ご自室に居ながらにして登ることができる!バーチャル富士山の記録。

お嬢様、お坊っちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

的場でございます。

 

もう既にご存知の方もいらっしゃるかと存じますが、今年は能見、影山と2年ぶりに富士山に行ってまいりました!

 

例年のごとく馬車で麓まで赴き、シャトルバスで5合目まで向かいます。途中に鹿がおり草を食んでおりました。自然を感じる一時でございます。

天候は悪くなかったのですが、馬車からは富士山を臨むことは叶いませんでした。

今年は前回の「吉田ルート」からはコースを変えて「富士宮ルート」から登ることになりました。

今年も能見がコース設定をしてくれております。能見ありがとう!

さて、5合目から登りはじめてまいります。

今回は山小屋までの時間も前回より短くて済むようでございます。

じゃあ少しは楽になるのかな…。

 

世の中そんなに甘くはないのでした。

「登山時間が短い」ということは「傾斜がきつい」という事。

最初から息が切れる!

6合目に到着する頃には私は既に息も絶え絶えでした。

もはや能見と影山にちぎられながら足を進めてまいります。

6合目までは比較的整備された道だったのですが、どんどん岩場が増えてまいります。

足場が悪い!

しかしそんな中でも日頃富士山を整備してくれている方々の優しさに触れる場面もございます。

霧に囲まれた時、足場が悪い時に道標となるように印を至るところに付けてくれているのです。

とは言え急勾配でみるみる体力は失われてまいります。

やっと次の休憩地点が見えてまいりました。

もう体力は限界を迎えつつあります。

…ん?

「新7合目」だと…?

 

何だか嫌な予感がしてきましたね…。

 

ゼェゼェ言いながら登って行くと私の予感は的中してしまいました。

「元祖7合目」だと!!

 

…これには心を折られてしまう思いでございました!やられた!

だって7の次は8でしょう!

わざわざ富士山に登りに行って言う事でもないのですが、当然我々はゴールを待ち望みながら歩を進めているわけでございます。

7の次が7だなんて…!

さりとて引き返そうにも下界は雲の下。

戻るも地獄でございます。

前に進む以外に方法はない…!

意識が朦朧としてきながらも登ってまいります。

8合目に辿り着きました!

しかし雲行きが怪しくなってまいりました…。

遠くで雷が鳴っております。

休んでいる暇もなさそうだ…。

 

8合目を出発してからすぐに雨が降り始めてしまいました。

雨宿りしたい!と思っても軒などどこにもございません。

雨具を装着し、それのみを頼りに登るほかございません。

立ち止まると止まった分だけ濡れて体が冷えてしまいます。

 

前回もそうだったのですが、もうこの辺りでハッキリとした記憶はございません。

どこかの答弁のような物言いですが、疲れで元から少ない思考力が更に低下しているのです。

とにかく足を前に出すことだけを考えて、ゾンビぐらいの歩調で少しずつ進んでまいります。

 

余談ですが、頭の中では執事歌劇団の曲の一節がずっと繰り返し流れておりました。

 

「今にも壊れてーしまいそーうー」

 

そう、心身共に壊れそうになっておりました。

カフェブルーバードはそういう楽曲ではない気もいたしますが、私はそれどころではございませんでした。

もう限界だ!

あそこに見えるのが今夜泊まる山小屋でなければもう帰る!

果たしてここは今回泊まらせていただく山小屋でした!

よかった!脱落せずに済んだ!

5合目から9合目までの時間は2時間半ほどでございました。

無事に能見、影山と合流を果たし、晩のカレーをいただきます。

しっかりと体を拭いて冷えないように対策をいたします。

 

消灯時間は20時!

前回は1時間ほどしか眠れませんでしたので、今回はしっかり睡眠するぞ!

…と思っていたのですが、寝床のサイズが合わずに深い眠りに落ちることはできませんでした…。

 

でも今の私には読書がございます。

本を読みつつうたた寝しつつ過ごしました。

 

外の空気を吸った時に晴れ間が出ており、夜景を望むことができました!

