お嬢様への手紙 ~ お屋敷への軌跡とデジャ・ヴュ

我が敬愛せしお嬢様へ。時任でございます。

思えば時が過ぎるのも早いもので、私が当家にお仕えし一年の月日が過ぎました。
私ごときをお拾い頂いた恩義を、その寸分でもお返し出来たかと考えると、全く自信はございませんが、愚直にただお仕えすることしか出来ぬ我が身なりに、努力させて頂きます。

本年も何卒、宜しくお願い申し上げます。

さて、旦那様お嬢様がたはお忙しい身でございますし、使用人ごときの年始のご挨拶など、手短に済ませたいところでございます。
…が。もしお仕事の狭間や、あるいはベットに入ってからお休みになるまでの時間など、ほんの僅かな愚談をお耳に入れるお時間がございましたら、こののちの時任の寝物語などお聞き下さいませ。

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