史上最大の方向性

 

①〈史上最大の危機〉

 

まあ、いずれは‟そのタイミング”が来るとは思っておりましたが、いざその時を迎えると「ついに来てしまったか………」で、ございます。

 

決まってしまったものはしょうがないので‟まとも”になるために何か手を打たなければいけません。

 

まず私は確認してみることにいたしました。

「もしかしたら思っていたよりも、まともかもしれない」という淡い期待を抱きながら…………まあ、はい。存じておりました。

不安は増すばかりでございます。

 

取り敢えず形を変えることはできませんので、今までに使わなかったアイテムを駆使し、少しでも綺麗にすることが、現実的な対策な気がいたします。

 

色々伺ってみたところ、やはり‟塗る”のが無難そうでございます。

どうやらお手軽に塗れるアイテムもあるらしいので、それが良さそうでございます。

ただここで注意しなければならないのが、‟塗りすぎない”ということ。

静かに、そしてさりげなく。

とにかく目立たぬよう、なじませることが重要でございます。

 

あとは、いらないものを除去してベースを整え、‟その時”が来るのを待つだけでございます。

 

さてさて、絵心もない私に上手にできるのか?

 

乞うご期待!!

 

 

 

…………は、せずにお待ちくださいませ!

 

 

 

②〈私の方向性〉

 

先日、私は何となしに鏡を見ておりました。そうすると、とんでもない事実に気が付いてしまいました。

 

日頃から私の目指すべき方向性は、「高倉健」や「三船敏郎」もしくは「クリント・イーストウッド」辺りではないかと思っていたのですが、ところがどっこい鏡を見てびっくり仰天でございます。

 

「おかしい……全然似ていない」

 

歳を重ねるごとに、そんな渋い男たちへの仲間入りをするのかと思っていたのですが、全然そんな気配がございません。

 

むしろ今だに幼少期の面影がたっぷり残っている気がいたします。

これではギフトショップの三歳児(四年目)というのもあながち間違っていないかもしれません。

男としての名折れでございます!!!!

 

ただ、確かに思い返してみると、この話をするたびに、例外なく相手は微妙な表情を浮かべていた気がいたします。

 

何故気が付かなかったのか……

 

これからは、もっと自分に合った方向性に進むことにいたします。

 

それでは私は「クリント・イーストウッド作品!」ではなく、「ブリット・オールクロフト作品」を観て、私らしさを勉強してまいりますので、今後の成長に是非ご期待くださいませ。

 

 

 

追伸、今回のタイトルのつけ方は、とある作品のオマージュでございます。

 

終わり。

お正月

 

「去年の夏の暑さが嘘のようにお正月の夜は冷え込むな」

染瀬清一(ぬりせしょういち)は、前を歩く二人の痴話喧嘩を聞きながら、ふとそう思った。

 

「おい!夜の神社が狙い目だなんて嘘じゃないか」

 

「ん?嘘?おいおい、何を言っているんだい明石くん。灯篭の明かりで照らされた境内の趣が分からないのかい?参拝客だって我々を合わせても10組ほどだ。年明け早々おしくらまんじゅうなんて嫌ではないか?」

 

「このあほっかすが!そんなことはどうでもいいのだ。最も大事なことは活気ある屋台でしょうが!」

 

「屋台?君はお子ちゃまか」

 

「なにー!」

 

先日の釣りの一件以来、度々廻令蔵(まわりれいぞう)が二人の元へ遊びに来ていた。そして明石太郎とは会うたびに、こんなやり取りを繰り返していた。

よくも毎度毎度争いの火種が落ちているなと、染瀬は思った。

 

だが、この痴話喧嘩が大喧嘩に発展することはなかった。むしろ最終的には肩を組んで仲良しこよしだ。

 

ちなみに染瀬はこれが始まるといつも黙って二人の争いを聞き、僕の考えはどちらに近いかなぁ、などと考える。なぜならば……

 

「おい、やめとけ、たろちゃん。ますます分が悪くなるぞ」

 

「うるさい!」

「おい、染瀬はどちらの意見に賛同するのだ!」

 

やはりこの展開になったか。

 

これもいつものことだ。

徐々に明石君が劣勢になっていき、声こそ荒げているものの、助けを乞う目つきで僕に意見を求めてくる。

 

しかし、残念ながら廻君の意見の方が僕の考え方に近い。今回もそうだ。

 

「う~ん、廻君に賛同するかな……」

 

「……」

 

「火を見るより明らかだったな」

 

「あきらめん」

 

「ん?何か言うた?」

 

「次は…」

 

「次は?」

 

「おみくじ勝負だ!」

 

 

別に勝敗をつけなくとも「みんな違ってみんな良い」でいいのでは?と、染瀬は思ったが、どうやら明石太郎は、どうしても廻令蔵をぎゃふんと言わせたいらしい。

 

 

 

「お!これじゃないか。明石君、おみくじあったよ」

 

「……」

明石太郎は返事もせずに通り過ぎていった。

 

「あれ、たろ先生?おみくじ勝負はやめたのですかい?」

 

「君らは先に引いてていいぞ。私は先にお参りをしてくるので」

 

「必死ですな」

 

「違うわ!まずは神様にお参りするのが礼儀だろうが」

 

「よく言うわい。昼間だったら屋台に直行するくせに」

 

「ぐぬぬ」

 

確かにそうだと染瀬清一も思った。

そして結局三人ともお参りを先にすることにした。

 

「さてさて、お賽銭箱にいくら入れるべきか。やはり5円か50円、いや奮発して500円という手もあるな……。染瀬はいくらにするのだ?」

 

「僕は5円かな。毎年そうだし」

 

「ふむ。じゃあ50円か500円だな」

明石太郎は染瀬清一にもおみくじ勝負で勝ちたいらしい。

 

「れい坊。貴様はいくらだ!」

 

「私は44円にしようと思う」

 

「は?気でも触れたか!?」

 

「いや。ただ、このお賽銭というものの効力が実際どれほどのものか気になってな」

 

「罰当たりすぎるだろ」

 

「そうだよ。それに試すにしてもわざわざ悪い方に合わせなくてもいいじゃないか」

染瀬清一もこれに関しては明石太郎に同意した。

 

「いやいやこれでいいのさ。人間誰しも良い方向には努力するだろ?悪い方向に努力することは中々ない。つまり、55円だの777円など入れて、その結果良いことが起きても、それが神様のおかげなのか自分の努力の賜物なのかが分かりずらいのだ。だから敢えて44円を入れるのだ」

 

「廻君はやはり変わった人だ」

 

「染瀬よ、まあいいじゃないか。自ら敗北の道へと進んでいるのだから」

明石太郎は嬉しそうだった。

 

「よし!決めた。私は50円にしよう」

 

そして各々決めた金額で参拝をし、ついにおみくじ勝負のときが来たのであった。

 

 

 

ついにこのときが来た。

最近はあの似非知識人のせいでさんざん辛酸をなめさせられ、毎回毎回敗北を味わっていた。が、それもここまで。奴はなにを血迷ったのか44円という縁起の悪い金額を納め、今最もついてない男へと変貌した。こんな奴におみくじ勝負で負けるはずがない!

今こそ廻令蔵、そしておまけの染瀬清一に正義の鉄槌を!

 

 

「へー、色々なおみくじがあるんだね。見てごらん明石君。恋愛運専用のおみくじなんてものもあるよ」

 

染瀬の言うとおり、恋愛や健康などそれぞれの運を占うものや、動物や傘型の可愛らしいものなど、そこには多種多様なおみくじが置いてあった。

しかし、ここでそれらのおみくじを引くのは愚の骨頂である。

なぜならば、そういったおみくじは往々にして良いことしか書いていない可能性があるからだ。運に差をつけている今、それを引くのは得策ではない。

 

「おい染瀬。そんなナンパなおみくじではなく、この従来からあるおみくじで勝負するぞ!」

 

「動物おみくじも気になるけど、まあそっちにしようか」

 

「れい坊もよいな!」

 

「私はどれでも構わんぞ」

 

「よし!(ばかめ!これで貴様らの勝率は0%となったのだ!)」

「ではさっそく」

 

「スッ」

「スッ」

「シュバッ!!」

 

(くっくっく。楽しみ楽しみ!)

「よし、れい坊。貴様から開けてみろ」

 

「私か?」

「どれどれ……………う~む」

 

(ひひひ。難しい顔をしとるぞ。これはてんで話にならんな!)

「どうよどうよ。見せてみい」

 

「ほれ」

 

〈吉〉

 

「はっはっは!やはり大したことない!吉?上から4~5番目くらいか?」

 

「ん?なにを言っているのだ?吉は上から二つ目だぞ」

 

「へ?」

 

「地域にもよるが、基本的には大吉の次に位置している」

 

「じゃ、じゃあなぜ、難しい顔をしていたのだ!?」

 

「いや~、去年より1ランク下がってしまったのでな」

 

「……」

上から2番目だと、ふざけるな!これでは大吉を引かなければ負けてしまうではないか!

