

 

Gaspard et Lisa Beaujolais Nouveau 2025

リサとガスパール ボジョレー・ヌーヴォー 2025

僭越ながら私が選定いたしましたこちらはお屋敷に初登場の一本でございます。

可愛らしいタッチで描かれました、何とも言えない表情の動物たちが愛おしい。

お嬢様が幼少期によくお読みになっていた絵本を彷彿とさせるエチケットです。

デザインとは裏腹にワイン自体は本格派。優美なエレガントを纏っております。

 

Lou Dumont Beaujolais Nouveau Vieilles Vignes 2025

ルー・デュモン ボジョレー・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ 2025

こちらは、時任が選定いたしましたボジョレー・ヌーヴォーでございまして、

日本人醸造家の仲田晃司さんがフランスに渡り開いたワイナリーの一本です。

ヴィエイユ・ヴィーニュ、通称「VV」。古樹に成ったブドウから造られました。

新酒でありながら、ワイン通好みの複雑なアロマを愉しめそうでございます。

 

11月も始まり、様々な生産地のたくさんの新酒がお屋敷に届いてまいります。

ソムリエが浮き足立つ季節、お嬢様も本年の味わいをご期待くださいませ。

 

能見