Meilleurs voeux

あけましておめでとうございます。

屋敷で迎える幾度目かの新春。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

年越しの瞬間、隣にお嬢様や使用人たちがいないというのは、

まだまだお恥ずかしながらまったく慣れないものでございます。

と同時に、カウントダウンパーティーには懐かしさも覚えます。

今年の年末にはと、はやる気持ちも心の中に出てまいりました。

新年を迎えるにあたり、抱負というほど大層ではありませんが、

心中に決めた目標のようなものが浮かび上がっております。

それは、例年以上にお嬢様と彩り豊かな景色を見ることです。

昨年、一昨年の日常を取り戻すような一年にしたく存じます。

そのためには今までにない、新たな試みが必要でございます。

私自身が屋敷の使用人と一緒に、新しい何かに挑戦すること。

それはお嬢様にいつもワクワクをプレゼントしたいからです。

使用人として行き過ぎた厚かましいお節介ごとかも知れません。

しかしながら、お嬢様の笑顔のみなもとになれますように。

あなたが流す涙が、どうか喜びと幸せの結晶でありますように。

この身をもって体現してまいりたく存じます。

本年もお早めに顔を見せていただけますと幸いでございます。

屋敷の皆で、あなたのお帰りをお待ちしております。

お嬢様、本年も何卒よろしくお願いいたします。

能見

Climat

ジングルベルが近づくにつれポインセチアの剪定に庭師が大忙し。

シナモンとジンジャーで毎年の冬を感じる能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

何と驚くことに遂に来てしまいました年末でございます、お嬢様。

お嬢様は日々充実した毎日をお過ごしでいらっしゃいますので、

きっと一年があっという間に感じられたのではないでしょうか。

師走という季節は、どうしても社会勉強の課題が山積みです。

ついつい目の前のことに集中してしまうことも多いかと存じます。

そういうときこそ一度深呼吸。一休みして頭を空っぽにしましょう。

多忙なタイミングにもゆとりを持つことが必要なように感じます。

年の瀬になりますと、いろいろな景色が心の中に巡ります。

たくさんのできごと、たくさんのおもいがあったなぁと。

どのような一年を紡いできたのか振り返る良い機会でございます。

のちほど改めて書き綴った日記を読み返してみましょうか。

今年もお屋敷で数多の新しい体験をさせていただきました。

来年はより枠にとらわれることなく、果敢に挑戦できる環境でしょう。

なにごともチャレンジ、という目標を来年も掲げたく存じます。

お嬢様と新しい風を感じられますように。

本年もお傍でお仕えさせていただきまして、

誠にありがとうございました。

来年も何卒よろしくお願い申し上げます。

良いお年をお迎えくださいませ。

能見

Millesime

世界各国で新酒が解禁となり、ワイン好きには堪らぬ季節です。

ビンテージ情報を拝見する度、心が躍る能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

師走の気配を感じ、一日が日に日に短く感じられるこの頃です。

お嬢様は時を忘れるくらい何かに没頭することはございますか。

朝に始めたことを気がつけば日が沈むまで、深夜まで続けていた、

時計を見ることすら忘れて、一つのことに集中するようなご体験。

大人になると社会勉強が始まり、色々な荒波が襲い掛かります。

朝早くにご起床なさって、夜遅くまでスケジュールが詰め詰め。

そのようなご多忙の中で何かひとつの事象に注力することは、

幼少の頃に比べますと随分敷居の高いことのように感じます。

私にとりましては、直筆云々はさておき文字を書くという行動が、

時を忘れることへのきっかけなのだと、最近気付かされました。

伊織のように流れるような美しい文章を書くことは叶いません。

しかし、下手でも記し続けることが性に合っているとも感じます。

数年に掛けて日々のたわいもないことを書き記す直筆の日記も、

月に一度お書きしておりますこちらの日誌も左様でございます。

昨年の今頃に発刊させていただきましたワインダイアリーも、

執筆中はその感覚を持つに近しいかもしれませんね。

自分の考えや言動を文字に起こして未来へ残すことは、

過去の心境を客観的に捉え、整えることにも繋がります。

当時の感情がつい溢れてきて、それゆえに時間を忘れてしまう。

そのような情緒的な側面もきっと大きいのでしょう。

お嬢様にとりましても夢中になれるご趣味がございましたら、

是非、ご教授いただけますと嬉しゅうございます。

おやすみなさいませ、お嬢様。

能見

Barrette

秋の夜長の贅沢な過ごし方を模索し続けること、早十年。

とどのつまりのいきつく先は、毎年変わらずな能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

ようやくお屋敷でもお酒のご提供が叶いまして嬉しい限りです。

お嬢様がワインをカクテルを嗜んでいるお姿を拝見できますのも、

感無量と申しましょうか、ソムリエ冥利に尽きるというものです。

厨房ではディナーの再開を、シェフ青木も大層喜んでおりました。

少しずつ、今までの日常に帰ってきているような実感がございます。

目標はボジョレー・ヌーヴォー・カウントダウンパーティーの開催。

来年こそは樽のボジョレーをまた開栓したいと目論んでおります。

その他、カクテルコンペティションも皆で参加しとうございますね。

お屋敷を取り巻く環境が時世により大きく変容していった2021年。

昨年の今頃、一年後はすっかり事態は落ち着いているものだと、

そう思っておりましたが、中々順調には事は運ばないものです。

