走れ明石

明石太郎は激怒した。
必ず、かの邪知暴虐のアパートの大家さんを除かなければならぬと決意した。

「家賃の値上げだと、、、許さん!」明石太郎は邪悪に人一倍敏感であった。

 その昔、悪を討つ為侍の出で立ちで木刀を振り回しながら町へ駆けたことがあったが、何も起こらぬままお巡りさんに見つかり怒られてしまった。
 今回は失敗を繰り返さないよう情報収集から始めた矢先、そんな噂を耳にした。
「まずは情報の正否を確認しなければ」部屋を出て明石太郎は102号室の扉を叩いた。
「染瀬(ぬりせ)開けてくれ」するとガチャリと鍵が開き、扉の隙間からほっそりとした優男が顔を覗かせた。
 染瀬は明石太郎と同い年で唯一気の合う住人だった。この男はLove&Peaceを信条とし慈愛の心で他者と触れ合い、常に戦争の平和的解決を模索していた。

「明石君か、来ると思ったよ。さあ上がってくれ」明石太郎は促されるまま部屋へ入ると、さっそく例の噂を確かめた。
「家賃を上げるというのは本当なのか?」
「残念ながら本当だ」
「実際に聞いたのか?」
「あぁ、先日ファミリーレストランでお昼ご飯を食べていたら、聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきて、そちらを向くと大家さんと弁護士風の男がなにやらお金のことで話しをしていたんだ。嫌な予感がして聞き耳を立てていると」

大「先生、お願いしますよ」

弁「法律上の事はお任せください、家賃を必ず上げれるよう裏から手配いたします。それより問題はアパートの住民を言いくるめる事ができるかです。大家さん大丈夫でしょうね」

大「勿論ですとも!うちのアパートにはおバカか気の弱い住人しかおりませんから。こないだも住人の一人が侍の真似して警察の厄介になってましたから。まったく意味が分かりませんよ(笑)」

「まぁこんな感じだったかな。あとはお金の配分がどうとかこうとか」
「ぐぬぬ、、許せんな。値上げをし、あまつさえ私の事もバカにするとは」
「前回の生類憐みの令といい最近はやりたい放題だね」
(生類憐みの令とは、去年このアパートで新たに出来た決まりで犬や猫は勿論のこと、小動物に鳥、魚や虫と、生き物を飼うのは一切禁ずるという悪政である。ちなみに明石太郎はそれを無視し続け、留守の合間に殺虫剤をまかれ、帰宅すると3年飼っていたクワガタが全員ひっくり返っていた。という苦い思い出があった)

「染瀬!私は今度という今度は大家に鉄槌を下すぞ!!」
「わかった。ただ無理はするなよ、君は少々空回りするところがあるからね。それともう一つ、住民達との最終的な話し合いは今日の19時から町の役所を借りて行われるそうだよ」
「なにっ!そんなの聞いてないぞ。それにあと30分で始まるじゃないか」
「君がいたら話し合いがまとまらないと思ったのかもね」
「家賃交渉を住人抜きで行うなんて、そんな馬鹿な話があるか!ていうか君は行かないのか!?」
「僕は事なかれ主義だから、争うくらいなら喜んでお金を差し出すさ」
「あいかわらずだな。時間がないから私は行くぞ!」そういうと明石太郎はアパートを飛び出し、走り出した。

「大家なんかの口車に乗らないでくれよ。みんな気が弱いから心配だなぁ」
 明石太郎は呟いた。

前編完

今回は長くなってしまい、勝手ながら途中で区切らせていただきます。申し訳ございません。
そしてタイトルとお話しの冒頭で察してくださったお嬢様、温かく見守っていただければ幸いでございます。

終わり。

夏のおすすめ

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
最近よく聴くミュージシャンは「Coldplay」明石でございます。

そろそろ暑い夏の季節でございます。夏といえば海やスイカやカブトムシなど様々思い浮かぶかと存じますが、最も楽しみな夏の風物詩といえばやはり「ホラー」でございます。
お嬢様「ホラー」は得意でございますか?

