19年目に向けて

 

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。

今月でお屋敷のティーサロンが18歳の誕生日を迎えます。

人間で言えば高校生ほど。選挙権が与えられる年齢となります。

いちティーサロンがここまでの歴史を刻むことがあるのでしょうか?

日本国内の歴史を鑑みてもここまでの通例はなかなか見受けられないのではないでしょうか。

 

歴史あるティーサロンの一端としてギフトショップも10年歩んでまいりました。

今月ギフトショップでは18年目のアニバーサリを記念してお祭りを催しております。

舞踏会をテーマとして舞い踊り演奏する使用人たちの姿をご覧いただけます。

これまでも様々な方々にアイデアを頂戴し、完成してからもご感想を頂戴いたしました。

お嬢様にもたくさんご意見、ご感想を頂戴いたしましたね。

我々ギフトショップのバンドゥールたちが今の位置にあるのは大旦那様、周囲の使用人たちのおかげ。

そしてもちろん、一番はお嬢様のおかげでございます。

 

私もギフトショップに赴任して7年半が経ちました。

…ん?もう7年半も経ってしまったのか?

しばしば我に返った時に「今、西暦何年だ?」と思ってしまうほどに時の流れはあっと言う間でございますね。

 

時の流れを止めることは叶いませんが、せめて少しでもゆっくりと流すために!

今年に入ってから私は日記をつけるようになりました。

一日一日を大切に過ごすことによって、思い出がハッキリと形になってまいります。

思い出がたくさん認識できると「今月は充実していた!」という気持ちになります。

三日坊主になると恥ずかしいので、2カ月続いた今だからこそ申し上げました。

 

一日たくさん書く必要はございません。一行、二行でも構わないのです。

本当に特に何もない日は何も書かなくてもよいのです。

(余談ですが、私は学生時代に日記と向き合い過ぎるがあまり一日のうち2~3時間を日記に費やしてしまった過去がございます。

これは個人的には時間の無駄だったな、と思いますのでお勧めいたしません。)

毎日続けることが肝要でございます。

 

日記に今日あった内容を記しておくと、後日読み返した時、記した内容の周りの記憶も蘇ってまいります。

また、日記をつける前よりも記憶力が上がった感じがいたします。

「今日一日を忘れたくない!」という強い気持ちがニューロンとシナプスを刺激しているのかもしれません。

まさに執事歌劇団の「File name ~X~ 」で言うところの「よみがえる微かなシナプス」でございます。

 

今までお世話になってきた身として「お嬢様に何かお返しできることはないだろうか?」と考えまして、結論から申し上げますと受けた御恩が大き過ぎて返せはしないのですが、お嬢様のお声が現在の私と我々とギフトショップの品々を形作っているのです。

そんなお嬢様との日々の会話を忘れてしまわないように日記をつけているという側面もございます。

お嬢様との思い出やお嬢様がうれしかったこと、考えさせられたことも使用人として今まで以上にしっかりと心にしまっておきたいと考えております。

そしてそれを糧として19年目もお嬢様がお喜びいただけるようなお品物を発明できるよう、ギフトショップのバンドゥール一同精進してまいります。

 

あ、日記はもちろん他人には見せない秘密の内容でございますので、私と会話する際に身構えないでくださいますよう心よりお願い申し上げます!

 

それでは本日はこれにて。

10周年を迎えることができました!

 

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。

的場でございます。

 

ギフトショップは本日で10周年を迎えるはこびとなりました。

私がギフトショップでお仕えを始めたのはもう7年半も前のこととなります。

長い時をギフトショップで過ごしてまいりましたので、様々な出来事がございました。

 

私が参りましたばかりの頃は、あまり上手に周りの使用人に頼ることができずに

一人で何でも頑張ろうとしてしまい失敗することが度々ございました。

ギフトショップのメートル・ドゥ・ヴァンドゥールとして張り切り過ぎたところもあったのでしょう。

おかげで体力はつきましたが、やはり一人でできることには限界がございます。

 

少し落ち着いて、現在のギフトショップのことを思ってみます。

 

センスの部分は桐島と才木が担当してくれております。

フォトブックなどのお品物の形や雰囲気を作るだけでなく、撮影全体のテーマを次々と生み出してくれております。

今回10周年に合わせて朗読を企画してくれたのは才木で、他のメンバーも快く参加してくれました。おかげで楽しい雰囲気の撮影になりました。それが本当かどうかはCDをお聴きになっていただければ一目瞭然でございます!

 

また、朗読に合わせて伊織が紅茶をブレンドしてくれました。

様々なフレーバーティーやハーブをブレンドして、ギフトショップのヴァンドゥールたちのような賑やかな紅茶に仕上がっております。

 

この度の10周年を迎えるにあたってはまずは能見が記念のワインを選んでくれました。

「おめでとう」の気持ちと、虹がデザインされたギフトショップの明るい未来を示したワインをチョイスしてくれました。

 

明石は何かしているのか?でございますか?

