私のアイス

この度私が考案したアイスをお嬢様にご用意できることとなりました。
寒さにも辟易する日々でございましょう。今回は心が温まるような味わいをと、暖炉の前で、こたつの中で食べたくなるようなアイスをご用意いたしました。

「プラリネとマーマレードのアイス」

ナッツをキャラメリゼし、それをペーストにしたものがプラリネでございます。
その香ばしく濃厚な味わいを生かしてアイスに致しました。
そしてさらにビターさと甘酸っぱさをアクセントを加えるためにマーマレードを合わせました。

1つで完成された味わいになっております。
是非お楽しみいただければ幸いです。

最後になりましたが。私の我儘を形にしてくれた当家のパティシエに感謝を。
いつもありがとうございます。

アイスクリーム

先日。年始に久しぶりに姪(2)と会ったのですが、そのときに彼女が「おふとん かけたら」という絵本をもっておりまして。なんとなしに手に取り、表紙をめくってみたのですが、それがとても良くて感動してしまいました。

可愛らしく優しい絵柄。
次はどうなるんだろうとワクワクしてページをめくる楽しさを感じられる構成。それをとてもシンプルな形でまとめて、オチもステキで。
文章も声に出した時に韻とリズムが心地よい。
手に取ったときの、角のない柔らかさや、丈夫で汚れづらい材質。
内容から形から、全てが子供への愛情と優しさだけで作られている本。そう思うと涙腺が緩んでしまいました。

 

しかしこのように文章化して説明するのがもはや野暮で。

この本を読んで声を出して笑うとか、すごい集中力で食い入るように見るとか。最後のページをとじれば「もいっかい」といって催促する。大人になってそういった楽しみ方ができなくなっていて。

紐解いて言語化出来て理解したと感じたときの感心こそが感動になっている、そんな自身の感受性の乏しさに気づいてまた涙腺が緩む。

そんな年始でございました。
取り戻せないものにこそ価値を感じてしまいます。

鴨のリエット

あけましておめでとうございます。

今年も私の大切なお嬢様、おぼっちゃまが幸せで過ごせることを、そしておいしいものにたくさん出会える1年となることをお祈りしております。

さて。その助力となるべく、というわけではないのですが、
来月2月から私が愛する「鴨のリエット」を瓶詰にしてご用意していただけることとなりました。

鴨の旨みや香りをしっかり生かした味わいに仕上がっておりますが、鴨のみですとどうしても味の個性が強いので、今回は豚と合わせてバランスを取っております、甘さが加わりよりリッチな味わいに仕上がっているはずです。
そして、鴨は甘いフルーツとの組み合わせが誠に幸せですので、今回はドライフィグも混ぜております。

クラッカーやバゲットと合わせて。
用意できるようならフランボワーズのジャムやマーマレード、ピンクペッパーを軽く散らして。そして勿論お酒と共に!
ワインや日本酒、ブランデーなどとお楽しみください。

 

最後になりましたが。私の我儘を形にしてくれた当家の料理人に感謝を。
いつもありがとうございます。

今年の映画

昨年末も映画のことを認めましたので今年もそうしてみようと思います。

今筆を執っている時点の話になってしまうのですが
今年もこのペースで行くと年間150本程の作品をみることになりそうです。
ただ昨年と違い今年は初見の物にこだわらず、同じ作品を何度もみましたので昨年の反省が生かされたのかもしれません。
(またこの日誌を認めている時点でまだ2つの大作、「Killers of the Flower Moon」「ナポレオン」が控えておりますのでそちら次第でもあるのですが)

そんな中で今年最も心に残った作品は

「イニシェリン島の精霊」

でございました。

1923年のアイルランド。イニシェリン島が舞台。
主人公であるパードリック(終始困った顔をしたおじさん)が親友のコルムから突然絶交を告げられます
何の脈絡もなく始まった喧嘩とそれに振り回される島民。
そしてその喧嘩の様相もどんどんと異様さを増していって、といった具合なのですが。

50歳近くのおじさんふたりの喧嘩を2時間。
一体なにを見ているんだろうという気持ちになりながらも、何度も見るうちに深みにはまっていくような怪作でございました。

映画がもつ余韻の深さ。映画館を出て電車に揺られながら、部屋についてゆっくりお茶を飲みながら、その後数日はその作品のことを考えておりましたし、今でもふと思い出してしまいます。

エンターテイメントとは無縁の作品ではございますのでおすすめは致しません。ただ同じマーティンマクドナーが撮った「スリービルボード」とはまた違った良さがある作品ですので、ご興味があれば是非。

お嬢様も来年も良き1年となることを、ティーサロンで楽しく過ごせますことを、良き作品と出会えますことを祈っております。

日本酒

花陽浴 純米大吟醸 越後五百万石 無濾過生原酒
花陽浴も銘柄によっては手に入りづらい日本酒に数えられるのかもしれませんが、
今回はご縁でいただいたものを。

誉め言葉として、瓶内二次のスパークリングを思わせる。
シュールリーやシャンパンのようなイースト香がしっかり香ります。
派手ではございませんが、繊細に品よくまとまっていて非常に好感の持てる味わいです。
細身のボディながら、序盤から余韻まで破綻しないバランスに感動いたしました。。

花陽浴は柔らかい印象がございましたがこういったバランスのものも作るのですね。
発砲と酸味もございますので、一層ドライに感じられるのですが。日本酒にありがちな「甘さや雑味や荒々しさも含めておいしい」というバランスではなく、研ぎ澄ませる方向に向かっていて個人的な好みの方向と一致しておりました。

アンソレンス

この度、私が提案するケーキをご用意していただけることとなりました。
昨年の夏以来ですので久しぶりですね。

Bar BLUEMOON ではおなじみの「パルフェタムール」というリキュールを使ったモンブラン風のケーキです。

パルフェタムールは日本語に訳すなら「完全な愛」
スミレの香りをベースに、バラ、バニラ、アーモンドなどを加えた「飲む香水」とも呼ばれる非常に華やかなリキュールです。
ヴァイオレットフィズやブルームーンというカクテルで使われます。

 

そちらを酸味のあるクリームとして絞り、中には爽やかなグレープフルーツのコンポートを忍ばせました。
ベースにしてあるメレンゲの軽やかな食感と共にお楽しみください。

 

最後に。
私の我儘を形にしてくれた当家のパティシエにもこの場を借りて感謝を。いつもありがとうございます。

カヴァロット

BAROLO RISERVA BRICCO BOSCHIS 2004 / CAVALLOTTO
ブリッコボスキス カヴァロット
最近ワインから遠ざかっておりましたので
久しぶりに美味しいものをと思いましてこちらを。
そもそも優良な2004。畑違いで3本目ですが一番長熟そうなブリッコボスキスを最後にいたしました。
さすがに早いかなと思いましたが飲み頃に入りかけている感覚。
なにより抜群のコンディションです。素晴らしい。
正解でございました。
立体感のあるリムでこの美しさこそバローロです。
紅茶などもそうなのですが、一定のレベル超えると液体に立体感がでて輝きが違ってまいります。
やはり毎月出しているプレミアムの紅茶は輝きが違うものが多くございますね。
こちらのワインもまだまだ熟成できますが、5年前にいただいたときの硬さを思うと感動いたしますね。
最後の一本でカヴァロットのポテンシャルを存分に感じることができました。