こんなばかなことが………

 

「やったーー!!」

 

こ、今度はなんだ!?

 

「おお!染瀬君やったな、大吉ではないか!」

 

(なにーー!?このもやし男が大吉?お前が似合うのは末吉だろうが!)

(くそっ!とにかく大吉だ!大吉なら負けはない!たのむっ!神よ!)

 

〈凶〉

 

「ぴぎゃああああああ!!!」

 

「すごいよ明石君。僕の大吉より珍しいよ!」

 

「どうせ”ばかめ!これで貴様らの勝率は0%となったのだ!”とか、考えていたのだろ」

 

「う、ぐっ……」

 

 

どこでどう間違ったのか。

私の努力の結晶は一体どこに消えてしまったのか。

いやそもそもこれは努力だったのか?

2人とも不思議がっていたことだろう、50円入れただけで勝った気になっていた私の姿に。

 

「明石太郎よ見てみい、君のおみくじの”争い事”の欄を」

 

〈争い事 ~争いごとまけなり~(勝負に負けるので争わないようにしましょう)〉

 

「やかましいわ!!」

 

 

 

おまけ1

 

お嬢様、あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

取り敢えず一月のブログを無事掲載でき、ひとまず安心でございます。

今年こそは、ひと月一本のペースを目標に頑張る次第でございます!(多分!)

 

 

おまけ2

 

私は、今年も楽しみなことが多くございます。

 

気になる映画が数本上映される予定だったり、一番好きな小説家の新刊が発売されたりと様々ございます。

また、サッカー観戦も現在進行形で開催されているアジアカップを始め、注目の試合がいくつもございます。

 

お嬢様も機会がございましたら、是非日本代表を応援してくださいませ!

 

 

おまけ3

 

私が今年、実際に引いたおみくじでございます。

 

 

明石太郎ほどではございませんが、なんとも微妙な結果でございます。

 

 

終わり。

変身4

 

 

「おい、起きろ。起きんか、明石太郎よ」

 

 

 

「ん、んー……」

私は聞き覚えのある”ふわふわもこもこ”の声で目が覚めた。

「私は一体………ん?」

周りを見渡すと辺りは真っ白な空間に包まれていた。

「どこだここは!?」

 

「確か……猫になって、はしゃいで……それから……痛っ」

ふいに頭の上部に痛みが走った。

「あ、そうだ!大家に吹き飛ばされてブロック塀にぶつかったんだ!そして気絶して……ま、まさか私はそのまま天国へと…」

 

「阿呆か!そのくらいで、おっちぬものか」

不意に後ろの方から声がした。

 

「誰だ!?」

振り向くと、この空間よりもさらに真っ白なふわふわもこもこの毛玉が鎮座していた。そして、もそもそと動きながらこちらに近づいてきた。

「な、なんだあれは……」

 

「もう吾輩を忘れたのか。今朝、夢の中であったばかりであろう」

そう言うと、不意にその毛玉がぶるぶると震えだした。そして「モフン!」と、勢いよく猫の頭と手足が飛び出した。

 

「どうだ?この顔を見ても思い出さんか?」

 

「……」

私はとても印象的なその光景を見てもその猫が一体何者か思い出せなかったが、その声だけは聞き覚えがあった。

「あんたは一体誰なんだ!?それにこの空間は……。と、というか私は猫と普通に会話しているのか!?」

 

「ふむふむ、どうやらまた一から話さないといけないようだのう」

するとその毛玉はゆっくりと香箱座りをし、厳かな雰囲気でしゃべり始めた。

 

「まず、吾輩は神様じゃ」

 

「……へ?神様?」

 

「さよう。まあ神と言っても、死神だがのう。そしてこの空間だが、実は貴君の本体はまだ気絶しておるのだ。この空間は精神世界。夢の中と似ておる世界だ」

さすがの私も面を食らわざるを得なかった。そして目の前の死神は続けて話し始めた。

 

「貴君は今、猫だ。猫が猫と会話するのは当たり前だ」

………確かにその通りだ。

 

「しかし、まさか死神が猫の姿をしていたとは……」

 

「意外か?」

 

「あ、ああ。想像では髑髏の仮面に大きな鎌を持っている姿だったから…」

 

「まあそういう死神もおる」

 

「え!?」

 

「死神といえど千差万別。見た目も違ければ、人間に与える罰も違うのだ。ただ一つ、愚かな人間に対して裁きを下すということ以外はな」

 

「愚かな人間?」

 

「そうだ。つまり人を殺めてしまった人間だ」

 

そしてこの死神は、人類が未だ到達していない領域。

‟(人を殺めてしまった者の)死後の世界”について話し始めた。

 

 

………なるほど

どうやら私はとんでもない話を聞いてしまったようだ。

 

つまりこの世界には本物の死神がいて、殺人を犯したものをあの手この手で地獄のような場所へ連れていったり、罰を与えたりする。まったくもって非現実的な話だ。だが、こんなヘンテコな空間で話をしているという事実からも間違いなくこれは真実なのだ。

 

しかし、そうなると自ずと疑問点が一つ浮かび上がるのがお分かりだろうか?

 

この猫型の死神は愚かな人間を猫の姿に変える罰を与えるらしい。まあそれはかまわない。そんなメルヘンな死神がいるのも悪くない。

 

だが、なぜ私が選ばれたのだ。当たり前だが私は断固として殺人など犯してはいない!

 

「おいっ。なぜ私が猫の姿にならなければならないのだ!」

 

「ふむ、やっと気づいたか明石太郎よ。そこが本題だ」

 

「なに!」

 

「まず貴君が猫になったわけ。それはな……」

 

「そ、それは……?」

 

 

「吾輩のミスだ」

 

 

「なにーーー!」

このとき、もし私が猫の姿でなければ、目の前の毛玉がいかに死神といえど、毛を全てむしり取っていたことだろう。

 

「ふざけるな、どうしてくれるのだ!」

 

「まあまて。吾輩の力を持ってすれば、元に戻すことなど造作もない!だが……。少しばかり時間が必要なのだ」

 

「時間?」

 

「そうだ。変身後24時間は元に戻すことができない。つまり明日の明け方にならなければ人間の姿には戻れないのだ」

 

「なに!?」

 

「そしていいか、ここからが重要だ。もし、それまでに貴君が死んでしまったら元には戻れず、猫の姿のままあの世行きだ」

 

終。

 

 

追記

 

今回もご覧いただきありがとうございます。ついに変身の続きが掲載されました!しかし、「変身3」からどのくらい経ったのでしょうか?恐ろしくて前回の日付が見れません。

そしてこのペースで書き続けたら一体何年後に終わるのでしょうか……

とにかく、期待してくださるお嬢様に喜んでいただけるよう頑張る次第でございます!!

 

 

おまけ1

 

2023年も、あと僅かでございます。

 

思い返すと今年も素敵な一年でございました。

「白イルカのクッキー」や「Paper Moon」をお手に取ってくださったり、とある10周年記念や、とある3歳児誕生のお祝いをしてくださったりと、お嬢様には感謝してもしきれないかと存じます。

 

来年もお嬢様が楽しんでいただけるよう邁進する所存でございます。

 

それではお嬢様、良いお年をお迎えくださいませ!

 

 

おまけ2

 

「良いお年をお迎えくださいませ!」と、元気よく挨拶させていただいたのですが、一つ思い出したことがございましたので、少々書かせていただきます。

 

ご存じのお嬢様もいらっしゃるかもしれませんが、先日とある使用人達と釣りに行ってまいりました。

 

お屋敷の使用人と釣りへ行くのが初めてだったということもあり、普段とは違う楽しさもございました。

 

今回はどちらかというとサポートに回っていたのですが、あれだけ真剣に楽しく釣りをしていただけるなら、永遠と補助に徹していてもいいと思えるほどでございました。

 

また、メンバーの一人は釣りの経験が私よりも遥かに豊富で、学ぶところが多くございました。今回学んだことは次の釣りにて生かす次第でございます。

 

また、いずれ彼らと足を運びとうございます。

そして次こそはDVD化し、お嬢様にも楽しんでいただけたらなあと存じます。

 

 

終わり。

釣り 明石太郎編2

「この暑さは一体どういうことだ!」

今年は太陽が無駄にやる気を出したのか、6月中旬だというのに気温が30℃を超え、降り注ぐ日差しにも一切妥協が見て取れなかった。

さらにこの暑さは10月下旬まで続くという……ふざけるのも大概にせい!

