「番外編・同族狩りの弐/話は進むどころか遡る。/応接間において一執事が行った暇つぶしの代償/銀と紫の一族/月下の似姿/そして終点は前章とと同じ」

我が敬愛せしお嬢様。
思うままに筆を振るうのは楽しいものでございます。
ただ、往々にしてございますのは。
筆を振るっているつもりがいつしか、筆が物語に支配され。
まるで思いもしない物語の中へと筆を持つ私自身が連れ去られてしまうこと。

私はいつ、この物語の中から帰還出来ましょうか。
あるいはこのまま、どことも知れぬ地を彷徨うが定めなのでしょうか。

せめてこの拙き駄文が、最愛なる貴方の退屈という病を、ひとときでも癒す術となるなら。
このまま帰還叶わぬとも、本望でございます。
“「番外編・同族狩りの弐/話は進むどころか遡る。/応接間において一執事が行った暇つぶしの代償/銀と紫の一族/月下の似姿/そして終点は前章とと同じ」” の続きを読む

星空が綺麗な秋の日

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌いかがでしょうか? 金澤でございます。
今年の秋は短く、もう冬がそこまでやって来ております。
風邪などひかれませんよう体調には十分お気をつけ下さいませ。


さて今回は私のある一日のお話を致しましょう(毎回同じようですが・・)


秋風が心地よい某日、いつものようにお屋敷のティーサロンではお嬢様のお帰りをお迎えする為、使用人一同せっせと準備をしています。


この日私が仰せつかった仕事は、紅茶係!
お嬢様、お坊ちゃまのご帰宅に合わせ茶葉のチェック、お湯を沸かしたり、ポットを温めたり etc・・


時間になりました。
嘉島執事 「さあ、みなさん!お時間ですのでお嬢様をお迎えいたしましょう!」


スワロウテイルの一日が始まりました!

“星空が綺麗な秋の日” の続きを読む

迷子のままで

犬や猫、はたまた金魚や雀は、どんなことを思って日々を
過ごしているのでしょう。
彼らに、記憶するという能力があることは確かでしょうが、
その記憶の中に、思い出と呼べる類のものは存在するのでしょうか。
過去を思って一喜一憂する――それは人間だけの持つ心の作用なので
ありましょうか。

持っているのは、手帳にペンに歳時記ひとつ――。
嫁菜の花咲くあぜ道は、視界の限り通る者も稲刈る者もおりはしません。
こんな所で迷っているから、さみしい作り話ばかりが頭に浮かんで
くるのでしょう。
散歩とは、なにも無計画に歩くことではございません。ようやく学んだ
気がいたします。

お体を冷やされてはおりませんか。
すぐに温かなお茶をお持ちいたしますので、お声がけくださいませ。
伊織でございます。

“迷子のままで” の続きを読む

お勧め紅茶~ピュアティー編~

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます、百合野でございます。

最近、紅茶に関心のあるお嬢様が増えてくださったおかげで
紅茶の事を聞かれる事が増えて参りました。

そこで段々新しい紅茶も増えて来た事ですので、

ここで「完全に個人的」な
お勧め紅茶をご紹介したいと存じます。
“お勧め紅茶~ピュアティー編~” の続きを読む