ゲームプレイを終えて。

 

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。

先日アフターイベントが終わりました。

 

舞台や動画でお話した内容もございますが、ここで一区切りでございます。

私は普段ティーサロンには立ちませんので、近くて遠いところにいる仲間たちと。

共に過ごした旅行記をつれづれなるままに記しておこうと思います。

 

はじめ初稿が上がった時の印象は

…「あかわいんさんきゅう?え?」でございました。

 

いやいや、赤ワインって!

冗談でしょう。

あれ?他のメンバーは真面目で、現実にありそうな名前だぞ!?

という戸惑いがございました。

 

私が伊織に誘っていただいて脚本を書いていただくにあたって、僭越ながら出した希望は2つでした。

1つは的場本人役でないこと。

もう1つは衣装がいつもと違うこと

(13回公演では私はいつもの格好の関西色が強い的場役でございました。)

 

…オーダーが通ってはいるけど!

 

設定資料集でも書かれていた通り、初めは私、超重要人物でした。

ちょっとだけ内容をお話ししますと、ゲームの世界にいながらにして現実の世界も見通せるスーパー破戒僧だったのでした。

 

初回の写真撮影があった日のこと。

頑張って澄まし顔で「何でもお見通しだぜ?」という顔で撮影を行っている私のところに作家先生…あ、作家先生役の隈川ではなく脚本家先生の伊織がやってきました。

「的場さんの設定が結構変わります」

え!じゃあ今日はどういうキャラクター設定で撮られればいいんだい!?先生!

伊織先生は第二稿と格闘中でしたので、少し悲しそうに笑って立ち去るのでした。

 

第二稿が上がってからは悩み三休と向き合い…の連続でございました。

的場と近しいところもあり、違う人物でもあり。

「普段と違うカッコよさを演じてくれ」というオーダーも難しかったですし、逆に普段真面目な?私に「もっとふざけてくれ」という注文にもまた「こんなにふざけてていいのか!?」と戸惑う時もございました。

 

何よりダンスが本格的!

13回公演の時よりも自然に歌劇団にダンスが息づいていて、格段にレベルが上がっておりました。

最初は何をやっているのかすらわからず、桐島と絶望感に打ちひしがれたのを覚えております。

 

稽古期間は3ヶ月ほどでございましたが、半分くらい過ぎた時に三休との対話も一段落してまいりました。

まだ全容を語ることができない本番前に、執務中に三休が出てこないように注意したりするのも大変でした(これは漏れ出てしまった場面もあったかもしれません)。

普段お嬢様にお仕えする中でも活きてくるような感じがして、三休に学んだことも多くございました。

「悩みがあったら何でも聞くぜ?」のスタンスは使用人として大事な部分であるなぁと考える次第でございます。

 

また、何回も申し上げるようですが初の自身の楽曲を隈川が作ってくれました!

これは何にも代えがたい喜びでございました。

デモ楽曲から文句の付けどころがない!

能見的場のアホみたいな…ゴホンゴホン。

少年部分を大舞台で演じることができることはこの上ない喜びでございました。

これば本人にも百回以上伝えてはおりますが、感謝してもしきれないことでございます。

 

能見とのシーンもたくさんございましたね。

日替わりの漫才も楽しく作ることができました。

般若湯(作中でも度々出てくるお酒の仏教語)を酌み交わしながら出てきたアイデアは10を越えました。

楽しんでいただけたでしょうか?

 

お化粧やメイクは百合野と隈川が親身になって教えてくれました。

普段から舞台に立つ使用人として、今まで苦心して正解を見つけてきたのだろうな、と感じます。

歌もそうですが二人とも本当に教え方が優しい!

バンドゥールの責任者として見習わなければ!

という学びがたくさんございました。

 

これは度々他のメンバーからも出てくる話ではございますが、古谷、影山の素振りの数は凄い!