彼は最も日々のギフトショップを支えてくれている使用人と言っても過言ではありません。

その柔和な空気感でお嬢様は勿論のこと、周囲の使用人の心をも柔らかくする使用人なのです。

私が急な執務でギフトショップを任せる時も嫌な顔ひとつせず頑張ってくれる、頼れる使用人なのです。

 

今、私の周りには心強い仲間がたくさんおります。

ここで名前が出なかった使用人にも助けていただくことはたくさんございます。

 

最後に「みんな大好き全員集合ステッカー」のお話をしたいと存じます。

こちらは「別宅でも使用人みんなの顔が見たい!」「また藤堂執事に会いたい!」というお声を形にしたお品物でございます。

お嬢様に支えられて、私は今ここにおります。

お嬢様が、今のギフトショップを形作ってくださいました。

 

大旦那様も巻き込んで、お屋敷全員で11年目も楽しく新しいことにチャレンジしていければと存じます。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

もう富士登山から2ヶ月近く経つのですね。

と、いうことでございます。

ご機嫌麗しゅうございます。的場でございます。

すっかり思い出になってしまう前に、前回からの続きを記してゆきます。

遅くなってしまった分、お写真をたくさん載せてゆきます。

【山小屋から9合目を経て】

今度は能見だけでなく影山も一緒にペースを合わせて登りました。

深夜なので周りの方との距離も配慮しつつ、ゆっくりと登らなければなりません。

相変わらず勾配はきついですが、ペース次第で心拍数の乱れが全然違いました。

空に星、眼下には街の灯りが輝いております。

息を切らしながらではございますが、景色を楽しみながら登りました。

ヘッドライトの光を頼りに登っていきます。

私は去年ヘッドライトなしで真っ暗な中下山いたしましたので、今回こそは!と準備いたしました。

富士山は道は整備されておりますが、当然ながら街灯がないので真っ暗なのです。

考えれば当たり前のことなのですが、街灯に囲まれて生活を送っていると、意外と見落としがちなポイントかもしれませんね。

 

そうして時に手探りで登ってゆくうち、狛犬に迎えられ、遂に山頂に至りました!

 

5合目から山小屋までは2時間半でしたが、山小屋から山頂まではゆっくり2時間ほどかけて登頂いたしました!

 

【山頂にて】

さて、ここからは今回の目玉である「ご来光」を待ちます。

「ご来光」とは、富士山から拝見する日の出のことでございます。

現在午前3時。

ご来光までは2時間と少し。

ベストポジションに陣取り「2時間頑張るぞ!」という強い意志のもと、我々はしりとりを始めました。

 

午前3時半頃。

 

…寒い!寒すぎる!

 

耐え難い寒さにしりとりのワードも出て来なくなってしまいました。

お互いに声をかけ強がり合うも手足の先から感覚がなくなってまいります。

 

「ご来光の時間に合わせて山頂を目指せばよかったのか…?」

 

という考えも頭の中を巡りました。

しかしここは難しいところで、時間を遅らせることで山道の渋滞に巻き込まれ、途中でタイムアウトしてしまうこともあるそうなのです。

我々はそこも加味して「まあ寒さを我慢すればいいか」という結論を選択したのでした。

 

しかし山頂は0℃。

さすがの使用人たちも限界を迎えつつありました。

すると!

背後がにわかに騒がしくなってきたではありませんか。

ご来光に合わせて山頂の山小屋がオープンしたのでありました!

我々はベストポジションをあっさりと捨て、山小屋に駆け込みました。

 

暖かい…っ!

 

この頃まだ平時の気温は30℃。

毎日暑い暑いと言っておりましたのに、人は現金なものでございますね。

今は温かいものが恋しくて仕方がありません。

暖をとろうと山小屋内のお品書きを見渡しました。

 

缶コーヒー 500円

味噌汁 700円

 

…た、高い…!

…と思われるかもしれません。

どちらも何の変哲もない普通のものでございます。

ただしここは標高3776メートル。

ここまで物資を運び、温めることは並々ならぬ努力が必要なのでございます。

それを思えば相応の値段だと言えます。

 

私はコーヒーをオーダーいたしました。

熱!熱い!

とても素手で持てたものではございません。

焼石ぐらいに温まっているではないですか!

しかしそれが良いのです。

まずは缶を開けずにカイロのように体を温めます。

極寒の痺れが癒されてまいりました。

暖をとった我々は後続の方に席を譲りつつ、再びご来光を待ちます。

 

ひたすら耐えて1時間。

 

遂に

!!

 

…素晴らしい!

「絵にも描けない美しさ」とは浦島太郎の竜宮城のお話ですが、こちらも写真には写しきれない美しい光景でございます!

