過粉

ご機嫌麗しゅうございます。
小瀧でございます。

スギ花粉が飛来し、目の痒み、鼻の詰まり、喉の痛みと悪戦苦闘している間に春到来でございます。

あまりの症状に耐えかねまして、鼻うがいに初挑戦いたしました。
説明書には「うがい液を鼻から注入し口から出す」と記載があるのですがこれがなかなか上手く出来ません。
「あーーー」と声を出しながらやるとやりやすいとの記載もあったので試してみます。

この先、表現が美しくありませんからご注意を。

「あーーー…ぐえっ…ぐへっぐへぇ…かはっ……あーーーーー…っはっ…ぐえぇ…こほっこほっ…」

難しゅうございますね。

今シーズンは出来ないまま過ぎていきそうですが、花粉シーズン以外でも鼻うがいの効能はありがたいものですから諦めず挑戦いたします。

お屋敷へお戻りの際には冬から春にかけての思い出を聞かせて頂きたく存じます。
お早いお帰りをお待ちしております。

小瀧

新年

ご機嫌麗しゅうございます。
小瀧でございます。

あけましておめでとうございます。

年始はいかがお過ごしでございましたか?

2023年は「卯年」でございますね。
私はウサギと聞くと童話「ウサギとカメ」を思い浮かべます。
ウサギとカメが競争をし、油断して昼寝をしたウサギが最後まで歩み続けたカメに負けてしまう、というお話でございます。

物事に取り組む際、つい自分と人とを比べてしまい自身を卑下する事があります。そういう時こそ、目標を達成することを諦めなかったカメのように進み続ける意思が大切なのかもしれませんね。

今年はウサギのように軽やかであると共に、カメのように進み続ける1年にしたく存じます。

本年もよろしくお願いいたします。
共に素敵な一年にいたしましょう。

小瀧

半年

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。
小瀧でございます。

日に日に日も短くなり、寒さが増して参りましたがいかがお過ごしでしょうか。

やはり時が経つのは早いもので、11月末で私がティーサロンでの給仕を初めてから半年が経ちました。
ティーサロンでの給仕に、ドアマンとしての執務、ぼちぼちカボチョコムース、ハロウィンフェアでは学生服を着ました。さらにはケーキサロン、ティーアドバイザーの研修、カクテル「ブラムストーカー」、ゆずレモンアイス、クリスマスフェア。

この半年間、ここに書出したこと以外にも多くの出来事がございました。と半年前の私に伝えても信じてはくれないでしょうね。私がここにあるのも共に仕える使用人の仲間たち、大旦那様、そしてお嬢様、お坊ちゃまあってこそでございます。

まだまだ未熟な点も多くあるかと存じますが、焦らず少しずつ改善して参ります。
急いては事を仕損じる、急がば回れでございますからね。

お嬢様、お坊ちゃま、乾燥する季節でございますから、喉をお痛めになられませぬよう気をつけてお過ごしくださいませ。またお屋敷でお会い出来る日をお待ちしております。

転季

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。
小瀧でございます。

9月より大旦那様からドアマンの任をいただきました。
まだまだ頼りない部分もあるかと存じますが、お嬢様、お坊ちゃまに安心していただけるよう精進して参ります。

椎名執事と共に玄関に立ったあの日はまだまだ暑く、夏服の装いでございましたが
気がつけば暖かい季節が待ち遠しく感じるほど寒くなってまいりました。

時が過ぎるのは早いものでございますね。

時の流れに置いていかれないように

取りこぼさないように

忘れてしまわないように

1つ1つの物事を大切にして日々を過ごしていきたい
そう思う夜でございます。

うき世

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。
小瀧でございます。

9月に入り過ごしやすい気温になって参りましたね。

9月といえば「中秋の名月」でございます。
私、月を見る度に思い出す和歌がございます。
それは、

心にも あらでうき世に ながらへば

恋しかるべき 夜半の月かな

要約しますと、「心ならずも、このつらい世の中を生き長らえたなら、きっと懐かしく思い出されるのだろう、この夜更けの月が。」という意味でございます。この世への悲しみを詠んだ和歌でございます。