 

そしてこの日はもう一つ私の体感気温を助長する”事柄”……いや、”人物”の存在があった。

 

「しかしなぜ”あいつ”はあんな格好で釣りをしているのだ」

 

今回釣りをしに来ている場所は家族連れにも人気の真っ直ぐと伸びた防波堤であったが、この日は”我々”以外の釣り人がほとんどいなかったため、30メートルほど右側に鎮座して釣りをしているウエスタンルック姿の男の存在が嫌でも目に入った。しかも昔ながらのカントリースタイルだ。

 

「おい、れい坊」

私はその男に近づきながら声をかけた。

「調子はどうよ?」

 

「ん?」

その男はちらとこちらに視線を向け、またすぐウキに目をやった。

そしてニヤリと笑みを浮かべ口を開いた。

 

「太郎君。釣りは待つことが肝心だよ」

 

「むっ」

恐らくこの男は質問に答えているのではなく、私の悲惨な釣果について話しているのだろう。こいつはこういうところがある。

 

「そういう君……」

 

「まあ、しいて言えば上の下の中と言ったところかなぁ」

今度はわざと私の話にかぶせるように口を開いた。

 

(こいつ…)

「ふーん…そのわりにはあまり釣れているようには見えなかったが?」

彼の隣に置いてあるクーラーボックスからも魚の気配がしなかった。

 

「そうかい?」

 

「じゃあ、箱を開けてみんしゃい!」

 

「んー、まだそのタイミングではないかな~」

 

(やっぱり釣れていないな)

 

「太郎ちゃんの調子はどうだい?」

 

「釣れていないのは君も知っているだろう!」

 

「いやいやそっちではなくて、五月病の方さ」

 

「ああー」

私は少し不意を突かれた。

 

「気分転換にはなるが、この暑さでは治っても今度は日射病に罹りそうだよ。君はその格好でよく平気だね」

 

「私は影響されやすいタイプだからね」

 

(答えになっていない気がするが……)

久しぶりに彼に会ったが、やはり”廻令蔵(まわり れいぞう)”は少しずれている。

 

 

廻令蔵……染瀬清一と同じく小学生時代に知り合った友人だ。

彼は昔から様々な作品や人物に影響を受けていた。登校時にはランドセルの代わりに薪を背負い、下校時にはエルヴィス・コステロのような足取りをし、青春ドラマが放送された次の日には必ず授業をさぼって屋上に足を運んでいた。

また、定期的に彼の中の流行が変わるため、次第にクラスメイトからは「次はどんな阿呆な姿が見れるのかな!?」と、面白がられていた。

だが彼は周りの目など気にせず我が道をずむずむと進み続けた。

「中々骨のある男だ」と、小学生ながら思ったものである。

 

そんな彼も今ではきっちり定職についているという。それだけでも過去を知る者からすると驚くべきことだが、染瀬が言うにはどうやら”人に何かを教える仕事”をしているらしい。さらに受講者からは中々評判が良いときたもんだからよく分からないものだ。

こういった変人が意外とカリスマ性を持っているのかもしれない。

 

 

「しかし太郎殿、五月病を甘く見てはいけないよ」

廻令蔵は釣り竿を傍らに置き、話し始めた。

「太郎氏は中華料理屋の厨房といったらどういった想像をするかね?」

 

「……は?」

一体何を言いたいのか皆目見当つかなかった。

「いやまあ、バタバタと忙しそうなイメージが浮かぶが……」

 

「ふむふむ」

「では、例えばペンギンが経営している中華料理屋があるとしよう」

 

「……」

(取り敢えず考えて聞くのをやめよう)

 

「まあ考えなくてもよいが、想像は続けてくれ!」

 

(なんだこいつ!)

 

「では話を戻すが、ペンギンが経営しているのだからシェフやウェイターもペンギンのはずだな?」

 

「……ま、まあそうなのかな?」

 

「そして中華料理屋は忙しいのだから、きっとそのペンギンたちは”忙しい忙しい”と、慌ただしく駆け回っているはずだ」

 

(それは少し可愛いかもしれない)

 

「そう、それだ!その”可愛い”というイメージが大切なのだ」

 

「いやだから、心を読むな!」

 

「いやいや心を読んだのではない。太郎丸の微妙な表情を読み取ったのだ」

「ほんのりニコリと良い表情をしていたぞ」

 

「……」

「そりゃまあ可愛いものをイメージすれば少しはにやけるさ」

 

「しかしだ、考えてみるとそれは不思議なことではないかい?」

 

「と言うと?」

 

「実際に明石殿に何か良いことがあったわけではないだろう?」

「宝くじが当たったわけでも、素敵な恋人ができたわけでもない。ただ可愛いペンギンを想像しただけで笑みがこぼれ幸せな気持ちになった」

 

「まあたしかに……」

 

「そして太郎君が罹った五月病だ!」

「五月病は軽く見られがちなところがあるが、その実不安感や焦燥感、または無気力といった症状があり、またそれらから引き起こされる食欲不振や吐き気、めまいといった…………」

 

なるほど。

話の構成が滅茶苦茶で分かりずらかったが、つまり彼は〈病は気から〉と、言いたいのだろう。気持ちや考え方次第で良い気分にも悪い気分にもなれると。

 

「と、五月病は侮れないところがあるが、たろっちなら乗り越えられるさ!」

 

「そうだな!」

私は少し気が楽になっていた。ただ今の話を聞いてと言うよりも、呼称も統一しない彼と話していて、気を落としているのがなんだか馬鹿らしく思えたからである。

 

「では太郎さん、少し遅めのお昼休憩としよう!」

「お菓子もたくさん持ってきたからな!」

 

 

既に日は傾き、再開してから2時間が経とうとしていた。

 

 

昼食休憩を終えて彼から釣りのコツを聞いているうちに、私の中の彼の評価が変わり始めていた。確かにこの男は物を教えるのが上手なのかもしれない。

面倒な話し方も、こちらがある程度の理解力さえあれば実はそんなに難しいことでもなく、むしろ普段の会話よりも考えて聞かなければならないため、より言葉が整理されて頭に残る。

現に教わってから釣果が飛躍的に伸びているのだ。

 

ただ……。だからこそ気がかりなことが一つあった。

 

奴の魚を釣り上げた姿を一度も見ていない!

 

廻令蔵が掲げる魚へのアプローチは非の打ち所がなく、釣り竿の扱いも惚れ惚れする腕前だ。そんな彼が一匹も魚を釣っていないことはどう考えてもおかしい。

私は、今は30メートル離れたところで釣りをしている彼を今一度観察してみた。

 

ふむ、餌はしっかり付けているようだ。そして何度もデモンストレーションで見せてくれた完成された釣り竿の動き。しっかり海中に餌が沈んでいく。ここまでは特に不審な行動はない。

 

そして竿を投げてから30秒ほど経ったとき、ピクピクとウキに動きがあった。

(ん!?ついにきたか?)

その瞬間、彼はこれまた完成された動きで釣り竿を振り上げた。が、しかし、そこに魚は掛かっておらず、針だけが宙に浮いていた。

その後何度も彼を観察していたが、魚が釣れることはなかった。

 

もしかしてわざと釣らないようにしているのではないか?

そんなことが可能なのか分からないが、餌だけを魚に食いつかせ針に掛からないようにしている……とか?

しかし一体何のために?

 

そうなると気になってくるのは、彼の隣に置いてあるクーラーボックスである。

どうせ彼に聞いても、のらりくらりとかわされるのがオチだ。

やはり隙を見て直接開けるしかない。

 

すると、そんな私の考えを察したのか彼が突然立ち上がりどこかへ歩き始めた。

「お、おい、れい坊どこへ行くのだ?」

 

「ん?ちと厠へ」

「すぐ戻ってくる」

彼がそう返事をしたとき、ちらとクーラーボックスに目をやった気がした。

 

まさか、気づいたか……

いや、だとしても。むしろ上等よ!

私は彼が少し離れたトイレに入ったのを見計らい、素早く彼のクーラーボックスに近づいた。

 

「よ、よし。落ち着け私よ」そう自分に言い聞かせ私は彼のクーラーボックスをパカリと開けて、中を覗いた。

 

するとそこには魚の代わりに一匹のペンギンの人形が横たわっていた。

「なんだこれは!」

ん!?その横に何か書いてある

 

{はっはっは!見ると思ったぞ}

 

ご丁寧なことに、吹き出しの形に切り取られた折り紙にそう書かれ、ペンギンがあたかもしゃべっているように張られていた。

 

なんだこの男は!

私は彼と真面目に接することにまた阿保らしさを覚えた。

 

と言うか、彼は今日一日釣りをするフリをして、ずっとクーラーボックスの中にこれを仕込んでおいたのか?もっともらしい含蓄を話しているときも……

この折り紙の吹き出しだって昨夜せっせと作っていたのだろう。

阿保らしさを通り越してむしろ彼が可愛く思えてきた。

 

数分後、彼が戻ってきた。

 

「たろっぺよ、そろそろ日も暮れそうだし、帰るとするか」

いつもと同じテンションで彼はそう口にした。

 

(……触れてこないな。いや、この男のことだ間違いなく開けたことに気づいている)

「私は構わないが、君は一匹も釣れていないのではないか?」

 

「何をおっしゃる。大物を釣り上げただろう」

 

「いやいや、何を言って……」

「!!」

(まさか、彼が釣ろうとした”もの”って……)

 

「はっはっは!やはり釣りは面白いな!」

 

(ぐぬぬ!)