 

雲間からうっすらとしたご来光ではございましたが、我々の上空にも雲が。

更に足元にも雲が広がっております。

これはこれでこの日しか見られない光景なのでしょう。

足元の雲海は歩けそうなぐらいハッキリと、ふわふわ漂っておりました。

 

【下山】

「いやぁ、立派なご来光だったなあ」という感慨に耽りながら下山を始めてまいります。

前回は夜に下山したので真っ暗でしたが、今回は日が出たばかりなので周りは明るく、景色を眺めながら下山いたします。

 

登山に比べ見せ場がないのですが、お嬢様がもしも今後富士山に登ることがあったら…と考えて記録しておきます。

下山する時に注意するべきポイントはまず膝を痛めないように労りながら歩くこと!

下山ルートは緩やかですが、油断するとケガにつながってしまいます。

また、メンタル面の心の準備としては「緩やかな分登山時よりも時間がかかる」という点でございます。

登山の時と同じ時間感覚でいると「まだここなのか!」という心の折れに繋がります。

「登頂するぞ!」という目標を失っている分余計に心が折れるのです。

景色を楽しみながら、仲間と会話をしながら、音楽を聴きながら。

心の余裕を保つことが肝要でございます。

番外編としては、我々が使った「吉田ルート」に限り「ちゃんと下山ルートを使うこと」でございます。

あまり詳しくない方が「登山ルート」から下山することがあるそうです。

急勾配なので危ない!

正しいルートで下山いたしましょう。

 

【再び5合目】

無事下山いたしました!

下山には4時間ほどかかったでしょうか。

あまり眠れてもいないので疲れました!

 

麓の温泉に向かい、疲れを取った後に無事にお屋敷まで戻ってまいりました。

しっかり者の影山に起こされなければ、私と能見が温泉に浸かって眠ったまま執務に戻れなかったかもしれないことは、大旦那様には内緒でございます。

 

長々と書いてまいりましたが、2023年の記録として残すことができれば、との思いで記してまいりました。

お付き合いいただきありがとうございます。

もうしばらくは富士山は結構です。

非常に疲れますので!

 

おや?登ってみたい使用人がまだいるのですか?

 

…う~ん。

 

本日はこれにて。

 

実は一カ月前に富士山に行ってまいりました。

 

ご機嫌麗しゅうございます。的場でございます。

 

もう1カ月前になりますが、能見と影山の3人で富士山にアタックしてまいりました!

あんなに誓ったのに!

去年辛かったからしばらく登らないと決めたのに!

喉元過ぎれば熱さを忘れ、私はやすやすと彼らの誘いに乗ってしまいました。

 

‐————

 

まずは朝、山小屋にて目覚めの瞬間から。

 

ジリリリリリリリリ!

 

「お、朝か…今日は集合が早いから…」

「…」

「な、なにー!もうこんな時間だとお!」

 

そう、私はスタートから寝坊してしまったのでございます。

急いで集合地点に向かった私。

遅れて集合した私達は、馬車で富士山の5合目まで赴いたのでありました。

 

————–

 

何とか予定通り無事に5合目に到着した私達。

どんよりした雲に小雨が降っておりました。

…おのれ能見め…!

隣で初めての富士山にテンションの上がっている雨男に若干の怒りを感じつつ、富士登山を開始いたします。

もちろん私は寝坊してしまいましたので、そのモヤモヤを能見にぶつけることはできません。

いざ、スタートでございます。

 

 

【5合目から】

写真だといささかわかりづらい部分がございますが、雲や霧の動きがとても早く、急接近する霧が視界を狭めてまいります。

数メートル先が見えなくなって危ない!

…とまではなりませんでしたが、これもまた標高の高い山でしか見られない現象でございました。

 

既に5合目を越えておりますので、眼下には下界の景色が広がっております!

 

 

…がしかし何も見えません。

全てが雲の向こう側でございます。

しかし遮るものがない分視界が広い!

去年も申し上げたかもしれませんが、これは幾ら写真でお伝えしようとしても伝わらないパノラマビューなのでございます。

 

影山はマイペースで登るとのことで、5合目スタート地点から別れて登りました。

 

能見と私は影山よりも早いペースで登ります。

私の日々のトレーニングの成果を発揮する時!

 

「序盤は楽々いけるぞ!」

 

と思いたかったのは富士山だけに山々ですが、5.3合目ほどでもう疲れが始まってまいりました。

しかし一度は富士登山を経験した身の上。

登山は事前準備や体力も大事ですが「気力」が一番必要なのです!

ルートは去年と同じ吉田ルートだったので、6合目までは思ったよりも早く到着できました。

 

【6合目から】

ここからは急にハイキングコースから登山!といった形で富士山が急に表情を変えてまいります。

勾配の変化が我々の心を折りにかかってまいります。

 

とは言え悪い事ばかりではございません。

 

山の天気は非常に変わりやすいのです。

眼下に広がる景色はまだ快晴とはいかないまでも、晴れ間が見えてまいりました。

上下に雲がかかっておりますので、上の晴れ間には青空が。

下の晴れ間には一部だけ街の顔が覗いておりました。

同時にお伝えするのは難しいのですが、記録は残してまいります。

 

 

【7合目から】

もはや能見との世間話の余裕は完全になくなってまいりました。

助け合いでもありますが、ここからは自分との戦いでございます。

折れるな心!持ちこたえてくれ体!