この和歌は第六十七代の天皇(三条天皇)だった三条院が退位を決意した際に詠まれたとされております。11歳から25年間もの間を皇太子として過ごし、ようやく天皇に即位したかと思えば眼病や火災に悩まされ、権力争いの末にわずか6年で退位を決意したと言われております。

眼病を患っていた三条院にとって、夜更けの月はどのように写ったのでしょうか。

悲しいことや辛いことがありますと、つい俯きがちになってしまうものでございます。
お嬢さま、お坊ちゃまも社会勉強の中で悲しいことや辛いこともあるかと存じます。
そんな時こそ空をご覧くださいませ。
その空がいつの日か、きっと、懐かしく思えるはずでございます。

過ごしやすい気温になって参りましたが、体調を崩されませぬようにお気をつけてお過ごしくださいませ。

電気

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。
小瀧でございます。

まだまだ暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

私はといいますと、町の商店で“あるもの”を購入いたしました。

その“あるもの”とは……

「電 気 ブ ラ ン」でございます

電気ブランはお酒の名称で、明治26年(1893年)頃に「神谷バー」の創設者である神谷傅兵衛さんの手によって誕生しました。

当時は電気が珍しかったため、目新しいものには「電気〇〇」と名をつけることが流行しており、このお酒はハイカラなものとして当時の人々の関心を集めたようでございます。

その電気ブランを自室の冷蔵庫で冷やしておき、執務を終えた私は自室に戻るやいなやグラスに注ぎました。アルコール度数は40%
私はこれまで20%を上回るお酒を飲んだことがございませんでしたから、薬草のように甘いアルコールの香りに私の心はときめく一方でございました。

まずは1口

ビリリ、と舌先に電流が

さらに1口2口と、舌と鼻の先にツンとくるアルコールの香り、じわりじわりと暖かくなる喉

これが文明開化の味でございましょうか?
当時の日本に思いを馳せながらいただく冷たいお酒は格別でございました。

そういえば、私共使用人が身につけているシャツもハイカラーでございましたね。100年前の日本で目新しかったものが、今となっては日常の1部になっているというのは面白くございますね。

いつかは私もお嬢さま、お坊ちゃまにハイカラな味わいをお届けしたく存じます。
そのためにはもっと様々なことを学ぶ必要がございますから、本日はこの電気ブランを味わいつくしたく存じます。
ええ、これは勉強でございます。

小瀧

天晴

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。
小瀧でございます。

時間が経つのは早いもので、私がティーサロンでお給仕をはじめてから一ヶ月が経ちました。
時間が経つと共に、少しずつ、少しずつ肩の力が抜けてまいりました。

梅雨も明け、晴天の日々が続いております。
ふと、「天晴(あっぱれ)」という言葉の意味が気になり、辞書を開いてみました。

私が用いた辞書によりますと、「天晴(あっぱれ)」は感動詞アハレ(哀れ)を促音化したもので、「天晴」は当て字。みごとなさま。とのこと

では、「哀れ」とは何たるか?と開いてみると

はじめは「尊いさま」や「愛着」など様々な感情に対して用いていたが、次第に「悲哀」や「憐憫」を表すことが多くなった。また、感動詞「アハレ」としては、「感動」や「人情」、「風情」を表している。と

驚きました。
日々の生活の中でいつの間にか見聞き親しんでいた言葉にも、私の知らない歴史や多くの意味があったのですね。
お嬢様、お坊ちゃまもふと気になったことがございましたら、辞書を開いてみると思わぬ発見があるかもしれません。

まだまだ至らぬ点も多くございますが、
「天晴」な使用人に至れますよう日々精進して参ります。

夏も始まったばかりでございますから、くれぐれも体調を崩されぬよう、ご自愛くださいませ。