私は肝試しや映画(びっくり系やスプラッターは苦手)、怖い話などジャンルは問わずホラーが大好きで、その中でも特に嵌っておりますのが怖い話でございます。

理由は3つ
1すぐ読める。
2沢山読める。
3工夫すれば肝試しや映画より怖い雰囲気を味わえる。
という点でございます。

1と2は、インターネットさえ使用できれば可能でございます。
現代では色々な方が身も心も震えるようなお話をインターネットに投稿しており、数多の怪談話をすぐに拝読でき、ただ怖いだけでなく少し不思議なお話しや、ちょっぴり切ないお話しなど様々楽しめるのです。

そして大事な3でございますが、まず時間帯は深夜で周りに誰もいない状況が望ましく、敷布団やベッドに寝転がり可能であれば明かりを消し枕元だけ電気を点けます。そうすることで文字に集中でき、読み終えた後も聴力などが敏感になり、普段は気にも留めないラップ音や外から聞こえる謎の生き物の鳴き声などが聞こえ、より怖い雰囲気を醸し出すでしょう。
さらにクローゼットなどの扉を少し開けたり、掛布団から足首だけ出したりすれば「幽霊が隙間から覗いているかも!」「何者かに足を掴まれるかも!」といった妄想も膨らみます。

ここまで環境を整えれば肝試しなど、遊園地で散歩するのと同じでございます。

是非お試しくださいませ。

ホラーについて書いていたら、なんだか私怖い話を読みたい気分になってまいりました。
時間も午前零時を過ぎ、せっかくなので今まで書いたことを実践して読もうかと存じます。
(まぁ私は慣れておりますゆえ、あまり効果がないかもしれませんが)
では少々失礼いたします。

~一時間後~

いやぁ~今回も楽しく読ませていただきました。
今後はもっと怖い雰囲気を出す方法を考えなければいけませんね。

それではお嬢様おやすみなさいませ。

、、、たまには明かりを点けて寝ようかな。

終わり。

アカっちFC

全国のサッカーを愛するお嬢様、お坊ちゃまこんばんは。実況のアカシJでございます。
今夜は極々少数であろうサッカーをあまりご存じでないお嬢様、お坊ちゃまに向けて、元サッカー日本代表でオリンピックの経験もある明石次郎氏を解説にお迎えしサッカーについてご説明いたします。

J:次郎さんよろしくお願いします。
次郎:よろしくお願いします。

J:初めに、何故このような場を設けたかと申しますと、来月には東京オリンピック、延いてはサッカーU-24、日本女子サッカーが始まります。
勿論、賛否両論あり開催されるかは分かりませんが、もし開催された場合「ルールが分からない方にも楽しんでいただきたい」という思いがきっかけで設けた次第です。
次郎:なるほど、確かにスポーツはルールが分かると途端に面白くなりますからね。
J:はい。ということでサッカーのルールや魅力、さらに次郎さんも経験があるU-24代表の注目ポイントをお話しいたします。

次郎:まずサッカーとは丸い球体を使用し11人対11人で行います。基本的に手は使えず(ゴールキーパーは除く)縦105メートル、横68メートルのフィールドを選手が縦横無尽に動き相手のゴールにボールをシュートし点数を競います。時間は前後半45分+ロスタイム(1~5分ほど)でトーナメントなど引き分けで終わらない試合に関してはさらに延長戦(前後半15分)やPK戦などもございます。

J:やはり選手とボールが流動的に動くところがサッカーの面白いところですか?
次郎:ええ。特にボールをゴールまでどう運ぶかが面白く、個人技でドリブルをするか華麗なチームワークでパスを繋ぐか、チームによってボールを運ぶ戦術も違いますので、そういったところに注目するのも良いかもしれません。

J:あとはゴール前の攻防も見どころの一つですよね!
次郎:そうですね、シュートが決まる瞬間が一番盛り上がりますから。オフェンスは必死に点を取りに行き、ディフェンスは死に物狂いで守り、さらに1点を争う展開ともなるとより苛烈になりますね。

J:お互い一歩も譲らない試合をして、最後の最後で1点取られるのは悔しいでよね。
次郎:はい。記憶に新しいところですと2018年ロシアワールドカップ決勝トーナメント一回戦で日本代表がベルギー代表にロスタイムギリギリで1点を決められ敗北を喫しました。あれほど悔しかった日は無かったですね。

J:私も泣いてしまいました(笑)。他にもルールなどで難しいポイントはございますか?
次郎:やはりオフサイドですかね。サッカー未経験者はこれに泣かされることが多いですね。
簡単に説明いたしますと味方からパスを貰う時、ゴールキーパーを除く相手チームの最後尾にいる選手より後ろで貰ってはいけない。ただしパスを出した後に最後尾の相手選手の後ろに走りこんで貰うのは反則ではない。あくまでパスを出す前に相手選手の後ろに立ってボールを貰うと反則というルールでございます。

J:結局ややこしい説明になった気がしますけど、、、(汗)
次郎:(笑)、やはりホワイトボードなど使わないとオフサイドの説明は難しいですね。

J:では最後にUー24代表の注目ポイントについてお願いいたします。
次郎:一言で表すなら、国内組(Jリーグ)と海外組(主にヨーロッパのリーグ)の融合でございます。

