香りの記憶

豪徳寺は常々「味覚を信じるな、香りを信じろ」と私に教えてくれました。

味は香りに大きく引っ張られるのであてにしてはいけないということなのですが。



ボードレールの詩はまさに視覚よりも嗅覚に訴えるような表現が多くございました。

ワインに関する詩も残していたのですが、嗅覚から記憶を引き出される感覚です。

お嬢様も経験がございましょう。



春夏秋冬、風が入れ替わる瞬間の心地よさ。

そういった感動が常に鮮烈でなのは、そこにはいつでも喪失感が伴うからだと感じております。



「記憶」はどんな類のものであろうと、絶対に再現ができません。

それらは全て過去に属した事柄です。

ですので、記憶を呼び戻す「香り」には常に多かれ少なかれ「喪失感」が伴うのです。




楽しみの半分は香りといえるワインの香りに関してはいうまでもないでしょう。


多くの要素を持った上質なワイン程多くの記憶を運んでまいります。

先日戴いたch.ガザン1996はまさにそうでした。

思い入れがおおい銘柄ということもあったのですが、いただいていてつい涙がこみあげてきてしました。




香りに満ちたティーサロンでございます。

これからもたくさんの思い出をつくっていければさいわいです。
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