友との絆に捧ぐ酒

我が敬愛せしお嬢様へ

夏が残した熱気を洗い流すような雨が続き、気付けば風は早くも、ひんやりと頬を撫でる秋の涼けさを抱いているようでございます。

寒暖の変化が日中にも激しく、予想のつかぬ日がしばらく続くことと存じますゆえ、お嬢様方におかれましてはどうか、ご面倒でも軽く羽織れる上着の一枚もお持ち頂きますように、お願い申し上げます。

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カクテルジュレ

我が敬愛せしお嬢様へ

今年の雨季は明けるのでしょうか。それともまだ霧雨の帳を下ろし続けるのでしょうか。
時折に降り注ぐ雨が、梅雨のものなのか真夏のスコールなのか判別しかねている時任でございます。

いずれにせよ油断ならぬ季節ゆえ、どうぞ傘は肌身離さずお持ち頂きますように。
太陽が顔を出しておりますときの陽射しも強うございますから、晴雨兼用をお持ち頂くのが一番かと存じます。
どうぞ準備万端になさり、優雅にこの季節をお潜り抜けくださいませ。

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今宵は猫の話をしましょう。

我が敬愛せしお嬢様へ。
夏の日差しを感じたかと思えば、静かに雨の降る肌寒い日が続いたりと、何とも気候の安定しない日々が続いておりますね。
こんな時期はお身体の調子も崩れやすいものでございますから、お食事を抜いたり夜更かしなさったりせず、規則正しい生活をお心掛け下さいませ。
無理をするとすぐに調子を崩してしまう時期ですからね。

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宿命の対決

我が敬愛せしお嬢様へ。

庭園を咲き染めておりました桜も瞬く間に散り、新緑の季節が訪れております。
桜一色に染まる庭園も美しゅうございますが、様々な色彩が咲き交わるこの季節もまた格別でございますね。
とはいえ、急な雨が多いのもこの季節の特徴でございます。
どうぞご面倒でも、晴雨兼用の傘はお持ち頂き、急な雨に濡れたりせぬようご自愛下さいませ。

私事ではございますが、時任は毎年、桜の季節に宿敵とのチェス勝負を行う慣わしがございます。
今年は色々と庶務もあり、桜が舞う下で…とは叶わぬ事となりましたが、次のお休みを頂いております日に、新緑の下で一勝負交わしてまいる予定でございます。
今から、気付くと架空の盤面を脳裏に描き、如何に布陣を敷くべきか、如何に騎士たちを進軍させるか…そんなことばかり考えてしまいます。

…楽しみにしている?
そうなのかもしれません。

遠く離れた友との、久々の邂逅でございますゆえ、豪徳寺執事に賜ったワインを手土産に、チェス盤を挟んで、馬鹿らしい軽口の応酬に華を咲かせてまいります。
あ、ちなみに友人は下戸です。このワインは自分用でございます。
目の前で美味そうに飲んで見せ、羨ましがらせるための嫌がらせでございます。

それでは、暫くばかりお屋敷を留守に致します。
どうぞお嬢様。私がいない間、爺やや執政の申す事には、ゆめゆめ耳を傾けて頂き、あまり我儘を言って困らせないようにお願いいたします。

夜はまだ冷えますから、暖かくしてお休み下さいませ。

時任

リキュールの女王

我が敬愛せしお嬢様へ。

窓を開ければ梅花が香り、桜の蕾ももう真近。そんな季節が訪れております。

私事ですが、時任には、毎年恒例の旧来の友と交わしている約束事がございまして。
毎年桜が咲く頃に再会し、桜舞う樹の下でチェスの勝負を行う。そんな約束でございます。

昨年ごろより、桜の花粉症が発覚した私にとっては危険すぎる対決となってしまいましたが。
今より、盤面に列ぶ瑪瑙の駒を想い、想定する鉄壁の布陣を、如何なる奇策にて打ち破るか…そんな構想ばかりが心に浮かんでおります。

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ジングルヘル

敬愛せしお嬢様へ。

窓から差し込む朝日が、凍り付いた窓に反射しステンドグラスのように輝く…そんな季節でございます。
朝、お目覚めの時にご寝所を離れるのが辛い季節でもございますが、寒さごときに屈しては、スワロウテイルが令嬢の名折れでございます。どうぞ気合一閃、凛々しく毎朝のお目覚めという戦いに勝利なさってくださいませ。

さて、世間は気が早いもので、下々の街は既にクリスマス一色でございます。
聖人の微笑みが街にあふれ、銀に輝く十字架が定番アクセサリーのように軒々に吊られ、耳に届くのは清らかなる賛美歌のメロディ…。

……。
…………。

お嬢様。時任ちょっと生物的な意味で生きていくのが辛いので、来年まで冬眠してよろしいですか?

いけませんか。畏まりました。

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問:アライグマはクマの仲間か否か?

我が敬愛せしお嬢様へ。

季節の巡りは早いものでございます。
つい先日にカボチャを飾っていたと思ったのに、もう街並にはクリスマスに向けてのイルミネーションが輝いております。

この冬一番の雪も遠くないことでございましょう。

雪ならずとも、朝方は街路が凍りつき滑りやすい時期でございます。お出掛けの際はくれぐれもお足元にご注意下さいませ。
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