人生をあえて旅路に例えるならば

静かな良き夜でございますね、お嬢様。
暗い執務室でタイプライターを叩く、怪しげな時任でございます。

昨日まで入道雲が湧きそうな青空だったのに、
思い出したかのように降り注ぐ雨が、窓を静かに叩いております。

お嬢様、どうか御身体を冷やしませぬよう。
もし雨に降られたならば、暖かいシャワーを浴びて、熱い紅茶をお飲みください。
そうだ、久々に堤がロイヤルミルクティーを入れましょうか。
雨に打たれて、なんだか心まで冷えてしまったような夜には、甘く暖かいものをゆっくりお召し頂くのがよろしゅうございます。

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