日誌

お嬢様、奥様、お坊ちゃま、旦那様、ご機嫌麗しゅうございます。
久保でございます。

時間とは目に見えぬのに、誰よりも厳格な監督のような存在でございます。

ほんの数分遅れただけでも叱責し、どんなに早く準備を終えても労いの言葉はかけてくれません。
しかも、その監督は休暇もとらず、夜中であろうと早朝であろうと、律儀に秒針を打ち鳴らしております。
本当に働き者ではありますが、もう少し柔軟に接していただきたいものでございます。

けれども、もしこの監督が存在しなかったらどうなるでしょう。
ティータイムが始まる時間は曖昧になり、お嬢様が紅茶をいただくつもりが、気づけば真夜中。

紅茶の代わりに夜食を用意する羽目になるかもしれません。

そう思うと、この厳しい監督も、実は陰ながら秩序を守る守護者なのだと感じます。
時間は時に私たちを急かし、時に待たせ、思うようにはならない存在でございます。
けれど、その不自由さゆえに、ひとときの笑顔や言葉はより鮮やかに心へ刻まれるのでしょう。
もし永遠に続く午後があったなら、お嬢様との会話も、きっとただの雑談になってしまう。
限られた中で交わされるからこそ、その瞬間が素敵に輝くものだと思います。

ただ、それでもやはりお願いできるのであれば、清掃の最中だけはこの監督に小休止していただきたい。
掃除機と格闘している間の一分は、一時間に等しく感じられるのです。
その一方で、お嬢様が笑顔を見せられる瞬間は、ほんの一秒でも羽のように軽やかに過ぎ去ってしまいます。

かくなる上は、時計の監督を味方につける秘策を編み出すしかありません。

何か秘策を授けてください。

なお、9月16日には冴島と共に、ささやかながら特別なカクテルをご用意する所存にございます。
どうぞそのひとときも、時を忘れてお楽しみいただけますように。

 

長月

まだ暑い日が続き、とても秋風が心地よい時節とはなっておりませんがお嬢様いかがお過ごしでしょうか。
乾でございます。

あまり海外旅行に興味がない私でございますが、ドイツのミュンヘンで9月中旬から10月の上旬にかけて2週間だけ開催されるOktoberfest(オクトーバーフェスト)は機会があれば一度行ってみたいと思っております。
1810年以来、毎年600万人が訪れる世界最大規模のビールのお祭りでございます。
起源はルートヴィヒ皇太子とテレーズ王女の結婚を祝うお祭りで10月に始まったことからオクトーバーフェストと呼ばれています。
大小さまざまなビール醸造所が自社のビールと料理を提供するとの事ですので黒ビールが好きな私としては是非飲み比べをしたいと思っております。

お嬢様はこの夏、参加されたお祭りやイベントはございましたか?
よろしければお土産話をお教えくださいませ。

お嬢様のお帰りをお待ちしております。