Route 2

卯月。何やらお腹が空いてくる響きに感じるのは私だけでしょうか。

早くお嬢様とお坊ちゃまの元気なお顔を拝見したい能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

また春という季節が到来しました。この季節になると思い出します。

私が浪花から東京へと参りました日。幾年も以前のことにございます。

バイクで西から駆け抜けた二日間。季節は三月の上旬でございました。

途中までは渋滞に巻き込まれながらも順調な旅路に思われました。が。

当家きっての雨男。なかなか順風満帆にはいかないものでございます。

伊勢湾岸自動車道を超えたあたりから雲行きが怪しくなり、遂には雨。

ご想像の通り、バイクは外的環境変化には滅法弱い乗り物でございます。

結果論として無事だったから良かったものの、即時停車すべきでした。

凍えながら見た夜の浜名湖、その深淵に吸い込まれそうになりました。

時間を追うごとに強まる雨足。孤独と寒波に震えながら東へとひた走り、

針が天井を指す頃、心身ともに限界を感じ、ホテルへ逃げ込みました。

迎え入れてくれたコンシェルジュの表情は、今でも忘れられません。

翌日早朝に出発し、愛車と共にまた東名高速を使って東へ向かいました。

昨夜とは打って変わって快晴。水たまりに反射する太陽が煌びやかです。

サービスエリアで頂くコーヒーは何故あんなにも美味しいのでしょうか。

夕刻には首都高速に入り、高層ビル群を見てただただ圧倒されました。

こうして二日間にわたる能見の長距離ツーリングは無事幕を閉じました。

何年も前のことです。ただ、私の記憶に確かに残っている大切な思い出。

お嬢様、失礼いたしました。少し昔話が長くなりすぎてしまいましたね。

立ち止まって過去を振り返られる位には、私も大人になったでしょうか。

能見

ご機嫌麗しゅうございます。
八幡でございます。

なんだか段々と暖かな陽気になってまいりましたね。
私は花粉症とは一切無縁な生活をしておりますのでこの季節がとても嬉しくございます。

また暖かいと自室の掃除が捗りますね。
この後も鏡の掃除をする予定がございますのでこの辺りで失礼致します。

メッセージカードのご依頼に関しまして

ご機嫌麗しゅう、お嬢様。
執事喫茶スワロウテイルの諏訪野でございます。

当家フットマン、聖へのメッセージカードのご依頼は4月20日20時迄とさせていただきます。

尚、本人からの手渡しは叶わぬ場合がございます。
誠に恐縮ではございますが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

諏訪野

日常

司馬でございます。

朝、使用人の中でもかなり早めに起床するほうだ。目覚まし時計はセットしているが、すでに習慣となってしまっているので、アラームが鳴るより早く目が覚めてしまう。すぐに身支度をし、多忙な一日に備えてしっかりと朝食をとる。
その後、大旦那様に朝のご挨拶をし、本日の予定を再確認。大きな行事がなければ、ティーサロンに赴いて、お嬢様、お坊ちゃま方が憩いの時間をお楽しみいただけるよう、さまざまな準備をする。
やがて、お嬢様方がスワロウテイルに訪れる。滞在時間に気を配り、お出迎え、お見送りを進めながら、フットマン達がのびのびとお給仕をできているか、万が一にも不手際がないか、なるべく細かいところまで目を向ける。
少しの休息時間。軽食をとりながら、使用人仲間と他愛もない話。諸先輩はもちろん、後輩や年少の者からも、ためになる話題をもらうことが多い。みな、冗談が巧みだ。
夜になって、一日の務めが終わる。大旦那様から、お許しをいただいてから、つかの間の自由時間。夜の食事は軽めにし、翌日が休みならば、少しの酒杯をかたむけつつ、映画や音楽を鑑賞。なるべく、日の変わらないうちに就寝する。
休日。劇場での映画鑑賞や、気の合う使用人と食事などを楽しみ、リラックスして過ごす。これで、お屋敷の仕事にも張りができる。

さて、ほんの断片でございますが、司馬の日常をご紹介いたしました。思い起こせば、日常が繰り返されるということは、なんという幸福でしょうか。退屈で、飽きがくるような日常。それはとても贅沢なことだったのだと、昨今、つくづく実感いたしております。
しかしながら、お嬢様方。
心の底から笑顔がこぼれるような春の訪れは、必ずやってくると、司馬は信じております。そして、お屋敷の使用人たち全員が、その日常を守るために尽力したいと心の底から願っております。
英知をもってお嬢様方をお守りする備え。そして、世の中を覆う黒い雲など、ものともしない覚悟が、スワロウテイルの愉快な使用人たちにはございます。どうぞご安心して、退屈でささやかながらも、穏やかで贅沢な日常を送ってくださいませ。

お久しぶりです・・・・・

お嬢様、奥様、旦那様、お坊ちゃま、藤堂でございます。

お久しぶりですがお元気にお過ごしでいらっしゃいますか。
ここのところ、新コロナウイルスで世の中は騒然としており、お屋敷も休館日が続いておりまして、皆様にお目にかかれなくて寂しい限りでございますが世の中が落ち着いて元気なお姿でご帰宅下さいますのを心から願っています。

