労働者

デニム。ジーンズ。

このような話題を認めようと思い筆を執ったのですが、
おそろしい量の情報が集積した分野であり、私が扱うにはあまりにも難しい内容です。
以下は、私の浅い経験と知識の中での思い出話、とでも受け取ってください。

 

デニムは現代の服飾には欠かせない素材であり、
本当かどうかわかりませんが、サンローラン本人を以てして「私の唯一の後悔は、ジーンズを発明できなかったこと」といわしめたほどです。

さて、そのようなデニムですが、私の印象はと申しますと。

若い時分。
今思えば本当に常識知らずで恥ずかしい限りなのですが、
当時お世話になっていたお筝の先生を訪問する際に、デニムパンツを履いていったことがございました。
その場では何もなかったのですが、後日、一緒にいた先輩が「作業着を着てくるなんて変わった子ね」とチクリと釘を刺されていたそうです。

まあそのような経験もあり、デニムは私にとっては労働着。
ストリートでも、ロックでもない。ワークに属する服だと認識しております。

しかし、現代社会においては、モノが持つそういった情報は希釈され、
「全体をカジュアルダウンする素材」
という認識になっているのでしょうか。

 

我々も年間350日は燕尾を着ておりますので、他の使用人の燕尾以外の姿をみることは稀なのですが、

 

個人的には乾がデニムのベストドレッサー、ベストジーニストではないかと感じています。

生地が余らないぴったりのフィッティングのヒップから、ジャストの腿、ひざ上から少しゆとりが出る細めのストレートにワンクッションする丈。
永遠の定番ですが、ここまでキレイに穿けるのは、乾のスタイルと空気感、体型維持の賜物でしょう。

 

私も見習いたいものです。
まずはやはりデニムの燕尾からでございましょうか。
大旦那様是非ご一考を。