一瞬、とても腹が立ったが、すぐに彼のせっせと吹き出しを作っている姿が脳裏をよぎり、私は彼を許してやることにした。

「まあ私も今日は楽しかったよ。また誘ってくれ」

 

我々は後片付けをし、帰りの準備を始めた。

私が釣った魚は、大きめの魚を数匹だけ持って帰ることにした。

(今回企画してくれた染瀬にも魚料理を振る舞ってやらなきゃだな)

 

 

かくして、長い一日は終わりを迎えた。

暑さや隣にいた変人に苦労したところもあったが、終わってみれば意外と充実した一日だった気がする。

きっと今の私の表情からは、晴れ晴れとした気持ちが読み取れることだろう。

 

もちろん五月病が完治していたことは言うまでもない。

 

後編完

 

 

おまけ1(感謝)

 

お嬢様、最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

無事〈釣り 明石太郎編〉シリーズを完結することができ、心からほっとしております。

 

 

おまけ2(謝罪)

 

〈釣り 明石太郎編1〉のおまけ2で「しかし、そこはご安心あれ!」と、胸を叩きながら宣言したにもかかわらず、楽しみにしてくださったお嬢様を3ヶ月以上待たせてしまい、誠に申し訳ございませんでした!

 

そこでお詫びのお品として、私が8月に釣り上げた可愛らしいお魚の写真を献上させていただきます。

 

 

おまけ3(お詫びのお品)

 

 

名前…ハコフグ

 

特徴…硬い骨格で箱のような形をしている。

 

注意…体表に毒がある。釣り上げたハコフグを斜面に置くと、ごろごろと転がって海に逃げてしまうため注意が必要。

 

雑学…とある大学客員教授が愛用している帽子のお魚は、ハコフグである。

 

 

おまけ4

 

今度、久方ぶりに海へ足を運べそうでワクワクしております。

よきお魚と出会えたら、またお嬢様にお写真を献上いたします!

 

 

終わり。

釣りとサッカー

 

今回のブログはタイトルの通り、2部構成で書かせていただいており、またこのタイミングで掲載しないと意味がないので(特にサッカー編)急遽筆を執らせていただきます。

 

 

 

第一部 釣り

 

6月後半、私は久方ぶりの釣りに行ってまいりました。

 

6月は過去に大きなサイズのメジナを釣ったこともあり、期待を胸に海へ足を運んだわけでございますが、なんとこの日は思いもよらないお魚と出くわすこととなったのです!

 

初めはフカセ釣りで「ちびっこいサバ」や「15〜20㎝ほどのメジナ」、そして中くらいのサイズでもそれなりのファイトを楽しめる「アイゴ君」等、常連のお魚たちが顔を見せてくれました。

 

そしてあれこれ2時間くらい経った頃、私は「そろそろ違う仕掛けで釣ろうかなぁ」と、釣った「ちびっこいサバ」を餌にして新たな仕掛けで釣りを始めました。

この釣りは餌を付けて投げたら、あとは放っておくだけの簡単な釣り方で、よく釣れるのはカサゴやメバルやベラでございます。が、この日はなんと!……いや、せっかくでございますで、実際の写真をご覧くださいませ!

 

 

 

 

 

そう、海のギャングと言われている「ウツボ」を釣り上げたのです!

 

 

竿を引いた瞬間”グググっ”と、いつもと違う重みを感じ、最初は「根掛かりかな?」と思ったのですが、針先がしっかり動いている感覚があり、「まさかとんでもない大物が掛かったのか!?」と、さらに力を入れリールを巻き始めました。

 

緩急をつけながら焦らず慎重に巻いていると、水面に岩のような物体が見え始め、それが、ぎゅうぎゅうぐるぐると糸に巻き付こうとしているウツボだと分かったときは、とんでもなくびっくりしてしまいました。

 

ウツボという生物には「デスロール」と言う必殺技があり、これはよくワニが獲物の肉を食い千切るときに体を回転させる行動で、この時は釣り糸を締め付けようとデスロールを繰り出していたのです。

 

しかし、今回はこの必殺技がウツボ君にとって裏目となってしまったのです。

なぜならば釣り人にとって掛かったお魚がする最も嫌な行動は、釣り糸を引っ張る力に対して抗おうとする動きであり、(逆方向に泳ごうとしたり、岩の隙間に逃げ込もうとする動き)これだと、ただ海の中で回転しているだけで泳ごうとしないので、逆に釣りやすくなるのです。

 

そうして釣り上げたウツボ君。

実は食べられるということは御存じでしょうか?

紀伊半島や四国の方では郷土料理として親しまれているらしく、私もそのお味が気になっておりましたので、持って帰ることに致しました。

(ウツボは御存じの通り噛みつきが危険でございますので、持って帰るときは十分にお気を付けくださいませ)

 

楽しい時間も終わり、釣り場を後にした私は、その日の内にウツボ君を頂くことにいたしました。

 

自室に戻った私はインターネットでさばき方を調べ、早速取り掛かりました。が、噂には聞いておりましたが、ウツボは今までのお魚よりも段違いにさばくのが難しく、結果的にかなり省略した形になってしまいました。

 

本来であれば食べられるところがたくさんございますので、お刺身や揚げ物など色々作りたかったのですが、結局丸ごと塩焼きで頂きました。

次は切れ味の良い包丁を用意して挑みたいと存じます。

 

そして気になるお味でございますが、意外や意外。中の白身はとても弾力があり、とても美味しく。また、コラーゲンたっぷりでございますのでお肌にもとても良さそうに感じられました。

 

ただ、一つ注意しなければならないのは、固い骨がとても多いということでございます。(さばくのが難しい原因の一つでもございます)

 

なので、ウツボ料理はお勧めではございますが、お召し上がりいただくときは、お店に足を運ばれることを強く推奨いたします!

 

 

今回の釣りはなんだかんだで、とても面白うございました。

 

ちなみに冒頭の「このタイミングで掲載しないと意味がない」という理由は、また釣りの予定の目処が立ちましたので、「それまでに掲載しなければ」と、思い立ったからでございます。

 

第一部 釣り 完

 

 

 

第二部 サッカー

 

危のうございました…

私すっかりお勧めするのを忘れておりました…

 

7月20日。

この日が何の日か御存じでございますか?

 

そう……女子ワールドカップ2023開幕日でございます!!

 

恐らくこのブログが掲載される頃には、すでに始まっているかもしれませんが、まあそれはさして問題ではございません!とにかく知っていただくことが肝心なのでございます!

 

では早速!……と、その前に。

 

私のブログをいつも応援してくださる、”夏に降る雪よりも珍しいお嬢様方”ならもしかしたらお気づきになったかもしれませんが、今回は”アカっちFC”ではございません。一体なぜか?

それは私もなでしこジャパン(日本サッカー女子代表の愛称)についてはミーハーで知識が少ないからでございます。(なのでいつもの凸凹コンビ「実況のアカシJ」と「明石次郎氏」は休暇を取っております)

 

では改めて参りましょう!

 

<日程>

 

まず今回の開催地は、オーストラリア&ニュージーランド でございます。

なので日本時間ではだいたい正午〜21時くらいの間に試合が行われます。

ちなみに日本代表の試合予定は

 

予選第一試合 vs ザンビア女子代表   7/22(土) 16時~ NHK BS1

 

予選第二試合 vs コスタリカ女子代表  7/26(水) 14時~ NHK BS1

 

予選第三試合 vs スペイン女子代表   7/31(月) 16時~ NHK総合

 

でございます。(可能であれば是非ご覧くださいませ!)

 

<強さ>

 

そしてなでしこジャパンの現在のFIFAランキングでございますが。

日本女子代表は11位でございます!

 

これは今回出場しているチームの中でも優勝候補の次くらいの位置づけであり、とあるアメリカの記事では、なでしこジャパンの現実的な可能性は「準決勝進出」と記しておりました。

 

もちろん私はこの予想以上の結果もありえると考えており、2011年以来のなでしこジャパン優勝を祈っております。

 

<選手>

 

今回もとても魅力的な選手が揃ったチームでございます。

 

ただ全ての選手をここで紹介すると、えらい文字数になってしまいますので(私の知識不足という理由もございますが…)

今回は3選手に絞り、紹介させていただきます。

 

熊谷 紗希選手  4番 DF ASローマ/イタリア 所属

言わずと知れたこのチームのキャプテンで、日本史上最高のDFの一人。

現在所属しているASローマを始め、オリンピック・リヨン、FCバイエルン・ミュンヘン等、名だたるチームでの経験があり、日本代表では今回で4度目のワールドカップ出場という素晴らしい経歴を持つ選手でございます。

 

植木 理子選手  9番 FW 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 所属

植木選手の魅力は何といってもその得点力でございます。

それを裏付けるように今季のリーグ戦、カップ戦、皇后杯全てで得点王を獲得し個人三冠を達成という成績を持っております。

また、4年前のフランスワールドカップでは、悔しくもケガで離脱をすることとなり、それゆえ今大会に懸ける思いが人一倍強い選手かもしれません。

 

長谷川 唯選手 14番 MF マンチェスター・シティ/イングランド 所属

このチームの実質的な心臓であり、一言で表すなら「天才」でございます。

とあるデータ会社では「女子W杯で見るべき10人」に選出されたり、またある記事では、本大会の全出場選手のベスト25を発表し見事14位に選ばれました。

 

