愛の罪深さ

敬愛せしお嬢様へ

時任でございます。
窓硝子が凍てつくほどの寒さが続いております。
お嬢様におかれましては、きちんとたくさんお布団をかけておやすみ頂けておりますか?
どうか夢の中までも、暖かくお過ごしくださいませ。

先日の雪は大変でございましたね。
ご別宅への道程、大冒険だった方もいらっしゃいますよね。
爺やたちもたいそう心配しておりました。

そんな雪の日、時任はドアマンを勤めさせていただき、ありがたくも多々ねぎらいのお言葉を頂戴致しました。
ありがとうございます。

お気遣いありがたい上でなお恐縮なことながら、
実は、雪の日は大好きなので、そこまで苦ではございません。

凛とした冷たい空気も。白く塗り替えられてゆく街の景色も。
空を見上げると花のように舞っている雪の美しさも。
時間を忘れて観入られてしまうぐらい好んでおります。

ええ。好きですとも。

ただ。

冬の寒い日に猫と一緒に潜り込むお布団の暖かさも大好きです。
どっちの方が好きかと問われるなら。
どちらへの愛がより深いかと仰せなら。

圧倒的にお布団の方が大好きです。愛しています。

嗚呼。

そんな次第で。

今朝もなかなかお布団から出る決意がつきません。
仕方ないですよね。愛の深さの問題です。
ああ、愛って何て罪深いんでしょう。冬のお布団おそるべし。

追伸

冬にお布団から出られないときは、
お布団の中で足あげ腹筋運動などなさるのがおすすめです。
暖まりますし目が覚めます。