…という事でございます。

 

しかして普段、ここまで日々の執務の事を忘れて自身との対話をする機会があるでしょうか?

お屋敷を遠く離れた場所に身を置き、日常のオフィシャルを忘れる事で「自分は果たして山を制することができるのか!?」という挑戦に集中する事ができるのです。

 

1年に何回も富士登山にアタックなさる方がいらっしゃるそうですが、そういった方々はそんな気持ちで登っているのかな?

と去年よりは登山者の気持ちに近づいたのかな?

と思う的場でございました。

 

 

【8合目から】

ここからは岩場を登ってゆきます。

時には手を使って登らなければならないところもございます。い

去年も思いましたが急勾配過ぎるだろう!

 

 

しかし道ゆく高齢の方も海外の方もストック(杖)を使って器用に登っておられます。

逆に邪魔になるような気がするのだが…。

ここまで登ってこられるからには並みの腕ではないという事なのでしょうか。

我々は素手で登ってゆきます。

 

小雨が本降りに変わってまいりました。

大分厳しいコンディションになってまいりました。

でも我々は大丈夫なのです。

何故なら既に汗だくの状態なのだから!

もうどちらで濡れているのかはわからないので「ここまで濡れたらどうでもいい!」の境地なのです。

 

【山小屋にて】

去年は一日で登山から下山まで行ったのですが、今年は能見が山小屋を手配してくれたのです。

ゴールが山頂より近い分、気持ちは楽ではありました。

険しい登山道を経て、無事に辿り着きました!

 

雨が続いております。

後続の影山が心配でございます。

安全を鑑みてゆっくり登ろうと決めたのに、あわや我々よりも長時間雨に打たれてしまうとは…。

哀れ影山…安らかに眠れ…。

 

と思ったその時。

 

「やったー!着いたー!」

 

と声が聞こえてまいりました。

影山到着!

ゆっくり登ってきたが故に、影山は我々よりもずぶ濡れの状態でございました。

可哀想…。

 

その後濡れた衣類を乾かしながら、山小屋で軽い夕食をとり、消灯時間を迎えます。

その時刻何と20時!

普段そんな時間に就寝する事はございません。

山岡お勧めのジャック・ダニエルを寝酒にして床に着くといたしましょう。

 

 

アルコールの力は偉大でございます。

すぐに眠りに就くことができました。

 

…。

 

……。

 

すぐに目が覚めてしまった…。

アルコールよりも不慣れが勝ってしまい、1時間ほどで目覚めてしまいました。

「目を閉じて横になるだけでも疲れは取れる」という方もいらっしゃるようですが、ずっと同じ姿勢で眠れないのも疲れてしまいます。

私は外の空気を吸いに小屋の外に出てみました。

 

すると!

あんなに降っていた雨はすっかり上がり、満点の星空がそこにはございました。

お嬢様もなかなか山の夜を経験なさる機会はないでしょうから、記録に残しておきます。

 

 

…あんまり写っておりませんね。

本来はもっとたくさん星が光輝いていたのです!

やはり私の技術によって写真で伝えるのはなかなか難しゅうございます。

 

そんなこんなで午前1時。

出発の時間がやってまいりました。

 

(後半に続く)

 

 

ここまでご覧になっていただき誠に有難うございます。

10月17日から「富士山クッキー」をお出しいたします。

また、能見が写真だけでなく動画を編集してくれた模様でございます。

楽しみにお待ちくださいませ!

 

それでは本日はこれにて。

レモネードの夏。

 

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。

猛暑日が続き、うだるような暑さでございますね…。

 

こんな毎日にはビタミンCが必要でございます。

ビタミンCにはストレスや病気に対する抵抗力をつける力があるそうでございますよ!

 

ビタミンCと言えばレモンでございますね。」

少々回りくどい言い回しにはなりましたが、私8月15日に能見と共にエクストラティーを行います!

また、ギフトショップでは「昔懐かしレモネードラスク」が登場いたします。

何故的場はそこまでレモネードにこだわるのか?

あれ、そこまでご興味はございませんか。

左様でございますか。

 

 

ご存じないお嬢様もいらっしゃるかと存じますが、私は新しいお品物を考案する際に自分の中にテーマにしていることがございます。

それは「昔ながらの喫茶店」でございます。

 

木造で作られた内観。古びているとなお良しかと存じます。

お嬢様はご存じないかもしれませんが、中のバネが半壊していて腰かけると思いの外、おしりが沈んでしまうソファ。

コーヒーメーカーで店主がこだわりのコーヒーを淹れている空間。

そして最近ではあまり見かけなくなってしまった食事でございます。

 

例えばカレーと比べた時のハヤシライス。

絶滅はしないまでも、あまり目にする機会がなくなった気がいたしませんか?