ボールを扱う技術、「パス」「トラップ」「ボールを運ぶ力」がどれも突出しており、また中盤の選手に必要なポジショニング力が「人が操作しているのではないか?」というほど的確で、それでいて自身でゴールを決める力も持っている選手でございます。

2011年ワールドカップ優勝に導いた「澤 穂希選手」と並び称される日が来てもおかしくない選手でございます。

 

 

その他にも海外組(ヨーロッパ等、海外のチームで活躍している選手)が過去最多の9人だったり、1年前のUー20ワールドカップでMVPに選ばれた選手がいたりと、とても楽しみなチームでございます。ですので、是非お嬢様方もどこかで応援してくだされば、嬉しゅうございます。

 

追伸、私が個人的に応援している選手は「長谷川 唯選手」と「守屋 都弥選手」でございます。

 

第二部 サッカー 完

 

 

おまけ1

 

今回は私の趣味を前面に出した文章となってしまいましたが、お楽しみいただけたなら幸いでございます。

そして前回のブログもかなり久方ぶりの掲載ではございましたが、しっかり見てくださったお嬢様もいらっしゃり、とても嬉しゅうございました。ありがとうございます。

 

おまけ2

 

この文章は休館日に書いていたのですが、丁度7月19日(水)に第169回直木賞が発表されました。

今回はW受賞だったのですが、そのうちの一冊「極楽征夷大将軍」は私が大好きな小説家「垣根涼介」氏の作品で、私とても嬉しゅうございました。

実際に手元にはあるのですがまだ読めておりませんので、落ち着いたら読み進めていこうかと存じます。

 

終わり。

釣り 明石太郎編1

 

「……あ、あつすぎる」

 

「釣りにおいて、天候というものはモチベーションに関わる。雨風の強い日が最もやる気を削いでくるが、容赦ない日差しもまた釣り人の心をへし折るというもの…」

「こんなことなら染瀬のことは無視して部屋で療養してるのだった!」

 

実はこの日”五月病”に罹った明石太郎は、染瀬清一の助言により、気晴らしに海へ釣りに来ていた。

 

ー1週間前ー

 

「病気だ病気だ!僕死んじゃう!」

明石太郎は大げさに叫びながら102号室の扉を叩いた。

ドンドン!「おい、いるか染瀬」

 

すると、ものの数秒で扉が開き、腰にタオルを巻いた染瀬が出てきた。

 

「どうした明石君?」

 

「どうもこうもない!病に罹った!」

 

「えっ!」「ど、どこか痛むのか?」

 

「体がだるくて、やる気が起きないんだ!」

 

「倦怠感ってこと?熱はあるのかい?」

 

「いや、どっこい平熱さ。体調も特に悪い所は見当たらない。しかし、やる気が起きない!」

 

「なるほど…」

染瀬清一は少し考え、おもむろに口を開いた。

「……それ、五月病じゃない?」

 

「五月病!?そんなわけあるかい!」

もっと重篤な病だ!と、言わんばかりにぐちゃぐちゃと喋りはじめた。

 

「私の心身の疲れを知っておるのか!体は日々の勤めで疲れ、将来や日本の行く末を思うと心は沈んでいくばかり。最近はメランコリーな明石君って呼ばれているんだぞ!」

 

染瀬清一は呆れ顔をしていた。

「……まあ、取り敢えず元気そうだし、また何かあったら訪ねてきてくれ」

「じゃ!」

 

「おいっ!!」

「無二の親友が困っているというのに、あっさりしすぎではないか!?」

「もっと親身になれ!頼っているのだぞ!この鬼!悪魔!与太郎が!!」

 

「わかったわかった!わかったから待て!取り敢えずお風呂の続きを終えたら親身に聞くから」

 

「そうだ。それでこそ親友だ!」

 

得意げな表情の明石太郎をコンセントの抜けたこたつに入れ、染瀬清一はぺたぺたと浴室へと戻っていった。

 

~数分後~

 

「おい、起きろ明石君」

 

「お…やあ、上がったか我が友よ」

 

「なにが我が友だ、ちゃっかりこたつをぬくくしよって」

 

「てへへ」

 

「まあ良い」

「考えたんだが少し自然の空気でも吸ってくるっていうのはどうだい?」

「例えば海釣りとか」

 

「ほう、釣りか!それはよいかもしれない」

「しかし私、釣り竿なんて持ってないぞ」

 

「そこは任せてくれ」

 

 

かくして時間は現在に戻るのだった。

 

前編完

 

 

おまけ1

 

まずはお嬢様、ここまでご覧いただきありがとうございます。

 

楽しみにお待ちいただいていたお嬢様、大変お待たせいたしました。

少々短い文章ではございますが、楽しんでいただけたなら幸いでございます。

 

おまけ2

 

「前編完」

この文字に不安を募らせたお嬢様もいらっしゃるのではないでしょうか?

なぜなら、現状おまけコーナーのネタと化している「変身」が一向に更新されていないからです。

 

しかし、そこはご安心あれ!

今回の物語はそこまで長い文章ではなく後編で完結する予定でございます。

また、もうすでに半分くらい書き終えておりますゆえ、次の掲載までさほど時間はかからないと存じます。(……恐らく)

 

で、ございますので大船に乗った気持ちでお待ちくださいませ!

(もちろん変身も頑張ります)

 

 

 

終わり。

今年の思い出

 

最近鑑賞した映画は第一作目の「男はつらいよ」明石でございます。
「男はつらいよ」シリーズはいくつか拝見しておりますが、どの回を見ても寅さんは格好良い男でございます。(少し憧れております)

さて今回は年の瀬ということで、今年の思い出を少しだけ”ゆる~り”と振り返ろうかと存じます。(変身は”いつもの如く”ということで、、、)

ではまず私が11月頃に足を運んだこの場所!

ご存じでしょうか??

そう、あの浦和レッズの本拠地でもある日本有数のサッカー専用スタジアム
「埼玉スタジアム2002」でございます!

前回のブログでも少しだけ触れましたが、なんとこの日は私が応援している鎌田大地選手が所属しているドイツのチーム「アイントラハト・フランクフルト」が来日しており
メンバーを一目見ようと訪れました。

実は埼玉スタジアムに足を運んだのは今回が初めてだったのですが、陸上トラックがない分、観客席からコートまでが近く、とても観戦しやすかった印象でございます。

機会があればまた行ってみとうございます!

続いての思い出はこちら!

福島県福島市にある活火山「吾妻小富士(あづまこふじ)」でございます。

この日は天候にも恵まれ、大自然を楽しんでまいりました。
その中でも特に壮観だったのは頂上に位置する火口でございます!直径約500mほどで、思わず息を呑む大きさでございました。

海も良いですが山もまた魅力的でございます。

では次が最後でございます!

釣り遠征で訪れた夏の伊豆でございます。
残念ながらこの時は釣果に恵まれず、狙っていたお魚を釣ることは出来なかったのですが、釣りに最適なポイントがいくつもございましたので、いずれまた挑戦しとうございます!その時こそはお写真にて最高のお魚達をお届けいたします!

こう振り返ると今年も楽しき一年でございました。

個人的に色々なところに足を運べたり、お屋敷ではお嬢様と色々なお話をさせていただいたり、多くの思い出が今年もございました。

来年はどんなことが待ち受けているのかとても楽しみでございます。

それではお嬢様、良いお年をお迎えくださいませ!

完。

おまけ

ワールドカップのご感想を伝えてくださる機会が多く嬉しゅうございました!
12月はクリスマスフェアもありバタバタしておりましたので、少ししかお話出来なかったのですが、本来であればもっともっと深く深く切り込んで語りとうございました。

個人的にはとても楽しめたワールドカップでございましたが、ただ一つ心残りなのが、私が応援している選手が普段の力を出し切れていなかったところでございます。
(選手本人も、そうコメントしておりました)
また4年後に期待でございます!

終わり。

アカっちFC ワールドカップ編

???:全国のサッカーを愛するファンの皆様お久しぶりでございます。実況のアカシJでございます。
J(視聴者の方々ヘ):ついにこの時間がやって参りました!
、、、、そう

”FIFAワールドカップ”でございます!!!!

J(視聴者の方々ヘ):今回は、来(きた)るワールドカップに向けて、開催地・現日本代表・対戦国という3つのキーワードを中心に、元サッカー日本代表”明石次郎氏”をゲストに迎え、お話させていただきます。

J:次郎さん、今回もよろしくお願いします。
次郎:お願いします。

J:次郎さん、どうですか今回のワールドカップ。対戦国やメンバー発表も終わりましたが。
次郎:いや~、、中々ハードだね(笑)
J:なるほど、それはやはり「予選の組み合わせが」ということでしょうか?
次郎:まあそれもありますが、まず選手のスケジュールが厳しいよね。

J(視聴者の方々ヘ):そうなんです。
J(視聴者の方々ヘ):実は今までのワールドカップは6月から7月にかけて行われてきたのですが、今回の開催地「カタール」では、その期間、気温が非常に高く(平均気温は40℃を超える)危険であるということで、異例ともいえる11月に開催されるのです。

J:スケジュールが厳しい理由は、やはりヨーロッパで活躍してる日本の選手が増えてきた、ということでしょうか?
次郎:その通り!ブンデス(ドイツ)、プレミア(イギリス)、リーガ(スペイン)。
さらにはフランスやポルトガル、ベルギー等、幅広い国で日本人選手が活躍していますからねえ。欧州というレベルの高い環境にこれだけ多くの日本人選手が所属しているのは素晴らしいことですよ!

