お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
的場でございます。
来る7月8日に能見とカクテルデーを開催する運びとなりました!
能見とはエクストラティーでご一緒することはあれどカクテルは初めてでございます。
非常に楽しみでございますね!
毎年レシピカードを書いたり当日お嬢様とお話させていただいたりするのですが、全然語り尽くせないのでこちらに今回のカクテルのことを記します。
この度は執事歌劇団第16回公演「0/Oゼロイチ 〜見上げる空は ハルカうららか〜」で能見と共演したことを受け、私が演じた蛙阿院三休(あかわいん さんきゅう)が好んだバーボンを使ったカクテルを作ろう!というのが始まりでございました。
私がお作りいたしますのは「カリフォルニアレモネード」と呼ばれるカクテルでございます。
以下カリフォルニアレモネードの内訳でございます。
バーボン
レモンジュース
ライムジュース
グレナデンシロップ
シュガーシロップ
炭酸
バーボンが強く香るレモネードでございますが、レモン・ライムの清涼感があり、グレナデン(ざくろ)シロップでほんのりピンクのかかった可愛らしい色のカクテルでございます。
一昨年に能見と行ったエクストラティーではティーシロップを使用したレモネードをお出ししました。
レモネードの流れを組んでいるところもエモーショナルなのかな?という思いもございます。
あれ?でも折角だから三休らしさをもっと出した方が特別な一日になるのではないか?
と思い立ち、私はレシピを変えることにいたしました。
レモンやライムは洋風だし、三休だから和風にしたいな。
みかん?ゆず?すだちは冬らしいかな。
そうすると夏だから夏みかん?はっさくか?
…などと様々お調べしていくうちに、何と「仏の柑橘」なる物があるとの噂。
まず一つめに「じゃばら」という柑橘がございます。こちらは過去にお屋敷でもコンフィチュールとしてお出ししていた柑橘でございまして、「邪を払う」から「じゃばら」というのでございます。これはお坊さんらしい柑橘でございますね!
また「ぶしゅかん」という柑橘もございまして、こちらは漢字で「仏手柑」と書きます。
我々が普段イメージする柑橘類の実の部分がなく、綿のようになっているのですが、不思議と柑橘のお味をしっかりと感じられるフルーツでございます。
しかも「仏の手」だなんて、今回のテーマにピッタリではないか!!
見た目もバナナみたいだし今回は「ぶしゅかん」でいこう!夏っぽいし!
ということで今回は仏手柑を使うことにいたしました。
バーボンにも様々種類がございまして、どれを選んだら良いのか?
自身で飲み比べてもよいのですが、大変種類(酒類?)が多うございますので、良いものが決まるまでに酔い潰れてしまいそうです。
私は時任に良いバーボンのお勧めを伺うことにいたしました。
「『エライジャグレイグ』というバーボンがございますよ。エライジャクレイグというのは、アメリカが新大陸として発展している頃にいたお坊さん(牧師)で、バーボンウィスキーの最初に作った生みの親と言われている人です。お坊さんの逸話もあるので良いかと思われます。」
さすが時任!
何てお酒に詳しい使用人なのだ!
「『アーリータイムズ』もポピュラーなバーボンです。直接の関係はないですが、上記僧侶のエライジャグレイグが初めてバーボンを作ったケンタッキーの開拓村にて作られたバーボンなので、正当な後継酒と言えなくもありません。」
なるほど!
結局正当な後継酒なのかどうかは定かではないですが、どちらがお勧めなのでしょうか?
「アーリータイムズは日本語で『在りし日々』という意味なので、昔をしのぶような感じが今回のお坊さんのテーマに沿っているのではないでしょうか?」
??
言葉の意味はよくわかりませんが、とにかく凄い自信でございます。
…まあでもブッダ(お釈迦様)も現世に「在りし日々」はゴーダマ・シッダールタっていう別の存在だったわけで、天界から「在りし日々」をしのんだりすることもあるか?
そう考えると『アーリータイムズ』は「仏のウイスキー」と言えないこともないのか?
じゃあアーリータイムズにするか!
これだけ仏や和の雰囲気を醸しているのですから「カリフォルニアレモネード」ではなく16回公演にちなんで「カラタチレモネード」と名付けましょう!
カクテルには花言葉のように「カクテル言葉」というものが存在するそうでございます。
カリフォルニアレモネードのカクテル言葉は「永遠の感謝」ということでございました。
では我々がお作りする「カラタチレモネード」は「永遠の三休(Thank you)」といったところでしょうか?
さて、肝心のお味ですが、本場カリフォルニアのレモネードはバーボンをたくさん使うのでお酒の香りが強めでございます。
少し柑橘を多めに使用してアルコール感はマイルドになるように仕上げております。
ノンアルコールのバージョンもございます。
こちらは紅茶シロップを使い甘く仕上げたレモネードでございます。
ノンアルコールバージョンには古谷ブレンドのゴシックを使用いたします。
ゴシックはお酒の感じがする「アイリッシュウイスキークリーム」のフレーバーなのでございます。
今回のカクテルのコンセプトにぴったりでございます。
「優李君、バーボンちょうだい」という劇中の台詞を彷彿とさせる関係性が見えてきて最高でございますね!
おっと、ついつい長話になってしまいました。
我々とお嬢様は本番でしかお会いできませんが、事前準備から心を込めて仕込んでおります!
当日を楽しみにお待ちくださいませ。
…あ、「広がる花吹雪」がテーマということなので、ストローはピンクにいたしましょうか。
それでは本日はこれにて。