御挨拶

厳冬の候、ご機嫌麗しくお過ごしのことと存じます。
こちらでの御挨拶をまだ致しておりませんでしたので、本日は改めて紹介させていただきとう御座います。

私、先日よりお屋敷にて奉公させていただくことと相成りました、聖(ひじり)と申します。
今回は私事で恐縮ではございますが、こちらに参ります以前のお話を少々。

私は予てより、バイクに跨り全国を走り回る一介の旅の者でございました。
風に吹かれるまま、気の向くままに方々へ流れ、辿り着いた先で日銭を工面する日々。

しかしある時、些細な縁から一流とも呼べる御宿で給仕をさせていただくようになりました。
そうして洗練されたサービスを一心に学んでおりました私の前に御出でになられたのが、当家の大旦那様でございました。

御宿のレストランにて偶然にも大旦那様への御給仕をさせて頂けたことは今思えば幸甚の至り。
会話の中で私の紅茶好きを早くも見抜かれた大旦那様は、このように未熟な私に慇懃に御声を掛けてくださいました。

ご覧の通りの事の成り行きで、大旦那様、御嬢様にお仕えすることとなったのでございます。
優しく御声を掛けて頂いた時のことを、私は決して忘れません。
大旦那様の御期待に副えるように、これより一層奮励努力致す所存でございます。
そして御嬢様の御世話を仰せ付かった今、御嬢様のために出来ることは何でも致しましょう。
お困りの時、お悩み事を抱えている時、御用のございます時、何かをお話しになりたい時、嬉しいことや悲しいことがありました時でも。
どんな時でも私は御嬢様の傍らにおります。
何事も、まずはわたくし聖に御相談下さいませ。



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