J:ただ今回のワールドカップでは選手にとってそれが難しい方向にも動いていると、、
次郎:そうです。11月といえばヨーロッパ各国のリーグはシーズン真っ只中ですから。シーズン中というのは怪我や疲労が付き物。
J:確かに。現に「日本の○○選手が怪我をした!」というニュースも最近多いですよね、、、

次郎:しかも追い打ちをかけるようにCL(※1)やEL(※2)にでるような強いチームはワールドカップの影響で過密日程になり、週に2試合というのも少なくない。選手のコンディションをケアするのも一苦労だと思いますよ。

J:そういえばグアルディオラ監督(※3)が「いずれスタッフの何人かが試合にでるかもしれない」とか「次の試合では私もユルゲン(※4)もプレーしなければならないだろう」なんて皮肉交じりに言ってましたね(笑)
次郎:彼らしいな(笑)
J:まあそれだけ今年は難しいシーズンということですね。

J(視聴者の方々ヘ):ではCMのあとは日本代表選手に焦点を当て進めていきましょう!

※1:チャンピオンズリーグ(CL)。欧州各国の上位チームだけが出場できる世界最高峰の大会。ワールドカップ優勝よりもCL制覇を夢にする選手も少なくない。

※2:ヨーロッパリーグ(EL)。CLほどではないが、こちらもトップレベルの大会。CLに僅かに届かなかった欧州各国の強豪チームが出場する。
ちなみに去年のEL優勝チーム、ドイツの”フランクフルト”には鎌田大地選手と長谷部誠選手が所属しており、両選手とも優勝に多大な貢献をした。

※3:ジョゼップ・グアルディオラ。マンチェスター・シティFC(イングランド)の現監督。「今現在最高の監督は誰だ!?」と言ったら、多くのサッカーファンが真っ先に思い浮かぶであろう監督の一人。ちなみに選手としても過去に素晴らしい成績を収めている。

※4:ユルゲン・クロップ。リヴァプールFC(イングランド)の現監督。彼もまた現在の最高の監督の一人。愛すべき人柄や、香川真司選手や南野拓実選手を指導した過去もあることから日本人のファンも多い。

CM

BGM:ジャカジャカジャカジャンジャンジャン

○○選手(シュートした後、おもむろに口に入れながら):僕がシュートを決められるのは、この”サムライブルーベリーケーキ”のおかげ!!皆もサムライブルーに染まってワールドカップを応援しよう!

ナレーション:令和明石製菓は日本代表を応援しています!

ジャカジャカジャカジャンジャンジャン(音楽)

CM終わり

J:はい。では続いて日本代表にスポットを当て参りましょう!次郎さん、今回のメンバーは如何ですか?
次郎:いやー、すごいよねー。こんなに海外で活躍する選手が増えるとは。我々の時代じゃ考えられなかったよ。

J(視聴者の方々ヘ):ではここで今回選ばれた選手たちを見てみましょう。

背番号 名前 所属チーム

ゴールキーパー

1 川島永嗣選手  (ストラスブール/フランス)
12 権田修一選手 (清水エスパルス/日本)
23 シュミット・ダニエル選手 (シントトロイデン/ベルギー)

ディフェンダー

2 山根視来選手 (川崎フロンターレ/日本)
3 谷口彰悟選手 (川崎フロンターレ/日本)
4 板倉 滉選手  (メンヘングラートバッハ/ドイツ)
5 長友佑都選手 (FC東京/日本)
16 冨安健洋選手 (アーセナル/イングランド)
19 酒井宏樹選手 (浦和レッズ/日本)
22 吉田麻也選手 (シャルケ/ドイツ)
26 伊藤洋輝選手 (シュツットガルト/ドイツ)

ミッドフィルダー&フォワード

6 遠藤 航選手  (シュツットガルト/ドイツ)
7 柴崎 岳選手  (レガネス/スペイン)
8 堂安 律選手  (フライブルク/ドイツ)
9 三笘 薫選手  (ブライトン/イングランド)
10 南野拓実選手 (モナコ/フランス)
11 久保建英選手 (レアルソシエダード/スペイン)
13 守田英正選手 (スポルティング/ポルトガル)
14 伊東純也選手 (スタッド・ランス/フランス)
15 鎌田大地選手 (フランクフルト/ドイツ)
17 田中 碧選手  (デュッセルドルフ/ドイツ)
18 浅野拓磨選手 (ボーフム/ドイツ)
20 町野修斗選手 (湘南ベルマーレ/日本)(中山雄太選手が負傷の為、追加招集)
21 上田綺世選手 (セルクルブリュージュ/ベルギー)
24 相馬勇紀選手 (名古屋グランパス/日本)
25 前田大然選手 (セルティック/スコットランド)

J:今大会は従来より3人多い26名とはいえ(コロナウイルスの影響により)、前回大会より多い19名が海外組ですね。

次郎:もちろん海外移籍が全てではないですが、素晴らしいことです。なぜならワールドカップにおいて、各国の外国人選手たちと普段から対戦しているというのは大きなアドバンテージですから。

J:では海外組の方が有利ということですか?
次郎:いや、実は一概にはそうとも言えません。例えば鎌田大地選手は今シーズン出場機会も多く、かなり活躍しております。しかし裏を返せばそれだけ海外でも注目され、対策されてしまうということ。また彼がプレーしているブンデスリーガ(ドイツ)には
初戦で戦うドイツ代表の選手が数多くプレーしていますからね。ドイツの選手たちは彼を一番に警戒してくると思いますよ。まあそれでも活躍してくれるという期待をしてしまうのが鎌田選手でございますが(笑)

J:なるほど。
次郎:そういう意味では追加招集された町野選手が一番活躍するかもしれませんよ。
J:いやー、ますます日本代表がどういうメンバーで挑むのか気になるところですね!

J:他にはどの選手に注目していますか?
次郎:そうですね、、、個人的には伊藤洋輝選手と伊東純也選手ですかね。
J:字は違えど二人とも「いとう」ですね。
次郎:確かに(笑)
J:ちなみに、どういったところに注目していますか?

次郎:まず伊藤選手はチームでセンターバックや左サイドバックでプレーすることが多く、長身でありながらスピードもある選手です。また彼の強みである後方からのロングパスは一気に相手を脅(おびや)かす武器になると思います。彼も普段からヨーロッパの強靭な選手たちと鎬を削っているので、私はスタメンに選ばれてほしい一人ですね。

次郎:そしてもう一人、伊東選手は快速のアタッカーで現在フランスで活躍しております。最近では「イナズマ純也」なんてあだ名も付いており、彼のドリブルは、スピード自慢の外国人選手を置き去りにする、なんてことも珍しくありません。そして敵をかわした後の右足からの正確なパスや、外側から内側に切り込んでの強力なシュートも彼の魅力の一つです。

J:いやー、私も彼らのプレーに注目して見てみます!

J:では次郎さん、もう一つ。日本選手のコンディションについてお伺いしてもよろしいでしょうか?
次郎:はい。

次郎:そうですね、今日本代表が抱える大きな悩みの一つではないでしょうか。悔しくも代表を辞退することになった中山選手を始め、怪我や体調不良で今シーズン何度か試合を休んだ選手も多く、中にはワールドカップ前に復帰していない選手もいます。(所属クラブや日本代表の医療チームによるとワールドカップには間に合う予定だそう)

次郎:もちろん最終的に試合にでるかどうかは選手自身の思いが大切ですが、まだまだ若い選手も多いので決して「無理だけはしないでほしい」というのが本音です。
J:そうですね、ワールドカップはまた4年後もありますからね。

J(視聴者の方々ヘ):では最後に対戦相手。また、今回の感想を次郎さんに伺っていきます。

J(視聴者の方々ヘ):その前にCMをどうぞ!

とあるアパートの一室

TV音:「ジャンジャカ、、」
「このサムライブルーベリーケーキの、、、」
「応援して、、、」

顔から阿保が滲み出ている男:ほー!?最近ではこんな面白そうなケーキが発売されているのか!!しかもプロサッカー選手のコンディションにも一役買っており、しかもしかも侍の名が冠している、、、

顔から阿保が滲み出ている男:これは私にぴったりではないか!!!おい染瀬!これから買いに参るぞ!!!

