カクテルジュレ

我が敬愛せしお嬢様へ

今年の雨季は明けるのでしょうか。それともまだ霧雨の帳を下ろし続けるのでしょうか。
時折に降り注ぐ雨が、梅雨のものなのか真夏のスコールなのか判別しかねている時任でございます。

いずれにせよ油断ならぬ季節ゆえ、どうぞ傘は肌身離さずお持ち頂きますように。
太陽が顔を出しておりますときの陽射しも強うございますから、晴雨兼用をお持ち頂くのが一番かと存じます。
どうぞ準備万端になさり、優雅にこの季節をお潜り抜けくださいませ。

さて、今宵はと申しますと。僭越ながらご報告がございます。
なんと当家パティシエが、『時任のカクテルジュレ』なるものを作ってくれたのです!
いや、時任も最初は何の話やねんと思いましたが、洒落でも冗談でもないようです。
しかも青薔薇の館で、お嬢様方にもお召し頂けるとのこと。
身に過ぎる栄誉と怯えつつも、試食の一品を頂き、ありがたく頂戴いたしました。

ベースに致しましたのは『ファジーネーブル』と申しますカクテルとのこと。
ざっくばらんに訳しますと「たぶん桃。」
なんてアヴレッシブなネーミングでございましょうか。
基本的には桃のリキュールにオレンジジュースを加えたカクテルでございますが、まれにオレンジとピーチネクターにウオッカを合わせるレシピもあるようです。

今回の『カクテルジュレ』はそのモチーフに従い、桃とオレンジのフルーティなジュレを美しくミックスして作成されております。
グラスに浮かぶ氷に見立てた透明色のジュレも、酸味豊かに整えられ、オレンジやピーチの部分を個々にお召し上がり頂いても、氷の部分も含めて混ぜるようにお召し頂いても絶品です。

真夏のお庭。深緑の香りが薫る木陰で、お散歩やご乗馬の小休止のときにでも、ぜひお召し上がりくださいませ。よーく冷やしてご用意しておきます。

なお、リキュール等のアルコールも使われておりますが、さほどお酒を感じる風味ではございません。
お昼からお召しになってもバチはあたりませんから、ご安心下さいませ。

追伸

酒豪のお嬢様方へ

ハイアルコールのご用命は、お受け致しかねます。