梅酒の仕込み

皆様、ご機嫌麗しゅうございます。
吉川でございます。

毎年恒例にしている梅酒の仕込みを、今年も恙なく終えることが出来ました。
皆様にご報告しとうございます。

仕込み日は6月下旬の某日。
2種類のお酒を用意し、2ビン仕込むことにいたしました。
今年は梅雨の雨量が少なかった為か、梅の実が熟れるのが少々早かったように思います。
すっかり黄色くなった南高梅を購入。
材料はこちらです。

南高梅…1kg×2
氷砂糖…500g×2
ジン…1.8リットル
泡盛…1.8リットル

梅酒用のお酒は、通常はホワイトリカー(アルコール度数35℃程度)を使いますが、せっかくの手作りですので、好みのお酒を選んでおります。
アルコール度数は、ジンが47.5℃、泡盛が43℃。
度数の高いお酒の方が消毒作用が高く、ほぼ失敗しませんし、何よりお酒としての飲み応えがございます。
また、通常のレシピですと梅の実と氷砂糖は同量の1kgずつなのですが、それでは甘くなりすぎてしまうので、氷砂糖は半分の500gに減らしております。

さて、それでは作業に取りかかりましょう。

梅酒の仕込みは、まず一番最初に、一番面倒な作業を行なわなければなりません。
ビンの煮沸消毒。
これが大変な手間なのです。
お湯を沸かし、熱湯をビンに注ぎ込み、ビンを持って、お湯で内部を拭うように行き渡らせる。
この作業が熱いこと熱いこと!
しかもビンは4リットルサイズ…ちょっとした修行です。
しかし、アルコール度数の高いお酒を使用するならば、この限りではありません。
お湯をザッと流し込み、ザッと回し、捨て、ビンを伏せて乾かした上で、使用するお酒を利用してビンの内側を拭って消毒する。
いわゆるアルコール除菌です。
これで何とかなります。

ビンの消毒が終われば、あとは簡単。
完熟に近い梅ならば、水に漬けてアク抜きしなくても大丈夫でしょう。
梅を軽く水洗いし、へたを取り、よく拭いて、ビンの中に置いていきます。
梅の表面に水が残らないよう、拭き作業は丁寧に行ないます。
一段置いたら、氷砂糖を少し入れ、また一段梅を置き、氷砂糖を少し入れる。
梅と氷砂糖をサンドイッチ状態にしていきます。
梅1kg、氷砂糖500gを入れ終えたら、お酒を静かに注ぎ込みます。
なぜ静かに注ぎ込むのかは良くわかりませんが、恐らくはサンドされている氷砂糖を動かさないためではないかと思われます。

この後、冷暗所にて保管するのですが、数々のレシピを見てみると「折を見てビンを揺すって氷砂糖を溶かす」と「放置する」とで意見が分かれているようです。
例年は揺すっておりましたが、今年は放置してみることにしました。
押し入れの奥にしまい込み、たまに様子を見て微笑むだけにしておきます。
ゆっくりと溶けていく氷砂糖の浸透圧により梅の実からエキスが抽出され、成長するかのように徐々に薄茶に色づいていく梅酒を見守るのが、梅酒作りの醍醐味です。
今年に仕込んだ梅酒を飲むのは一年後、それまでゆっくりと成長を見守っていきます。

執事として、新しいフットマンたちの成長を見守るかのように。