また、私が幼少の頃はグリンピースが乗っていた記憶がございますが、

現在では探してもどこにも売っていない気がいたします。

当時は今で言うところの「チョコミント」のように賛否が分かれる食材でございました。

かく言う私も、好きとも嫌いともつかないグリンピースでございますが、

見かけなくなるとそれはそれで切ない気持ちになります。

そんな私の郷愁の想いをシェフが形にしてくださったのが2022年1月に誕生した「ハヤシライスクレープ」なのでございます。

 

今回のレモネードも発想は同じでございます。

退廃した感じのする喫茶店の味を表現したいと思い立ったのが始まりでございます。

 

ビタミンCを摂りたいけどレモンは酸っぱくて苦手!

というお嬢様にも安心の、甘さを兼ね備えたレモネードでございます。

酸味が苦手な方にも美味しくお召し上がりになっていただける点にこだわりました。

 

ギフトショップでは夏でも食べやすいサクサクしたものを、という想いでラスクを選びました。

食感としても食べやすく、他にお出ししている焼菓子で酸味担当はいないと判断してGOをかけました。

 

今回のエクストラティーのポイントは当家でしかお召し上がりになっていただけない「ハーブコーディアル」でございます。

「ハーブコーディアル」とはハーブを漬け込んだシロップのことでございます。

能見と夜な夜な開発した特別なハーブは、他では味わえないハーブの刺激とアロマによりお嬢様を体感したことのない世界に誘ってくれる事、請け合いでございます!

 

年々気温を更新している東京都豊島区のお屋敷より、美味しさをお届けするのは勿論のこと、お嬢様に夏の一日一日を元気に過ごしていただくため、との想いでレモネードをご用意いたしました。

8月はギフトショップでも。そしてティーサロンでも!

お嬢様のお帰りをお待ち申し上げております。

 

それでは本日はこれにて。

私の相方。

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
ワインは嗜んでいらっしゃいますか?
本日より能見のオリジナルワインである
「day dream-デイドリーム-」をお出しいたします。

青いラベルのお洒落な白ワインでございますね!
私は海の中にいる様な…とイメージしましたがこちらの青は、能見の一番好きな花「ネモフィラ」の青でございます。
ネモフィラは春に咲く青い花。
初のオリジナルに自身の一番好きな花を合わせたそうでございます。
彼曰く「庭園にいるかの様な爽やかさ」をイメージしたとの事。
心憎い演出でございますね!

この度「ソーヴィニヨン・ブラン」と「ナイアガラ」という二種類のブドウを使用し、完全な能見オリジナルを作りだしました。
「ソーヴィニヨン・ブラン」はグレープフルーツの様な爽やかさと花の蜜の様な香りを。
「ナイアガラ」はカリン、白桃の様なフルーティーな香りを演出してくれます。
お花とフルーツの香りをお楽しみいただけるという訳でございます。
「辛口」と謳ってはおりますが非常に飲みやすそうでございますね!

今回どちらのブドウも日本のブドウを使用しております。
「日本のブドウの良さをお嬢様に知っていただきたい!」という考えがある様でございます。
フランスの品種を目にする事が多い中、日本の品種でいてそれもオリジナルとなるとお目にかかる機会はなかなかございませんね。
流石は当家のハウススチュワードでございます。

能見の初のオリジナルワインですが、
「大事に取っておいていただきたい」というよりは、
「気軽に何も考えないで楽しんでいただきたい!」
「いつでも飲んでいただきたい!」
との想いがある様です。
という事は昼から飲んでも良いという事でございますね!

おや、昼からお酒をいただくのは抵抗がおありですか?
いえいえ。一向に構わないのでございます。
なぜならこのワインは「デイドリーム」。
「白昼夢」という意味がございます。
昼からご覧になる夢の様な心地を味わっていただくべく能見がご用意したワインでございます。
アウトドア派の彼はピクニックに行った先の高原で楽しんでいただくのがお勧めだと申しておりました。
フルーティーかつフローラルなワインのお味と相性の良さそうな環境ではございますね!
ネモフィラが咲く時期は4~5月。
花を愛でながらいただく、というのは如何でしょうか?

「デイドリーム」にはもう一つの意味合いがございます。
それは「夢」。
能見にとって、オリジナルワインをお披露目するのが半年前からの目標、「夢」でございました。
香川のオリジナル日本酒「川香」の様にワインでオリジナルを作りたいというスタートから、ワイナリーの醸造者と幾度も話し合いを重ね遂に実現した!
という熱い想いもまたワインの名前の由来なのでございます。

ワインのみならず、お酒はその名前の響きで選ぶのも一興でございます。
ただ素材のお味を楽しんでいただくのも良し。
作り手の想いや完成までのストーリーもい併せてお召し上がりいただくと、また違った味わいを感じていただけるかと存じます。
また、ワインはお作りする際に数量が限られてしまうのも付き物。
お早めのお帰りをお待ち申し上げております。

では本日はこれにて。

さあ!17周年!

