9月という響きは秋らしさを内包するものの、いまだしばらくは夏の気配が去りそうにありません。
収穫をよろこぶのも、もうひと月ふた月先のことかと思うと、いっそ9月は夏であると断言してくれた方が心がやすまりそうです。
伊織でございます。
月: 2018年9月
夕風
金澤でございます。
今とっても夕焼けが綺麗です
お嬢様にも見せて差し上げたい
そのくらい綺麗です
夏の終わりってこんな夕陽があるんですよね
雲の色が朱色のグラデーション
このジーンとくる感覚は言葉では表現しきれません
きっとどこかでお嬢様も同じ夕焼けを見ているのかなと思ってみたり…
太陽が丘に隠れると夏の風がいつの間にか秋を感じさせる風に変わりました
街の灯りが瞬きはじめました
明日はどんな日になるのかな
『 明日への手紙 』♪
花鳥風月
ご機嫌いかがでございますか。
環でございます。
夏の暑さはまだ残っておりますが、少しずつ秋の気配も感じるようになりました。
秋にも楽しみがたくさんございますね。
味覚の秋や芸術の秋などがございますが、紅葉も楽しみの一つでございます。
力強く茂っていた葉が紅くなり、また違う表情を見せる。
そんな景色が待ち遠しゅうございます。
そしてふと思ったのですが、題名の花鳥風月。
美しい風景を表した四文字熟語でございますが、個人的に連想される風景は紅葉の紅や夜空の黒などです。
何故なのかは分かりません。
お嬢様はどんか風景を連想されるのでしょうか。
まずは使用人にでも聞いてみようかと存じます。
では、また。
新しい称号
この度、大旦那様よりファーストフットマンの称号を授かりました。
使用人として、より高みを目指して尽力してまいりたいと存じております。
振り返ってみれば、お屋敷の門を叩いた時は、今の自分自身が想像できなかったと思います。
そしてこれからも同様に、予想できない未来が待っている事でしょう。
しかしながら、これだけは変わらないと自信をもてる事がございます。
それは、「お嬢様がどうしたら喜んでくださるかを考え続ける事」でございます。
これはどんな状況に見舞われても変わらない自信がございます。
環境や心境が変われば必要なものも変わってまいります。
我々はその都度、最適なモノをお届けできる様、努めてまいりたいと存じております。
階級が変われど、私がいくつになろうともお嬢様の記憶は私の中に重なり
その時に一番大切な使用人としての贈り物を探し続けることでしょう。
どうかこれからもお嬢様の元でお仕えさせてくださいませ。
~感謝を込めて~
百合野
ご報告とご挨拶
ご機嫌麗しゅうございます、隈川でございます。
お嬢様。
私、隈川は本日より正式にファーストフットマンの任を仰せつかりましたことご報告申し上げます。
私は他者にも自分自身にも甘い人間であることを自覚しております。
教育係の役割を持つファーストフットマンという役職を全うする為には、後輩たちに見られて恥じることのないよう、これまで以上に責任を持った考え方が必要でございます。
しかしながら、根幹にある『お仕えする主人の役に立ちたい』という気持ちはこれまでと変わることございません。むしろ、より一層深まっているようにも存じます。
お嬢様の傍で、先輩方の伝統を踏襲しつつ自分がファーストフットマンである意味を見つけていけたらばと存じます。
精進致します故、これからもどうぞ宜しくお願い致します、お嬢様。
隈川
古谷でございます
フラフラと立ち眩んでしまうような連日の日盛りも僅かばかり穏やかになりつつございます。
秋の入り口
司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?
九月になりまして、ツクツクボウシの声が聞こえるようになりました。
わずかながら涼しい風も吹きまして、朝夕に秋の気配を感じることも多くなりました。
さて、
―天高く、馬肥ゆ。
という言葉がございます。
実り多い秋を表す意味として使われますが、語源を探ると、この言葉には不穏な歴史がございます。
実はこの言葉、『漢書』にございまして、秋になれば、準備を整えた騎馬を駆って、異民族が襲来してくるから、防戦の支度をしなければならない、という意をもっております。
いささか物騒でございますね。
幸いにも、いまは平和な時代でございます。
当家の駿馬たちも戦に出るようなことはございません。
お嬢さま方におかれましては、秋の陽光の元、のんびりとご乗馬をお楽しみいただければ幸いでございます。
食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋・・・。
いろいろな楽しみも増えてまいります。
どうぞ大いにご堪能くださいませ。
ただ、秋の初めは、夏の疲れがたいへん出やすい時季でもございます。
決してご無理はなさらず、お嬢さま方のマイペースをお守りくださいますよう。
では、今回はこの辺りで失礼いたします。