私も単純作業や地道な鍛錬が得意な方かな、と思っておりましたが二人のストイックレッスンを見ていると自身が凡人なのだな…と思い知らされました。

稽古が終わってもとにかく自主練習!4時間でも5時間でも!

そりゃあコンサートも盛り上がるわけだ!と私は毎度舌を巻くのでした。

 

本番前には実寸稽古があったり、数日前には小屋入りがございました。

寝泊まりしたわけではございませんが、ほとんどみんなで一緒に過ごしておりましたので、何だか合宿のような、小旅行のような気分でございました。

本番が近づくにつれて緊張感が高まったかと言われれば、もちろんゼロではないにせよ、ほとんど緊張よりは「楽しい!」が勝っておりました。

一人で作っているのだとしたら不安で一杯だったかと存じますが、実力申し分のない心強い仲間が作った作品でございます。

「本番が怖い!」というよりも「早くご覧いただきたい!」が強い気持ちでございました。

 

小屋入りをしてからは舞台・大道具が完成しており、映像をテストで流しているのを拝見しているとまるで本当のゲームのようでございました。

もうここまで来ると衣装着用の機会が格段に増えてまいりますので、稽古の映像を見返すと本当にゲーム画面みたい!ゲームからキャラクターが飛び出してきたみたい!と、ただの「スイートオンユー」のファンのようになってしまいました。

いかんいかん!これからプロのキャラクターとして振る舞わなければ!

 

…いよいよ本番を迎えることとなりました。

ここからは怒涛のように時間が過ぎてゆきました。細かい内容はDVDが出た際にご覧いただくとして、心の動きのみお伝えいたします。

さすがに本番ともなると鼓動が早鳴りいたします。

…ではこれは不安や緊張なのだろうか?もちろんそれもございます。

反対に武者震いであったり楽しみであったり高揚感であったり…。

様々な感情が私のからだ中を駆け巡りました。

本番期間は外界との接触を断たれ、反応は舞台上でしか感じることができないので、何が正解かわからずに迷いながら演じた回もございました。

「桐島がアドリブを入れているから私も変化球を増やしていった方がいいか?」

「もっと変な顔した方がウケるのかなあ」

心に迷いがあると余計なことを考えてしまいがちでございます。

もう舞台が始まった時点で色々な方々が完成させた三休があるわけですから、本来本番で内容を変えるべきではございません。

台本の枠から飛び出したい気持ちを抑えるのが大変な作業でございました。

あとは歌いながら踊るシーンは息が切れました。

平気なフリをするのに神経を使いましたが、疲れが見えないよう、上手にできていたでしょうか?

 

アフターイベントも本番とは違った苦労があって大変でございました。

伊織先生が書き下ろしてくれた三休エンディングの台本を見て私は驚愕いたしました。

…何と愛の言葉を囁く日がやってくるだなんて!

(詳しくは台本にも記載がございますのでちょっと恥かしいのですがそちらをご覧くださいませ。)

私が語るのもおこがましうございますが、こういった芝居はこちら側が照れてしまうと台無しになってしまうのではないか?

と最初に考えました。

初めは台詞を覚えるために山小屋近くの公園で繰り返し唱えるのですが、これには歯が浮いてしまって仕方がございませんでした。

毎日台詞を唱えることによって自分の中で台詞が自然に腑に落ちるよう努めました。

おかげで本番は三休として自然に?演じることができたのではないか?と存じます。

実際どうであったかはお嬢様のご判断にお任せいたします。

 

長くなってしまいましたが、この半年間の私の歌劇団経験の記録を記してまいりました。

私が演じてどうだったのかはお嬢様がご覧になっていただいた通りでございますので、主に心の動きをお伝えいたしました。

秋にはカフェがございますが、一旦私は着物を置いて普通の使用人に戻るといたしましょう。

 

様々な学びを与えてくれた三休にThank youを!

また会う日まで。

それでは本日はこれにて。