一年間様々な経験をしましたが、お嬢様とお屋敷が今も存在している。

その事実が、私が使用人であり続けられる理由でございますし、

お嬢様と紡いで参った日々に感謝と尊さを感じざるを得ません。

まずはお嬢様へのひとつ目の恩返しといたしまして、

今月のハロウィン、骨身を惜しまず尽くしましょう。

能見

See Base

秋に入るも夏の残り香が若干ながら寂しさを届けてくる今日この頃。

そろそろ旬を迎えるヒラスズキのお刺身が楽しみな能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

季節の変わり目はどうしても体調の管理が難しゅうございますね。

夏の疲れがどっと押し寄せるような、そんな日もあるかもしれません。

疲労が溜まりますと、やはり執務の馬力と効率が落ちてしまいます。

そうならないために、もしなってしまったときに、どう対処するか。

執務の間で仮眠を取ることが、私の昼間ルーティンでございます。

一日の後半からの執務パフォーマンスを更に向上させるために、

どうすれば良いものか。その方法をずっと考え続けておりました。

そしてこの度、私なりの個人的な解決法を編み出すに至った訳です。

一つ目はなんと言っても身体が資本。プロテインで馬力アップ。

タンパク質を摂り、体の内側から疲れを取るという方法です。

シンプルながらかなり理にかなっているのではないでしょうか。

桐島や雛森が好みそうな手法でございますね。

二つ目は神経・循環器系へのアプローチ。ホットアイマスク作戦。

神経と血流の巡りをよくすることにより、疲労の抜けを感じました。

疲れは眼から。花や果実の香りがよりリラックスを促してくれます。

脚本を頑張る伊織にぜひプレゼントしたい。そう企んでおります。

三つ目は気持ちで解決。とにかく楽しいことを想起しましょう。

今宵の夕飯とワインはどのようなペアリングにしようかな。

そう考えるだけで、疲れが吹き飛ぶような気がいたしませんか。

特に実りの秋、食欲の秋には大切な思考回路なのかもしれません。

この夏から秋にかける季節の変わり目。

どうかお身体をご自愛いただけますと幸いでございます。

能見

Day Dream

まさに夏模様とうだるような暑さが連日のように続いておりますね。

アウトドアではきっと日焼けをしていただろう能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

とんでもなく暑い日には自室に籠るのも一つの正解でありましょう。

自室にてアイスコーヒーをいただきながら、世の中が落ち着いたら、

どのようなことをやってみたいかということを空想しておりました。

まず何と申しましても、お屋敷での季節の催しでございましょうか。

もしかするとご存知ないお嬢様もいらっしゃるかも知れませんが、

夏祭りやハロウィン、そしてカウントダウンなどのパーティーを、

以前はお屋敷のティーサロンにて毎年開催しておりました。

まだ季節の催しに参加したことのない使用人も多くおりますので、

そのようなフットマンがどのような化学反応を見せてくれるのか。

鬼が出るか蛇が出るか、未知数に期待するのもワクワクしますね。

お嬢様とこれから見られるそんな景色が私も楽しみでございます。

あと私個人としては、フランスへの短期留学でございましょうか。

ソムリエとして、現地の風を感じながら沢山の学びを得たい。

異文化やワインを通じて、お嬢様に色んな世界を知って欲しい。

知れば知るほど興味深く、面白い世界でございますので。

そんな気持ちがあり、最近はより書物を読むようになりました。

ブルゴーニュの風景写真や生産者の歴史や拘りについての本です。

ウェブ上にも沢山の情報があるので環境的にも充実しております。

少しでもお嬢様に還元できますように、より精進いたしますね。

世情が落ち着きましたら、やってみたいことを2つ挙げました。

その他にも、沢山のお屋敷とお嬢様との未来予想図がございます。

これからのお屋敷での夢、お嬢様もございますか?

是非、お聞かせくださいませね。

能見

Platinum

ようやく季節も夏という毎日が続き、世間の夏休みまであと僅か。

離島に行く理由はリゾートかサバイバルか、悩ましい能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

今年の夏は特に大変な暑さが予想されております。猛暑のようですね。

年々厳しくなってくる気候に、私も毎日食後のアイスが欠かせません。

避暑地へいらっしゃるのもなかなかままならない状況でございますので、

お嬢様も同じ夜空の下、アイスを片手に熱帯夜をお過ごしでしょうか。

自室での楽しみを昨年から模索していた結果、行きついたひとつの答え。

最近の世情を鑑みまして、私は俗に言う「家飲み」をいたしております。

ただ単純に自室にてワインをいただくというシンプルなものなのですが、

「灯台下暗し」という言葉通り、思わぬ新発見がたくさんございました。

その一つの例として、ワインと食事のペアリングの幅が広がりました。

日常生活で手に入りやすいワインと手に入りやすい食材の組み合わせ。

よりカジュアルなペアリングに焦点を当ててみる機会を増やしました。

例えば、オーストラリアのビオ・ワインと根菜チップスのペアリング。

どの環境でも手に入る組み合わせは、グラスが進みすぎて困ります。

溌剌としたレモンのニュアンスが表出したスパークリングワインの、

スペイン産カヴァと烏賊のお刺身との重なりの自然さには驚きました。

それらの小さな発見が、日常にエッセンスを与えてくれるように。

楽しいことは探さなければ見つかることはないのかもしれません。

好奇心を常々忘れないようにと、自戒することも増えてまいりました。

能見