いわゆるパノラマビューというもので、東京から名古屋辺りまで見渡すことができるのでございます。

詳細をお届けできないのが残念でなりません。

 

ーーーーーー

 

翌朝4時頃、山頂に向かう準備を整え3人で出発いたしました。

 

天候は霧?どういう状況なのか説明が難しいのですが、ありのまま起こっている事をお話いたしますと、霧が強い風に吹かれて横に舞っている状態なのです。雨とはまた違う現象ですが、外にいると濡れはするので世間一般に想像される霧とは違う類のものなのです。

 

反面昨日のダメージが懸念されましたが思いの外平気でございました。

他にも登山客がたくさんおられまして、ペースがゆっくりだったのもあったのかもしれません。

1時間ほどかけて、ヘッドライトの明かりを頼りに登ってまいります。

 

そして山頂に到着いたしました!

間もなくご来光の時間を迎えます…!

ご覧の通りご来光は望めませんでした…。

まぁ想定内ではございましたけれども。

いいのです。こういうのは達成感が大事ですから!

 

あ、このお菓子でございますか?

こちらは9月11日よりお出ししている「Mt.Fujiケーキ」と申しまして、くるみの食感がアクセントの富士山型チョコケーキなのでございますよ!

 

ご来光をバックに映えあるお写真をお届けしたかったのですが、それは叶いませんでした…。

さて、今回は前回達成できなかった目標がございました。

それは剣ヶ峰登頂でございます。

富士山には10合目よりも上に剣ヶ峰という更に標高が高い地点があるのでございます。

 

お互いのコンディションを確認して剣ヶ峰を目指して出発いたします!

富士宮ルートだと10合目から剣ヶ峰までの距離が短くて済むそうでございます。

…あれ?このフレーズは聞き覚えがあるな。

 

思った通り勾配がきつい!

数百メートルの距離が数キロにも感じます。

霧の嵐もすごい!

開けている分容赦なく霧が体に吹き付けてまいります。

 

しかし数十分後…

登頂いたしました!

 

吹雪いているので感慨に浸る間もございませんが、確かに3人で目標を達成いたしました!

後は下山するのみでございます。

富士宮ルートは吉田ルートと違い登山道と下山道が同じなのです。

急勾配なので膝と足首に注意でございます。

 

途中山小屋に寄って休憩しつつ山を下ってまいります。

道がゴツゴツしていて怖い!

少しずつ歩を進めてまいりますが、それでも足にかかる負担はどんどん増していき、チェックポイントごとにダメージの増加を体感できる状態でございます。

ゴールが近付くにつれ山道に足を取られて尻餅をつく場面も増えてまいりました。

足首をぐねってしまいそうになります。

 

おっと、「足首をぐねる」とは関西地方の方言で使用人らしからぬ発言でしたね。失礼いたしました。

…そうそう、「足をぐねらせる」で思い出しましたが、第16回公演の劇中歌集が先日お披露目されましたね!

その中の楽曲「花屋と坊主」で関西スラングをお楽しみいただける場面がございますので是非お聞きくださいませ。

それはそうと無事に5合目まで戻ってまいりました。

これを執筆している現段階で、私は太股の前と後ろと横と足の裏とふくらはぎが筋肉痛でございます。

「もう二度と登るか!」という気持ちもございますが、同時に達成感もございます。

 

それもこれも富士山を整備してくれた方々、一緒に登った使用人仲間、元気な体に産んでくれた両親。

そして何よりこういった活動報告を楽しみにしてくださっているお嬢様、お坊っちゃまのおかげでございます。

本当に感謝しております。誠にありがとうございます。

 

この後は湯治をしてからお屋敷に戻り、10時間ぐらい深い眠りに就きました。

おや、もうこんな時間でございますか。

お嬢様、お坊っちゃまもお休みなさいませ。

 

それでは本日はこれにて。

 

 

おまけ

 

ご来光はお見せできませんでしたが、夕日は綺麗だったのでここに残しておきます。