藤堂も3月末から別宅で趣味の蘭の手入れ草花の植付け手入れに頑張っています。早咲きの牡丹のピンクの花が2輪美しく咲いています。蘭もカトレヤがほとんど終わりましたがブルーの大輪の花が誇らしく見てくれと言うように咲いています。牡丹も10鉢ほどありますから開花が楽しみです。白、赤、黄色と咲きますと見事です。芍薬も昨年からのが芽を出してきましたから楽しみです。草花もパンジーがプランターの中で美しく競って咲いています。蘭の植替えが遅れていますので、別宅に居る間に頑張って植替えます。

皆様も外に出られる機会が制限されたりで退屈な日々を過ごされていられると思いますが、こんな時に趣味を生かしたり、新しい趣味に取組んで下さいませ。

藤堂が良く料理の話を致しますが、料理番組をご覧になりましてご自身の腕をみがいて下さいませ。料理は心です。好きな人に美味しい料理を食べさせてあげようと思いますと工夫しますから腕は上がると思います。
最近藤堂はオムレツ作りをしています。卵を割って作ればいいと思っていられる方もいらっしゃいますが、たしかに割って溶き卵にするのは当然ですが、溶き卵に少量のお酢を入れ、フォークで混ぜ、焼き、それをチキンライス、焼きそば、焼きうどん等にのせて真ん中を少し、フォークで分けると美しく広がり、一層美味しく仕上がります。是非試して下さいませ。

いろいろ話をしましたが、兎に角、安定しますまで外出は自粛頂きまして、健やかなお姿でお目にかかれる日を心よりお待ちいたしております。

ご心配いただいています皆様、藤堂は元気でおりますからご安心下さいませ。

ミントの仲間

まだ終わらない花粉の季節、少しでも快適に過ごしたいと願う伊織がおります。
いかがお過ごしでしょうか。

すーすーして鼻通りをよくしたり、リフレッシュするとなれば、やはりいの一番に思い浮かべるのはミントではないでしょうか?
ペパーミントにスペアミント、ティーサロンのハーブティーに使用しているものなら、アップルミントなんてものもございます。

そんなミントの仲間で、わたくしの気に入りのハーブが「ウィンターグリーン」でございます。
…………厳密にはミントの仲間とは言いがたいのですが、その清涼感のある香りは、見知ったペパーミントやスペアミントと並べても遜色はございません。
ただし、その香りは素直にミントかと問われると、少しばかり応えに窮してしまいます。
なにせこのウィンターグリーン、香りを例えるなら「湿布薬」そのものなのです。おじいちゃんの背中から香ってきそうなアレで間違いありません。
歯磨き粉でも入浴剤でもチューイングガムでもなく、紛うことなき「湿布薬」なのです。
ウィンターグリーンのミントタブレットを始めて口にした時の衝撃は忘れませんが、あっという間に、その一癖ある香味が文字通りクセになってしまったことも忘れられません。

ありきたりなミントの香りに飽きてしまわれたら、少しばかりウィンターグリーンに目を向けてみてはいかがですか?
見聞を広げるためには、はじめの一歩を踏み出す勇気が必要です。

春うらら

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木にございます。

春になりますといつも頭に浮かぶのが、
春眠暁を覚えず、という言葉です。
お務めがありませんと、
どちらかと言えば
コアラ的な生活リズムの
私でございますので、春だから、
などと言うのは言い訳に近いのですが
気持ちのいい気候の中でまどろむのは
何にも代えられないものがございます。

これにのんびりした散歩の時間や
木漏れ日の下での読書でもあれば、
それだけで有意義な人生だと思えるなと感じるのですが、
時節がら高望みなのが歯がゆいところです。
せめて部屋のカーテンを開けて窓辺で
のんびりと過ごすぐらいはしたいものですね。

自粛の末の我慢というのも中々辛いですから、
気持ちだけでも前向きでいたいものです。

春の朗らかな気候の中で
まどろみを感じながら一読なさるのでしたら
「不思議の国のアリス」シリーズがお勧めです。

不思議の国と鏡の国の二作品がございまして、
少々難解に感じる部分もありますが
教訓や哲学のようなものではなく、
ただ童話の世界に浸ってお読みになるのがよろしいと存じます。

特に「鏡の国のアリス」は新鮮味もありながらも、
色々な創作作品のモチーフになる
センテンスが登場するので、
中々面白く感じられるかと存じます。

物語としてもチェス盤のモチーフですとか、
鏡の中なので全てが反転しているですとか、
基本的な世界観が分かり易いので
より世界観に浸って頂けるのではないかと。

生きておりますと様々な雑事が頭の中を巡りますが、
カラッポになる瞬間と言うのも、きっと大事です。
頭を悩ますことが多い昨今ですから
是非、無意味なことをしてみてください。
不思議の国のアリスの
有名なティーパーティーのシーンでは、
「アンハッピーバースデー(なんでもない日おめでとう)」
という言葉が印象的なのですが、
意味を求めることではなくて、ただただ素晴らしいですとか、
ただただ楽しいということは
より日常を華やかなものにしてくれるもの。
と私は思っております。

より豊かな生活を皆さまが送れますことを
微力ながらお祈りして。
落ち着きましたらティーサロンや書庫で
楽しいお話を是非お聞かせくださいませ。
私も楽しみにしております。
それまでは夢の貯金と参りましょう。

良い春を。

あ、それと。

四月八日で
お給仕を許されて三年となります。
改めてですが、
よろしくお願い致します。

才木