J:なるほど、オリンピックに向けた6月の親善試合でも随所に見受けられた気がします。
次郎:6月5日ガーナ戦での上田選手(国)と久保選手(海)のパス交換からのゴールシーンや、田中碧選手(国)と遠藤航選手(海)がボランチで組んだ時の相性や距離感などは分かりやすかったのではないでしょうか。

J:遠藤航選手で思い出しましたが、今回のオーバーエイジ枠も注目ですね。
次郎:ええ、今回は日本屈指のディフェンシブな選手を選出しましたから。

次郎:基本的にオリンピックは23才以下しか出場できません(東京オリンピックは一年延期したので24才以下まで)しかし、1996年のアトランタオリンピックから導入された「23才以上の選手を3名まで登録してよい」というルールがオーバーエイジでございます。
今回選ばれた遠藤航選手、吉田麻也選手、酒井宏樹選手は守備に定評があり、この三人が後ろのポジションにいることで、前線の若い選手たちがボールを奪われることを恐れず、アグレッシブに戦えるのです。

J:いやー、今回の大会は期待してしまいますね。
次郎:そうですね。ただ油断は禁物です。日本が選ばれた予選グループAには強豪メキシコや優勝候補フランスがおりますゆえ、ただそれでも期待してしまうメンバーが今年は揃いました。
是非我々をいい意味で裏切ってほしいです。

J:今回は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました。
次郎:いえいえ、こちらこそありがとうございました。

J:サッカーファンのお嬢様、お坊ちゃまご覧いただきありがとうございます。
オリンピックが開催された暁には応援のほどよろしくお願いいたします。
実況はアカシJ、解説は明石次郎でお送りいたしました。では最後に、、、

J、次郎:頑張れ日本!

番組終了。

今回も阿呆な文章につきあわせてしまい申し訳ございませんでした!!!

終わり。

趣味

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。

最近鑑賞した映画は「七年目の浮気」明石でございます。
ビリー・ワイルダー監督の作品は面白いものばかりでございますな。

本日は普段あほうな文章ばかり書いておりますので、偶には真面目に趣味のことを書こうかと存じます。

上記で触れた映画鑑賞もよいですが、それはまた後日語るとして、、、
今回は「釣り」について書こうかと存じます。

お嬢様は釣りというと、どのようなイメージでございますか?

「釣れるまで退屈そう」「餌が気持ち悪くて触りたくない」「おじさんの趣味でしょ」
等の意見が聞こえてきそうな気がいたしますが。

これから私がそのイメージを払拭しとうございます。

まず釣りには狙い目となる「日にち」と「時間帯」がございます。
「日にち」は月ごとに8回ほどある大潮がお勧めでございます。大潮は潮の流れが大きく海中のプランクトンが増え、それを食べにくる魚がたくさんやってきます。
そして「時間帯」は日の出前後の「朝マズメ」と日没前後の「夕マズメ」でございます。どちらも魚が最も活動する時間帯(これもプランクトンが関係している)と言われております。

この2つを意識することで魚がかからない時間帯を極力短くすることが可能なのです!

続いて「餌」でございますが、餌には大きく分けて2種類ございます。
まず本物の虫やエビなどを使用する方法と、魚を模したルアーを使用する方法でございます。
前者は魚が食いつくまでじっと待つのを基本とし、餌だけ食べられたらまた付け直さなければなりません。
後者は魚が食いつくまで待つという点は同じでございますが、遠くに投げてすぐ引いてを繰り返します。するとルアーがあたかも本物の小魚の如く水中を泳ぎ、大きな魚が食いつくのです。ルアーはちょっと齧られたくらいではびくともしないので毎回付け替える必要もございません。

なのでルアーを使用することで虫に触れることもなく、手を汚さずに釣りを楽しめるのです!

そろそろ読むのが億劫になるころかもしれませんが、もう少々お付き合いいただければ幸いでございます。
それと先日釣った可愛らしい魚のお写真を文章の最後に添付いたしますので、是非ご覧くださいませ。
(リアルな魚の顔が苦手なお嬢様は、ゆっっっっっっくりとスクロールしてくださいませ)

では最後に「おじさんばかりでは」という点でございますが、確かに男性の釣り人は多いかと存じます。しかし近年では夫婦や恋人同士、祝日では家族連れで訪れる方々も見受けられます。

つまり釣りとは老若男女、誰でも楽しめる一大レジャースポーツということでございます!!!

