野獣生きるべし。

お嬢様お坊っちゃま。
暦の上では夏が終わってしまいましたね。

お屋敷では夏の終わりに遠方からのお客様が多く訪れ、毎日の様にパーティーが行われていましたね。

そんな中、普段はゲートの守りを任されている私ですが、仙場が中国の陶器職人の元を訪れて不在の為、先日少しだけ封印を解き洗熊として洗い場に入りました。

何年かぶりに入った洗い場の何と心踊る事か!
数多のフットマンに下げられてくる食器を獣の如く洗い倒し、綺麗に拭き上げる事によって人様のお役に立てるのです!
何と素晴らしいお役目でしょうか。

今はもうゲートを預かるお役目を仰せつかっておりますので、お嬢様お坊っちゃまの食器を洗って差し上げる機会もなかなかございません。
この先は若人に託したいと存じます。
心技体はウォッシュに宿り、ウォッシュを制する者は世界を制します。
洗い場を経て有能なフットマンが生まれ出ずるのを、私はゲートより見守る事に致します。

但し気持ちは生涯現役でいたいので、大袈裟な肖像画は外しておきました。
仙場には内緒でございますよ?

ウォッシュの虎 的場より