Hummingbird

お嬢様、使用人たちの夏服も見慣れてまいりましたでしょうか。

自称お屋敷随一、夏が大好きな使用人の能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

私がお屋敷にまいりまして、幾度目かの夏がやってきました。

「夏が好き」というのはきっと数寄者でございましょうから、

中々手放しに喜べないのですが、新しい季節をお嬢様と迎える。

それだけで何とも云えぬ幸せな気持ちになるのです。

 

夏の娯楽といいますと頭の中ではバーベキューが思い浮かびます。

レジャーでの思い出がたくさんできるのが夏という季節ですから。

しかしながらこの時勢ですので大勢で「乾杯!」とはいけません。

実はここ最近、一人バーベキューというものを目論んでおります。

 

キャンプで焚火をしている動画を自室で見る機会がありまして、

私が幼少期にボーイスカウトに参加して野を駆け回っていた頃より

随分と便利な道具がたくさん登場しているのだなと思いました。

この様子なら一人でも日帰りで気軽に楽しめそうでございます。

 

日常生活から離れ、自然の中で過ごすこと。

現代社会でつい忘れてしまいがちな大切なことを、

思い出すきっかけとなるでしょう。

Orchid

課外活動での執務もひと段落いたしまして日常が帰ってきました。

夏服シーズンの到来に月日の経過の速さを感じる能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

今月下旬にはいよいよ藤堂執事のお誕生日祝賀会が開催されます。

この祝賀会には大変多くの思い入れが私の中にございまして、

初めてティーサロンで給仕をいたしましたのが8年前の同催し。

藤堂執事のお誕生日祝賀会、通称「藤堂会」でございました。

 

当時はティーサロンにたくさんのお嬢様をお招きしての藤堂会でした。

藤堂執事や先輩の使用人が壇上で話に花を咲かせ催しを進行していく中、

私はグラスやお皿の片付けをするなど、裏方に勤しんでおりました。

新米の私にとりまして、こんなにありがたい機会はございませんでした。

 

最近はとても嬉しいことに、新しい仲間がたくさん増えてまいりました。

緊張で震える手を見るたびに、一生懸命のあまり強張る声を聞くたびに、

私は自分の初めての給仕、藤堂会に出席したときの初心を思い返すのです。

 

今年も配信という形式で「藤堂会」をお届けいたします。

収録当時も随分と盛り上がりまして、笑いの絶えない時間でございました。

お嬢様もぜひご一緒にお祝いしていただけますと幸いでございます。

とんでもないシーンもご覧いただけるかもしれません。

Victor

春という季節はいつも迷子。気がついたら過ぎ去ってしまいますね。

先日ようやく、今年初めて燕の巣を拝見いたしました能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

遅れ馳せながらですが、執事日誌のレイアウトも若干変更されたようで、

以前の日誌よりもシンプルかつスマートな印象になったように思います。

電子端末画面でもずいぶん見やすく感じられるかと存じますので、

お嬢様も使用人の日誌をご移動中の馬車内などでお楽しみくださいませ。

 

新年度も一ヶ月が過ぎ、新たに始めてみたいことも見当がつきました。

折角、お屋敷には個性豊かで一芸に秀でた使用人が多くおりますので、

使用人の私が使用人から学びたい三つのことについて考えてみました。

永遠に話に華が咲きそうですので、敢えて三つという縛りでまいります。

 

まずは伊織から書の学びを得て、字を綺麗に書けるようにしたい。

毛筆、万年筆、硬筆、多種多様な筆記具の正規の使用作法を知り、

しかしながら、いままでの丸文字を卒業するということではなく、

TPOをわきまえた選択肢を持てるようにしたいと目論んでおります。

 

二人目、フットマン及川からたくさんのトリビアを学びたい。

案外と言っては失礼ですが、及川は様々な分野において博識です。

芸術、歴史、生物、美容と引き出しが多く、話題には事欠きません。

日常生活での関心事へアンサーできるようになるかもしれませんね。

 

最後の一人、使用人兼庭師の蓮見からガーデニング技術を学びたい。

これは胸を張って申すことでは全くないのですが、実はわたくし、

お恥ずかしながら幼少期にアサガオを育てきった経験がございません。

庭園に咲く草花と仲良くなること、これが当面の目標でございます。

 

様々な分野で得手不得手があるのが人間という生き物でございます。

それを豊かな個性と考え、「先生」と自分の中で捉えること。

日常にこそ学びはたくさん存在しているものでございますね。

 

能見

D’OR

桜の花弁は何故五枚なのだろうと生命の神秘に思いを馳せておりました。

その科学的な根拠の新発見に、春の楽しみを見出した能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

我々が行った数々の悪戯を、まずはお嬢様に謝罪しなくてはなりません。

お屋敷や配信で使用人らしからぬ無礼を働き申し訳ございませんでした。

しかし誠に勝手ながらねがわくば来年も年に一度のエイプリルフールに、

お屋敷の使用人たちによる悪ふざけに付き合っていただけますと幸いです。

 