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
的場でございます。

遂にお屋敷のティーサロンが17周年を迎えようとしております。
いよいよ周年記念のお品物をお披露目できる運びとなりました。
もう予習は充分にお済みでしょうか?

さて、今回のお品の中にはブロマイドセットがございます。
何と5枚ものお写真をご用意させていただきました!
今回はそんなブロマイドセットに関して、少しだけ掘り下げてお話をさせていただければと存じます。

テーマは「お屋敷を離れて別荘でのティータイム」でございます。
使用人がベッドで目覚めるところから物語が始まります。
朝目覚め、日々の執務の疲れで気だるいながらも体を起こす使用人たち。

本日は別荘でのティータイム。
いつもの装いに加え手袋もはめて、別荘までの準備をしっかりと整えます。
いつものティーサロンとは勝手が違うはず。
今日一日のプランを、真剣な眼差しで反芻いたします。

馬車で移動してきた先の別荘で、まずはお嬢様には階上のメイクルームでご用意を整えていただきます。
階上までは我々がエスコートいたしましょう。

ティータイムを楽しむご用意が整いましたならば、庭園が見えるサロンでアフタヌーンティーをお楽しみいただきましょう。
お給仕は勿論我々使用人にお任せくださいませ。

ティータイムの終盤、使用人は先に本邸に帰る支度を済ませお嬢様のご出発をお待ちいたします。
まだ日が落ちてからの時間は肌寒い気候でございます。
出発に手間取ってお嬢様を凍えさせる訳にはまいりません。
コートに身を包み、出発の時を待つ使用人。
また明日から始まる、お嬢様と仲間たちがいる日常に想いを馳せながら。

というのは如何でしょうか?
あまり柄にはない事だったかもしれませんね。

一枚一枚のお写真を楽しんでいただく事も嬉しゅうございます。
ただ折角の5枚組なので、そこにストーリー性があればお嬢様によりお楽しみになっていただけるのではないか、と考えました。
そんなちょっとした使用人の思いを記しました。

毎年ティーサロンの誕生月はお祭りでございます。
17周年のお祭りをたっぷりお楽しみ下さいませ!

それでは本日はこれにて。

日本一になるために。 その2

 

(前回からの続き)

8合目から9合目へ。

 

もはや引き返すも地獄と悟った私は上を目指すことにいたしました。

 

傾斜は更にきつくなり、手を使って登らなければならない所もございました。

腕の力も使わなければ登れないなんて…っ!

 

「もうダメだ!」

 

と思いきや、以外と手を使いながら登った方が負担が分散されて足は楽だ!

辛くないわけではございませんが、幾分か楽にすいすい登っていけました。

 

するとすぐに9合目の山小屋が見えてまいりました。

おお!もう終わりが見えてきたぞ!

 

 

と思いきや。

 

「…8.5合目だと!」

 

 

何でそんな言葉があるのか!

ぬか喜びにも程があります!

 

意気消沈しながらも歩を進めるしか選択肢がございません。

もう体がバキバキなのは今ここで引き返しても同じ。

ならば達成感の可能性がある方へ進むしかない!

 

精神を破壊されつつノロノロ登りながら、何とか9合目に辿り着きました。

もう心身ともに限界でございます。

ゆっくり休んで英気を養いたいところではございますが、

あまり休んでしまうと最早動き出すことができなくなってしまう気がいたします。

 

疲弊した体に鞭打って9合目から10合目(頂上)へ。

 

 

 

…もうこの辺りの記憶は曖昧でございます。

いや、ちょっと前の事だから忘れてしまったなどではなく。

私は富士山を登るマシンと化しておりました。

断片的な記憶ではゾンビぐらいのスピードで半死半生の状態で登っていた記憶がございます。

 

しかしそんな私の記憶がハッキリしてくるタイミングが訪れました。

 

「頂上が見える…!」

 

もうここまで来たら行くしかない!

日本一高い山の頂上に手が届きそうだ!

 

徐々に元気になってきた私は少しペースを上げ

(とは言ってもゾンビが人間になった程度のスピードですが)

終点に向かって歩を進めてまいりました。

 

そして遂に!

 

 

登頂いたしました!

 

この満足感たるや!

「言葉にできない!」という月並みな言葉も出てしまいますが、

同時に「写真に収められない!」とも思いました。

眼前に広がる景色のスケールが大き過ぎてとても収まりきらないのです。

360度のパノラマビューでございます。

私は達成感を胸におにぎりを頬張りました。

これも月並みですが非常に美味しい!

苦労して良かったと思える瞬間でございました。

 

しかしそんな充足感も束の間。

 

「寒い!」

 

天気は快晴でしたが富士山の頂上は0℃近くまで冷え込んでおり、

10分もすれば汗をかいた体は凍てついてしまうのでした…。

 

そろそろ下山するか…と思ってふと脇を見やると…。

 

「ほ、本当の山頂があるだとお!」

 

そう。10合目は山頂ではなく「剣ヶ峰」という真の山頂があるらしいのです!

