スーパー・ブルー・ブラッドムーン

皆様、ご機嫌麗しゅう。
吉川でございます。

去る1月31日夜、皆既月食が観測されましたが、皆様はご覧になられましたか?
この時間帯は生憎の曇り予報でしたが、幸いにも好天に恵まれ、しっかりと観られたように思います。
満月が地球に近付いて大きく見える「スーパームーン」、一月に二度の満月が巡る「ブルームーン」、そして月食時に月が赤く染まる「ブラッドムーン」が同時に起こった、極上の天体ショーでございました。
寒空の中、蝕の始まりから小一時間…いえ二時間ほど眺めておりましたが、完全に真っ暗になるわけではないのですね。
意外と明るいと申しますか、外周の光が消えないと申しますか。
古の人々が天変地異の予兆と恐れたのが不思議に思えるくらい、不安さを感じさせない神秘的な眺めでした。
昨年末には、ふたご座流星群によって人生初の流星を観られたこともあり、今年は天体観測に心惹かれる年になりそうです。

揚げニンニクはシュトロイゼルではありません

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。

私は今、給仕や執務を終えた環、百合野、伊織と一緒に、夜の外食に来ております。

つまるところ、お夜食会でございます。

環「この時間の食事は体に良くありません、ですが」

百合野「それでも、たまに食べたくなってしまうんですよね」

二人の言葉に深く頷きながら、ふとテーブルに並ぶ調味料に目が行きます。

隈川「…シュトロイゼルみたいなのがある」

伊織「それはフライドガーリックだよ」

諭すように穏やかな口調で教えてくれました。

意味があるような、ないような会話。
お夜食時にはこれくらいが丁度いいのです。

お嬢様がお休みになられた後の、使用人だけでのささやかな贅沢です。

明日も朝は早いのですが、話題も尽きないので、もう少しだけ。

隈川

ああ、バレンタイン

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

お屋敷のバレンタインといえば、
バレンタインサロンなどもございました。

とはいえ日本流のバレンタインですと、
基本的には私達の出番はなく、
常に変わらずお務めするのみですが、
折角のイベントでございますし、
古今東西見渡せば、
そもそも男性が何かをするものですから、
ここは一つ私も、何かをしたいなと考える訳です。

私、同期に浪川と佐々木がおりますが、
使用人宿舎では、同部屋をあてがわれておりまして、
何となく、そんな皆を伝えてみたのでございます。

私「折角だから、何かないだろうかね」
佐々木「チョコは食べたいですけどねえ」
浪川「何かって言っても難しくないですか?」

佐々木は甘い物が好きです、
ですけど、作るのは苦手です。
浪川はこのような時、客観的です。

私「それを考えたいんですよ、ほら女性の方だと友チョコとかあるじゃないですか、ああゆうのは」

二人共、何が楽しいのか、といった顔です。

私「チョコ嫌いですか?」
二人「才木くんのは別に、いらない」
私「悲しいです」

私も、あげても、
殊更楽しい気はしませんでしたから、
この案はなしになりました。

私「他になにかありますか?」
佐々木「インスタ映えするのがいいと思うんですよ」

佐々木の流行語です。
インスタのことはよく分からないようです。
私もよく分からないのですけど。

私「例えば?」
佐々木「そこは……浪川くんが」
浪川「綺麗で可愛い……とか?」

答える誠意は、素晴らしいですね。

私「何か抽象的ですね、具体的に何をするのか決めないと」
佐々木「才木くんが考えてくださいよ」
私「ぐう」

そもそも私は何がしたいのでしょう。

浪川「明日もお勤めがあるから、私は、寝ますね」
佐々木「それもそうですね、そうしましょう」
私「何かやりましょうよ」
佐々木「才木くんが、決めたら、それにしましょう。じゃあ、後はお願いします」
浪川「お願いします」

任せられてしまいました。
ただ、三人集まって、決まらなかったことが、
一人で決められるはずもありません。
本でも読みながら、そのまま眠ってしまおうと思います。

何となく過ごすというのも悪くないですし、
気は置けませんから、
何となく楽しくはなるでしょうから。
何とかはなるでしょう。

使用人らしからぬ、コメントではありますけども。

ああ、バレンタイン。
何か面白いことが、あればやってみたいですね。

後は、春が駆け足で、
参りましたら、なおよいところです。
早く来い来い、春よ来い。

才木

〇〇ボンボン

立春とはいえまだ寒さ厳しき日が続いております。

お嬢様、いかがお過ごしでしょうか。乾でございます。

さて、2月と言えば「ヴァレンタイン」でございますね。

今回は私のヴァレンタインの思い出をお話しさせていただきます。

元々、甘い物が好きだった幼い日(小学1年生だったと記憶しております)の私はヴァレンタインの時期になると当時、某有名洋菓子店に勤めていた伯母からのプレゼントを心待ちにしておりました。

そこには、数種類のチョコレートと必ず「ウイスキーボンボン」が入っていたのです。
無論、この「ウイスキーボンボン」は私の父親向けの物なのですが・・・

ある日、小学校から帰った私は何気なく「ウイスキーボンボン」を食べてみてそのおいしさから何個か食してしまいました。

そして案の定・・・酔っぱらったようでございます。
(私自身は何の記憶もありませんが陽気に歌を歌っていたそうです)

今でも「ウイスキーボンボン」は大好物でございます。

最近では色々なお酒の物もございますが特に吟醸酒の物がお気に入りでございますね。

お嬢様はお好きなチョコレートはございますか?

よろしければ、お教えくださいませ。

まだまだ寒い日が続きますが、お嬢様が良き春をお迎えになりますようお祈り申し上げます。

日誌

寒い日が続いていますね
春の兆しが感じられるのはもう少し先でございましょうか。

さて、お嬢様方。
改めてご案内するのも少々恐縮なのですが

昨年からBLUE MOOONをご紹介する写真の一部を
担当させていただけることになりました。

現在時任執事が撮影したものと合わせて使っているので
ご覧いただければ幸いでございます。

個人的にはヘッダーの写真が一番気に入っておりまして
比率を合わせて配置していくのがなかなか面白くございましたが。
そして何よりも、手だけではございますがモデルがよかったのも一因かもしれませんね。

ただ、カクテルは眺めて楽しむものではございません。
是非BLUE MOONへ足を運び冷えた体を温めてくださいね。

節目

お嬢様、お坊ちゃま方、ご機嫌麗しゅうございます。

2月には立春があるとは申せ、まだまだ寒さが厳しゅうございますが、いかがお過ごしでしょうか。

1月にご用意しておりましたガレットデロワ。どのようなフェーブを手に入れられましたか?
季節ならではのお品ということでございますと、今月は恵方巻やチョコレートを思い浮かべる方もいらっしゃるかと存じます。

わたくし香川は2月というと、毎年特別な思いがよぎります。

お屋敷にてお嬢様にお仕えするようになった月。

緊張しつつも、纏うドアマンコートと蝶のバッジに誇りを感じたあの日。

いつになっても、どこでお仕えするようになっても、初心に立ち返ることの大切さをこの身に思い出させる期間が、わたくしにとっての2月であるように存じます。

まだまだ未熟者ではございますが、精いっぱいお仕えさせていただきたく存じます。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

それではまだ雪の残るところもあろうかと存じますが、お足元にはくれぐれもお気を付けて、お早いお帰りをお待ちしております。