CM終わり

J(視聴者の方々ヘ):ではまず3つめのキーワード「対戦相手」について伺う前に、ワールドカップの概要についておさらいしていきましょう。

J(視聴者の方々ヘ):まず各大陸ごとに選ばれた(各国が大陸ごとに予選をし、出場国を決める。例:日本=アジア予選・ブラジル=南米予選)32ヵ国(次回からは48ヵ国)を、4ヵ国ずつ8つのグループに分けます。そして各グループごとに総当たり戦を行い、成績の良い上位2チームが決勝トーナメントに進みます。

J(視聴者の方々ヘ):つまり日本の最初の目標は、「まずグループリーグで2位以上」ということです。ただ今回は、、、

次郎:そう、ドイツ・スペインと同グループになってしまった、、、

次郎:ワールドカップでは毎年、世界の大手ブックメーカーが各国の評価を基に優勝予想をオッズにして発表するのですが、スペインが上から5番目で9.5倍、ドイツがその次で11倍、そして日本は上から25番目の251倍、、(1位はブラジルで5倍)

J:なるほど、、世界で活躍する日本人選手が多くなったとはいえ、世界から見るとまだまだこのくらいの差があるということですか。
次郎:そういうことです。

次郎:ただまあこの結果もあくまで予想ですし、一回限りの勝負となると、結果はどちらに転ぶか分かりません。それに日本代表も対戦国が決まってから、相当の準備をしているはずですから、簡単には終わらないはずです!

J:実際のところ次郎さんは、ドイツ・スペインと同グループになってどうお考えですか?日本は勝ち上がれるでしょうか?

次郎:そうですね、ワールドカップという本気の舞台でドイツ・スペインという強豪国と戦えるのは貴重な経験なので悪い組み合わせではないと思います。恐らく選手たちも楽しみにしていると思います。ただ、日本代表が掲げる目標「新しい景色・ベスト8」を達成するには中々に厳しい相手ではあります。

J:グループリーグを突破するための”カギ”になる試合はどこでしょうか?
次郎:そうですね、初戦のドイツ戦はとても大切です。ここを引き分け以上で終えれば予選突破の確立がグッと近づくと思います。

次郎:それと2試合目のコスタリカ戦も重要ですね。ここは必ず勝たなければいけません。日本代表もこの試合は攻撃重視の戦略をとると思います。
次郎:ちなみに私は、このカードは日本に分があると見ています。実際に4年前とはいえ、前回対戦した時は日本が3対0で勝利しましたから。日本の選手も良い印象を持っていると思いますよ!

次郎:そして最後に3試合目のスペイン戦。ここが一番難しい試合になるかもしれません。2試合を終えた疲労。さらに、それまでの結果によって戦い方を変えていかなければなりませんので!

J:なるほど、、、つまり全試合大切ということですね(笑)
次郎:そういうことです(笑)

J:では最後に次郎さん、今回ワールドカップについて話してみて如何でしたか?

次郎:はい。まずは前回のオリンピック編に引き続き、ゲストとして呼んでいただきありがとうございます。全体的に広く浅くキーワードに触れてお話出来たのは良かったかなと思います。

次郎:ただ、日本代表の魅力を伝えるよりも、日本代表に立ちはだかる”壁”を話過ぎて視聴者の方々に「ワールドカップ、予選突破は難しいのかな?」という印象を与えてしまったのではないかと少し反省しております(笑)

次郎:しかし、私もJさんも日本代表が勝ち上がってくれるというのは信じています!なので皆様も日本代表を応援していただき、楽しみにして頂ければなぁと思います。

J:改めて次郎さん、今回もお忙しい中来ていただき、ありがとうございます。
次郎:こちらこそありがとうございます!また機会があれば是非、呼んでください!

J:はい!もちろんです!

J(視聴者の方々ヘ):そして、ここまで見てくださった視聴者の方々もありがとうございます。ワールドカップ、日本の初戦は日本時間11月23日の22:00から始まります。是非そちらの方もご覧いただければと思います!

J(視聴者の方々ヘ):では、最後はこの言葉で終わりたいと思います。

J&次郎:頑張れ日本!!

番組終了。

 

と、言うことで読破していただいたお嬢様、誠にありがとうございます。

前回からおよそ2ヶ月ぶりのブログ更新、、、

「待ちわびた!」という数少ない個性てk、、、な、お嬢様。大変お待たせいたしました!
次は極力早めにお届けできれば(できたらいいなぁ、、、)と存じます!

改めて、ご覧いただきありがとうございました!

おまけ1

サムライブルーベリーケーキをお召し上がりいただいたお嬢様、これからお召し上がりいただく予定のお嬢様、とてもとてもありがとうございます!

おまけ2

、、、、、、、、、、へ、変身

は、時間をかけてでも書かせていただく所存でございます!

おまけ3

最近嬉しかったことは先日フランクフルト(鎌田大地選手が所属しているチーム)を生で拝見できたことです。その時はワールドカップに選ばれている選手は来ていなかったので鎌田選手はいませんでしたが、長谷部誠選手そして個人的にはティモシー・チャンドラー選手を拝見できたのが嬉しかったです。

終わり。

映画~迷いの続き~

 

お嬢様如何お過ごしでございますか?明石でございます。

前回に引き続き今回も映画について書かせていただきます!
(じ、次回こそ変身を!!)

ということで早速、前回の続き第6位から!!
(今回もお嬢様から教えていただいた映画は除いております)

第6位  ジャンル コメディ

「お熱いのがお好き」

ついにきましたか!ビリー・ワイルダー監督の作品が、、、
私、過去のブログで書いたかもしれませんが、この方の作品が大好きでございまして、迷ったあげく”コメディ”で挙げさせていただきました。(とは申しましても候補作品にもたくさん挙げておりましたが、、それと先に言ってしまうと、実は第2位も彼の監督作品でございます!)

是非、笑いや清々しさを求めてらっしゃるお嬢様にはご覧いただきたい映画でございます。あと、かの有名なマリリン・モンロー氏の魅力もこの映画で初めて分かりました。

コメディ映画の候補作品

「モダン・タイムス」「あなただけ今晩は」「俺たちは天使じゃない(1989年制作)」
「スティング 」「男はつらいよシリーズ」等

第5位  ジャンル アクション

「椿三十郎」

これまたどこかのブログでちょこっと書かせていただいた監督、黒澤明氏の作品でございます。

黒澤明といえば日本史上最高の監督との呼び声も高く、素晴らしい作品の数々は日本のみならず海外でも高く評価されており、影響を受けた外国の映画監督も少なくありません。

例えば「スター・ウォーズシリーズ」でお馴染みの「Cー3PO」と「R2ーD2」は映画「隠し砦の三悪人」のとある登場人物をモデルにしていたり、マカロニ・ウェスタンの金字塔「荒野の用心棒」は映画「用心棒」から着想を得たとされております。

そして今回私はそんな黒澤明氏の映画の中でも一番大好きな「椿三十郎」をアクション部門で選ばせていただきました。俳優、三船敏郎の格好良さは男の憧れでございます。

アクション映画の候補作品

「用心棒」「プロジェクトA」「パルプフィクション」
「マッドマックスシリーズ(1、2、怒りのデスロード)」等

第4位  ジャンル ドラマ

「ショーシャンクの空に」

今回様々なジャンルの中から一番と言える作品を選んでおりますが、一番迷ったのがこの”ドラマ”でございます。理由と致しましては、私が好きな映画のジャンルがいわゆるヒューマンドラマというのもございますが、一番はドラマ映画かどうかの境目が難しい所でございます。
調べてみるとドラマ映画というのは「人間関係の発展」「ドラマティックなテーマ」「心の葛藤」などを扱う作品らしく(ウィ○ペディア参照)言ってしまえば前述した、いくつかの作品にも当てはまっているような気が致します。
なので今回は候補作品と併せて強引に決めさせていただきました。

そしてなぜその中でも「ショーシャンクの空に」を選んだのか。実は私、この映画を初めて鑑賞したのがつい最近でございました。

今までにこの映画を見たという方々から感想を聞く機会があったのですが、ほぼ全ての方が絶賛されており、さらによくある映画ランキングなどでも、よく上位に挙がっておりました。

拝見する前からそこまでの評価を聞くと、嫌でも期待が膨らんでくるものでございます。だんだん私も「せっかくなら良きシチュエーションで見たい!」と、思いはじめました。すると今年、なんと「ショーシャンクの空に」が4Kデジタルリマスター版で劇場公開されたのです!
私は大きな期待を胸に劇場へ参りました。そして見終わった後思いました。

「大スクリーンで見れて良かった!!!(感涙)」と、、、(実際には泣いていませんが)
まあ何にせよ、あれほどの期待をしっかり超えてくる作品はそう多くは無いかと存じます!
(ただ一つ残念だったのは大きなネタバレを鑑賞する前から知ってしまっていたということです。1994年公開なので仕方がないといえばそれまでですが、、、)

ドラマ映画の候補作品

「カッコーの巣の上で」「グラン・トリノ」「スリー・ビルボード」「セッション」
「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」「フォレスト・ガンプ/一期一会」等

第3位  ジャンル SF

「インターステラー」

SF。つまり空想科学を題材にしたジャンルでございます。未知の生物、超次元的能力、タイムトラベル、そして宇宙、、このカテゴリーにも数多くの名作がございます。
ただ私はSF映画でいうならば古い作品よりも比較的新しい作品の方が好きになる傾向がございます。
それはなぜか?
これはあくまでも主観でございますが、SF映画で感銘を受けるポイントとしてストーリーの他に、自分では思いつきもしない未来へのイメージと、それをいかに美しい映像で表現できるかも大切だと考えております。

つまり今まで思いつかなかった発想はもちろんのこと、過去にあったアイデアでも技術力の上がった現代で制作した映画の方が視覚的に感動しやすい気がするからです。(無論、2001年宇宙の旅やブレードランナーのような、その枠に収まらない映画もございますが、、、)

そしてこの「インターステラー」でございます!
初めてこの映画を見たときの衝撃は今でも忘れられません。
監督クリストファー・ノーラン氏の頭の中は一体どうなっているのかと、、
宇宙で起こるあの有名な現象をああいう風に映像で表すとは、、
そしてあのシーン、、二回目の鑑賞でも涙が流れました。(今回は実際に泣きました)

SF映画の候補作品

「インセプション」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「第9地区」
「ターミネーター2」「未来世紀ブラジル」

お嬢様ついに3位~10位まで完成いたしました!