先程の「8.5合目」といい、富士山に心揺さぶられる瞬間ばかりでございます。

ぬか喜びの宝石箱でございます。

 

…どうする?考えている時間はそう長くない。

時刻は既に15時を回っている。夕方に差し掛かっております。

日が出ているうちに下山しないと暗くなったら危険という話もある…。

 

これは…

 

行くしかない!

 

煽られることに耐性のない私は剣ヶ峰を目指す事にいたしました。

ここで下山してしまったら

「でも本当の山頂までは行ってないんだよなあ…」

という思いが私の胸を渦巻くことでしょう。

 

剣ヶ峰まで至るルートは富士山の火口をなぞりながら進むルートでございます。

この火口がまた大きい!巨大でございます。

本当に写真では表現できない規模の火口で、一周するのも一苦労でございます。

傾斜も場所によって険しいですし、足元の岩も溶岩石で非常に固いのです。

肌に触れたらすぐに切ってしまいそうでございます。

手袋が必要という方がいらっしゃるのも頷けるほど鋭うございます。

足場も場所によっては狭く、5秒気を失ったら滑落してしまいそうな場所もございました。

 

ゴツゴツした足場の悪い中を進むこと30分ほど。

剣ヶ峰の頂上も制しました!

 

 

 

う~む。伝わりきらない…。

道は険しいですが是非一度いらっしゃっていただきたいものでございます。

 

さて、快晴だった空が徐々に夕焼けてまいりました。

急いで下山しなくては!

 

火口をなぞりながら逆行し、10合目からは下山ルートに入ります。

登山ルートよりも緩やかな、別コースが存在するのです。

真っすぐ険しい登山ルートに対して緩やかな道がずっと蛇行している景色でございました。

 

「これは楽でいいなあ」

 

と思いずっと下りました。

だんだん陽は沈みつつあります。

真っ暗になるまでには下山しなければ…!

ずんずん下っていったところ私はあることに気が付きました。

 

「すそう…須走ルート…?登りは確か吉野ルートだったような…」

 

正しくは「すばしり」ルート。

私は途中で枝分かれした道に気付かず、誤ったルートを選択してしまったのでございます。

もうだいぶ陽が沈んでいるのに!

私は親切な登山者の方に簡単な挨拶を済ませ、分岐点がどこかを尋ねました。

 

「大丈夫です。1合ほど登ったらルートを切り替えられますよ」

 

1合ほど登ったらだと…!

もう本日のノルマは達成したと思ったのに、まだ登らせると言うのか!

 

「…仕方がない。登ろう」

 

限界を超えた疲労に絶望感もあり、摺り足ほどの速度でしか引き返すこと叶いませんでした…。

 

何とか分岐点に辿り着いた私はまた緩やかな道を下りはじめました。

どんどん辺りは暗くなってまいります。

そしてよくよく考えればわかる事ですが、緩やかな分道のりが長い!

「登りはこのぐらいだったから時間的にこのくらいかな」の2倍時間がかかります。

富士登山は計画的に!

 

5合目に辿り着くまでにすっかり辺りは真っ暗になってしまいました。

 

 

当然街灯も何もないので本当に真っ暗でございます。

道も崖も見えないので第六感で歩くしか他ございません。

もうダメだ!と思ったその時、辺りに灯りが灯り始めました。

 

ヘッドライトを装着した登山者達がライトを灯していたのです。

これはもう、縋りつくしかない!という事で、ヘッドライトを装着した登山者の方に同行させていただき、何とか時間をかけて下山することができました。

もう時刻は20時をまわっておりました。

自分の足で下山はいたしましたが、もはや半遭難状態だったのではないかと存じます。

 

何やら悪口ばかり書いてしまった気もいたしますが、登頂した時の達成感は他の何にも代え難い経験でございました。

私は無茶して杖なし、休憩ほぼなしで強行いたしましたが経験者の皆様はストックをつきながらゆっくり登山をお楽しみになっていらっしゃいました。

また、二日に分けてゆっくりと登山するコースもあり、夜に8合目まで登って山小屋に泊まってから朝に登頂し、朝日を拝む「ご来光」というものもあるのだそうでございます。

お嬢様がもし行かれる際は是非ゆっくりと富士山をお楽しみになるのが良いかと存じます。

 

あと天候は重要でございます!

私も雨が降ってしまったら登頂できなかったかもしれません。

足場も悪くなりますので天候チェックは重要でございます!

 

人生は一度きりでございます。

一度は富士山に登ってみては如何でしょうか?

 

長くなってしまいましたが、本日はこれにて。

 

 

日本一になるために。 その1

 

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。

的場でございます。

 

的場と言えば山小屋。

そう、今回は山でございます。

人生は一度きり!という事で、

一度は行ってみたい富士山に行ってまいりました。

日本一高いところに行きたい!という事でございます。

 

経験者の方にアドバイスをいただきながら準備を整えました。

とは言えあまり特別な物は持参しておりません。

水1リットルに着替えと雨具のみでございます。

特に雨具は必須で「雨具がない状態で天候が悪くなった場合は必ず中止しなければならない」というぐらい重要だそうでございます。

防寒を兼ねられる物ならなお良しでございます。

 

あとは100円玉!