春になり四月から新しい年度を迎え、お勉強も心機一転でございますね。

お嬢様は新しい環境での社会勉強に奔走していらっしゃる最中でしょうか。

馬車の中での初々しいお嬢様やお坊ちゃまのスーツ姿を拝見いたしますと

応援したいと申しましょうか、エールを送りたいという気持ちになります。

 

年度初めは普段とは違う独特の緊張感もきっとございましょうから、

お疲れが出ましたらすぐにティーサロンへお戻りくださいませ。

どうかその未来が燦々たる太陽のように輝かしいものでありますように

私もお屋敷の片隅から切に祈っておりますね。

 

能見

Unicorn

目に見える景色すべてが色めく。そのような季節が到来いたしました。

不意に聞こえる伊織のくしゃみに感動さえも覚える能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

今月はティーサロンにおける春の催しが目白押しでございますね。

まず3月の前半といたしましては「プリンセス期間」と称しまして、

日本の伝統行事「ひな祭り」をお楽しみいただく期間でございます。

いつもならば「お嬢様」「お坊ちゃま」とお呼びしてございますが、、

この期間だけは特別に「姫様」「殿下」と。

我々も最初の数日間は慣れぬことに戸惑いを隠せずにおりますが、

ようやく「姫様」という言葉が口に馴染んできたと思った矢先に、

儚くも終焉をむかえてしまうのが「プリンセス期間」。

お嬢様、その刹那性をも、どうかお楽しみくださいませ。

そして、3月の後半は当館の「アニバーサリー期間」でございます。

開館記念日の3月24日をお嬢様とお祝いする期間でございまして、

毎年当館のキュイジニエ青木が特別なお料理をご用意いたします。

私もそろそろ食事に合わせたワインのご選定をせねばなりませんね。

何とご覧の通り今年は「お重」が数年ぶりの復活を遂げました。

懐かしいと感じられるお嬢様もいらっしゃるのではないでしょうか。

シェフの愛情が籠ったお弁当箱と手の込んだ特別なメインディッシュ。

スペシャルが盛り沢山のアニバーサリー期間。お楽しみくださいませ。

今月で社会勉強が一区切りのお嬢様もいらっしゃるかと存じます。

どうか最後の最後でお疲れがでませんように、祈っております。

来月からはまた新たな世界がお嬢様の眼前に広がることでしょう。

少しでもお支えできますようお仕えいたします。

能見

SW2022

2022年が始まったかと思った瞬間に新しい月がやってまいりました。

寅年であることを一年間声高に叫ぶ覚悟のできた能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

寒い日が続く今年の冬。ご体調は崩されていらっしゃいませんか?

私は夜の寒さに耐えかね、今冬、湯たんぽを購入いたしました。

電子レンジで温められる簡易的なタイプで、構造も至ってシンプル。

そんなに効果は期待できないだろうと、たかを括っていたのですが。

至福。

この一言に尽きます。

ベッドに入り込んでから入眠まで、秒針が一周しない私ですが、

今冬、遂に「10秒の壁」をも超えてしまったかもしれません。

こんなことなら早くに入手しておけばと後悔の念に苛まれますが、

冬の楽しみがひとつ増えたと自身を納得させることにしましょう。

今月が終わりますと、

また季節が巡ります。

今月28日には重光とカクテルをご用意する運びとなりました。

ライダーバトラーがお作りするサイドカー改め「Tourer SW2022」。

キャンプツーリングで焚き火を囲いながら、仲間と語り合う瞬間。

生命の温もりを感じながらもどこか別世界で非日常なひとときを。

今年もお嬢様のお傍で。

そのような時間を紡いでまいりたいものです。

能見

Meilleurs voeux

あけましておめでとうございます。

屋敷で迎える幾度目かの新春。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

年越しの瞬間、隣にお嬢様や使用人たちがいないというのは、

まだまだお恥ずかしながらまったく慣れないものでございます。

と同時に、カウントダウンパーティーには懐かしさも覚えます。

今年の年末にはと、はやる気持ちも心の中に出てまいりました。

新年を迎えるにあたり、抱負というほど大層ではありませんが、

心中に決めた目標のようなものが浮かび上がっております。

それは、例年以上にお嬢様と彩り豊かな景色を見ることです。

昨年、一昨年の日常を取り戻すような一年にしたく存じます。

そのためには今までにない、新たな試みが必要でございます。

私自身が屋敷の使用人と一緒に、新しい何かに挑戦すること。

それはお嬢様にいつもワクワクをプレゼントしたいからです。

使用人として行き過ぎた厚かましいお節介ごとかも知れません。

しかしながら、お嬢様の笑顔のみなもとになれますように。

あなたが流す涙が、どうか喜びと幸せの結晶でありますように。

この身をもって体現してまいりたく存じます。

本年もお早めに顔を見せていただけますと幸いでございます。

屋敷の皆で、あなたのお帰りをお待ちしております。

お嬢様、本年も何卒よろしくお願いいたします。

能見