残すこと2位、そして1位のみでございます!
しかもここからはすでに決まっておりますゆえ、気楽なものでございます。

ではあまりもったいぶってもしょうがないので早速!

第2位

「アパートの鍵貸します」

こちらは先ほども触れたビリー・ワイルダー監督の作品でございます。

何が良いのかと申しますと、まずビリー・ワイルダー氏の作品(コメディー色の強い作品)は総じて爽やかで不快になることがございません。
そして何と言っても演出やセリフ回しがすごくお洒落でございます。特にセリフは間違いなく真似したくなります。

それと忘れてならないのが主人公ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの名コンビぶりでございます。この二人の何が私の心に響いたのかは分かりませんが、この二人が演じる役柄の表情からは、常に魅力が溢れ出ている気が致します。ちなみにコメディ映画の候補にある「あなただけ今晩は」にもこの二人が主役として出演しております。

なぜビリー・ワイルダー作品の中でこの映画が一番好きなのかは自分でも良く分かりません。細かく考察すれば好きなポイントが論理的に解るかもしれませんが、今回はやめておきます!

では次が最後の作品でございます!

第1位

「ペーパー・ムーン」

この作品はとある詐欺師の男と母親を亡くした少女が織りなすロードムービーでございます。
私はこの映画を初めて見たとき、今までで一番好きかもしれないと純粋に思いました。
もちろん今もその気持ちは変わりません。

この映画の魅力を一つだけ伝えるとするならば、少女アディを演じる女優テータム・オニールでございます。
当時まだ10歳だったこの少女の演技力には、老若男女全ての人々を笑顔する力があり、この映画を見終えたあとに、この少女が史上最年少で助演女優賞を受賞することに異を唱える人は恐らくいないことでしょう。

「アパートの鍵貸します」にも言えますが、私は難しいことを考えずに優しい気持ちで見れる映画が一番合っているのかもしれません。

(ちなみにテータム・オニール氏が出演している「がんばれ!ベアーズ」という作品もおススメでございます)

いやいや、ついに私の映画ベスト10が決まりました。

これで「好きな映画10個挙げるとしたら何!?」という質問が来ても、淀みなく答えることができます!

一応、1位~10位までをもう一度並べると。

1位 「ペーパー・ムーン」

2位 「アパートの鍵貸します」

3位 「インターステラー」

4位 「ショーシャンクの空に」

5位 「椿三十郎」

6位 「お熱いのがお好き」

7位 「ノーカントリー」

8位 「ゴースト/ニューヨークの幻」

9位 「マイ・フェア・レディ」

10位 「容疑者Xの献身」

素晴らしい、、
ジャンル別に選んでいるのでバラエティに富んでいるのも高評価でございます!

是非お嬢様も自分だけのベスト10を作ってみてくださいませ!

後編完

今回も長きにわたり私の阿呆な考えに付き合っていただき誠にありがとうございます。
また機会があれば違う形で映画について書くかもしれません。

少しでも楽しんでいただけたならば、幸いでございます!

おまけ 最近、野菜ジュースを飲んでおります。

終わり。

映画~迷い~

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。明石でございます。

今回はタイトル通り”映画”について書かせていただきます!
(変身はまた後日ということで、、、)

突然ですがお嬢様方はこの質問になんと答えてらっしゃいますか?

「一番好きな映画は何ですか?」

、、、恐らく迷ってしまうのではないでしょうか?

この世界には素晴らしい映画が溢れており、ナンバーワンを決めることは中々に難しゅうございます。かくいう私もその一人でございました。

しかし近年!私はその質問に100%自信を持ってお答えできる映画に巡り合うことができました。しかも1位のみならず2位の作品にも出会うことができました。
(その作品は後ほど発表させていただきます)

では一体、私は何に迷っているのか。それは、、、

”好きな映画ランキングベスト10”(3位~10位)

で、ございます!!!

いや~、ナンバーワンが決まると次はベスト10を作りたくなってしまうのは人の性でございます。
しかしこれが、考えれば考えるほど迷ってしまい、一向に決まらないのです。
そこで私はあるルールを付け加えました。それは”1ジャンル1作品ルール”

つまりジャンルごとに一作品ずつ代表を選出し、その中でベスト10(3位~10位)を決めるというものでございます。

ということで今回は!
「1ジャンル1作品でベスト10ランキングの3位~10位までを作ろう!」のコーナーでございます!!

まずは1位と2位を抜いた8つのジャンルでございますが。

アクション映画・コメディ映画・ミステリー(推理重視)映画・ドラマ映画

ロマンス(恋愛)映画・ミュージカル映画・サスペンス、スリラー映画・SF映画

この8つで参りたいと思います!
ちなみに「今回なぜこの映画を選出したのか?」等の説明はネタバレを極力避けるためあえて(感想をお伝えするのが、にがt、、、)省かせていただきます。

(それと今回はお嬢様から教えていただいた映画は除いております)
では早速!

第10位 ジャンル ミステリー(推理重視)

「容疑者Xの献身」

この作品は、かの有名な小説家である「東野圭吾」氏のガリレオシリーズを映画化した作品で、小説もさることながら映画の評価も高く第32回日本アカデミー賞では優秀作品賞に選出されております。

ちなみに主人公の湯川学はとても風変わりで濃いキャラクターなのですが、もしかしたら小説も映画もご覧になったことのないお嬢様でも知っているかもしれません。
なぜならば、、、、(ヒント、パンダ)

ミステリー(推理重視)映画の候補作品

「裏窓」「金田一耕助シリーズ(石坂浩二氏主演)」「情婦」等

第9位  ジャンル ミュージカル

「マイ・フェア・レディ」

今回ジャンルごとに一作品ずつ選ぶ過程も難しかったのですが、この作品だけはすぐに決まりました。一体なぜか、それはこの作品以外ミュージカルというジャンルは全くと言っていいほど見てこなかったからです。

しかし、雨に唄えば、ラ・ラ・ランド、サウンド・オブ・ミュージック等、このジャンルも名だたる作品がございますので、これを機に敬遠していたミュージカル映画も鑑賞してみようかと存じます。

それとこの「マイ・フェア・レディ」でございますが、少々女性蔑視な表現もございますので、苦手な方は気を付けてご覧くださいませ。

ミュージカル映画の候補作品

無し

第8位  ジャンル ロマンス(恋愛)

「ゴースト/ニューヨークの幻」

ネタバレになってしまうので多くは書けませんが、ゴーストの文字が気になりますが怖くはございませんのでご安心を!

それと少しだけ選出理由を語るなら、とても泣いてしまったからでございます。
どこかで申したかもしれませんが、ラブストーリーは一人で鑑賞してはいけないということを、しみじみ感じた作品でございます。
是非、友人、ご家族、そして素敵な方とご覧くださいませ!

ロマンス(恋愛)映画の候補作品

「ローマの休日」「昼下がりの情事」「カサブランカ」等

第7位  ジャンル サスペンス、スリラー

「ノーカントリー」

今回このジャンルを選ぶにあたって、「人間の怖さ」に焦点を当てて選出させていただきました。作中に登場する「シガー」というキャラクターは底の見えない狂気を感じさせ、何事にも動じない冷静な立ち振る舞いが、さらに狂気を助長させております。

勿論ストーリーも見ごたえがございますので、是非ご覧くださいませ!

サスペンス、スリラー映画の候補作品

「羊たちの沈黙」「サイコ」「ゴーンガール」

前編完

お嬢様、今回もとても長引きそうだったので、勝手ながら前篇と後篇に区切らせていただきます。

次のブログは今回の続きか、変身の続きを書くかと存じますので、楽しみにお待ちいただければ幸いでございます。

おまけ。 この夏にもう一度、釣りをしに海へ行くかもしれません!!!

終わり。