これは途中お花摘みに行く場合に必要で、場所によって100円~300円でございました。

「お花を摘むのにお金を取るだなんて!」

と思われるかもしれません。

しかして標高の高い場所でお花畑を整備をするのは過酷な事。

その事業を成立させる為には必要なマネーなのでございます。

 

まあ「無理なら途中で下りてもいい」という事らしゅうございますので。

これくらい準備しておけば遭難する事はないでしょう!

5合目までは馬車で向かい、そこから徒歩で山頂を目指しました。

豊島区の山小屋から向かい、スタートしたのはお昼12時頃からでございます。

5合目は霧が濃く、登山口の入り口付近に着くまでに雨が降ったり止んだりを3回ほど繰り返しました。

「山の天気は変わりやすい」

というのは本当だったのですね!

 

私、富士登山は初めてでございまして、

「山頂になど行けるのか?」

という不安と、

「登頂したら気持ちいいだろうな!」

という期待感が入り混じっておりました。

武者震いなのか恐怖なのか!?

この時の天候は回復し安定しておりました。

まずは5合目から6合目へ。

もう既に傾斜がきつい…!

麓はなだらかなのかと思いきや傾斜が急でございます!

考えてみればここはもう既に5合目。

後で考えれば納得ですが、この時の私は馬車の恩恵に溺れ衝撃を受けてしまいました。

途中見かけた登山者の方々は杖(スキーで仕様するストックの様な物)をお持ちでした。

それがあった方が楽だったのか!?

しかし引き返すのももう辛い…。

私は杖なしで来てしまった事に気後れを感じながらも歩を進めました。

息を切らしながら、心臓破りを感じながら。

6合目に到着した私は思いました。

「まだ頂上じゃないのか!

これがあと5倍続くだと!?」

既に心折れかけた私でしたが、続いて6合目から7合目へ。

 

上記では「あと5倍」と申し上げましたが富士は私の想像を上回っておりました。

さらに傾斜がきつくなっていったのでございます。

5倍どころではございませんでした。

途中の道はある程度人の手がはいっており、階段があるのですが、この階段の一段が高く、場所によっては私の膝ぐらいまでの丈がございました。

「整備するならもっと上りやすくしてくれればいいのに!」

と私は恨み言を心で思いながらも登り続けました。

周りの方々は休み休み、時折振り返って風景を楽しみながら登っておられました。

私もそれに倣おうと後ろを振り返ると、そこでは既に雲が眼下に海の様に広がっておりました。

しかし体力は残り僅か。

虚ろになりながらも7合目に到着いたしました。

もう帰りたいぐらい疲れてはおりますが、ゆっくり休んでしまうと動けなくなりそうなので水分補給を済ませ、少しだけ休んでから

7合目から8合目へ。

 

 

8合目か…。これ以上登れるのだろうか?

頭の中で経験者の方の言葉がよぎりました。

 

「無理なら途中で下りてもいい」

 

リタイヤも考えながら横の退路を見やると…

おわかりいただけるでしょうか。

既に退路も、先が見えないどころか雲の中でございました…。

いつの間にか雲の上まで到達しておりました。

頂上も麓も見えない中、行くのか…?引き返すのか…?

 

(続く)

えほんを読む。

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
的場でございます。

今月末に図書館での読み聞かせの催しがございます。
お恥ずかしいお話ですが、最近は活字を読む機会も若い頃に比べればめっきりと少なくなり、こと小説や絵本などの「おはなし」に触れる機会がなくなってまいりました。
少年期に読んだおはなし何だっけ?
と振り返る良い機会になりました。
幼い頃に読んだ絵本を大人になってから読み返すと意味が変わって見えるものです。

「星の王子さま」は幼い頃、王子さまが様々な星を巡る冒険活劇と捉えて読んでおりましたが、大人になって見返すと「何て悪い奴だ!」と思っていた大物気取りで褒められたがりの男や、酒びたりの男に自分を投影する部分があったり
(お酒をたくさん飲むところが同じ、という訳ではございませんよ!)
幼い頃は気にもしなかったラストシーンに「どういう意味なのか?」と考察を始めたり。
「大人なんて!」と思っていた筈なのに、そんな大人になっている様な気も致します。
お嬢様は如何でしょうか?

「100万回生きたねこ」は始めに読んだ時は「死んでも生まれ変われていいなあ」とねこの不死身の体を羨むばかりでした。
何と浅はかな事か…っ!
あまりネタバラシになってしまってもいけませんが、100万回生きたと見せかけて、その実ねこの一生は1回だったのだなぁ、と思ったり。

昔に読んだ作品は思い入れが強く「また読みたいな」と思った時に読み返すと違った見え方があって興味深いというお話でした。

何だかよくあるお話になってしまいましたね。

それでは本日はこれにて。