ここまで読んでくださりありがとうございました。読んでいる途中で欠伸を召されたお嬢様もいらっしゃるかと存じますが、私明石はこれに懲りずまた趣味のお話しをするかもしれません。
その時はまたよろしくお願いいたします。それでは失礼いたします。

追伸、写真の一番下のカサゴ君が一番可愛いかと存じます。

終わり。

「感動した!!!」
 それが映画「七人の侍」を見た明石太郎(あかしたろう)の率直な感想であった。
「頭でっかちの気取った評論家が見る映画かと思っていたが考えを改めなければいけないな」

 七人の侍といえば言わずと知れた映画界の巨匠「黒澤 明」氏の代表作であり、「志村 喬」や「三船 敏郎」といったそうそうたる俳優陣を擁した大作時代劇で、日本史上最高の映画との呼び声も高い一作である。そんな作品に明石太郎が影響されるのは自然の流れであり、侍になりたいと言い出すのはそう時間がかからなかった。

「男に生まれると『侍に憧れたりする感情が訪れる』という事を聞いたことがあるが、とうとう私、、、、いや拙者にもその時期が来ようとは!」
 勿論、明石太郎の言う「その時期」というのは健全な男性であれば14才頃に来るどころか、卒業しなければいけない感情であり、お酒が飲める年齢で来てはいけない代物という事を、この男は知らなかった。

「やはり侍といえば『髷を結い』『刀を携え』『恰好は着流し』であるが、結ったことも着物も刀も持っていない」
「まぁ着物の代わりは甚平を着るとして、、、髷は結ったことなどないからなぁ」
「取り合えず固めて縛ればなんとかなるだろう」と、おもむろに整髪料を取り出し髪全体をガチガチに固め、前も後ろも横もかき上げたあと、頭のてっぺんで縛った。
「へへっ、中々の出来栄え」
 髷というより玉ねぎにしか見えなかったが明石太郎は満足だったらしい。

「あとは刀だが、そういえばあれがあったな」そういうと、この玉ねぎ侍は押入れの奥から木刀を引っ張り出した。
「修学旅行の思い出がこんなところで役に立つとは、しかしこれで侍の完成だ!」

 全ての装備を整え、見た目も心も侍と化した明石太郎の瞳には一切の曇りはなく、勧善懲悪の志でこの世の悪に立ち向かうのであった。

「不逞の輩を滅ぼすために、いざ参る!!!」

 その後の物語の顛末は、書いていて恥ずかしくなってきたので割愛させていただきますが、日本には軽犯罪法とい
うものがございますので、この後の展開は想像に難くないかと存じます。
 
終わり。

※明石太郎と明石は別人でございます。

旅行

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
今読んでいる小説は歴史を題材にしたエンターテインメント、明石でございます。

最近はいかがお過ごしでございますか?
ティーサロンにておいしいお食事に舌鼓を打ってらっしゃいますか?
それともお部屋で優雅なティータイムを楽しんでらっしゃいますか?

私は先日、妄想にて京都旅行に行ってまいりました。

妄想旅行はとてもようございます。
荷物いらずで天候も気にせず、美味しい料理やお酒を楽しむために子供舌から大人舌へと変更可能、
現実では絶対不可能な桜と紅葉、祇園祭と五山送り火を同時に楽しむことも可能でございます。
勿論流行り病など流行らせません。
 
こんな素晴らしい旅行が、いまだかつてあったでしょうか?

ではお次に妄想京都観光地ベスト3を発表いたします。

第三位 清水寺 おススメ度 ★★★★☆

音羽山「清水寺」は古都京都の文化財に登録されており、国宝や重要文化財が数多く建ち並んでおります。
特に本堂の檜舞台はとても有名で、昔舞台から飛び降りた人が何人もいたという歴史をご存じのお嬢様も少なくないかと存じます。妄想世界では実際に体験することが可能で、当時の人々が何を思い飛び降りたのかを考えながら落ちると感慨深いものがございます。(現実世界では飛び降りてはいけません。)
ちなみに清水寺までの坂道を上るのが億劫な方は頂上からスタートも可能でございます。

第二位 金閣寺 おススメ度 ★★★★★

金閣寺(正確には鹿苑寺)は室町時代三代将軍「足利義満」にゆかりのあることでも有名な寺院でございます。
鏡湖池と呼ばれる池の対岸から見た金閣寺はとても美しく、水面に反射する様子と併せると(妄想では写真かと見まごうようにくっきりと映すことが可能)とても幻想的な景観を楽しめます。
ちなみに妄想では「金閣寺工事中だった、、、残念」ということはございません。

第一位 伏見稲荷大社 おススメ度 ★★★★★★

全国約3万社もある稲荷神社の総本宮「伏見稲荷大社」、その特徴はやはり約1万基の鳥居でございます。
私は昔実際に数えようとしたことがあり(現実世界にて)そのあまりの多さに100基くらいで断念してしまいました。
足を運んだことのあるお嬢様ならご存じかと思いますが。伏見稲荷は山道のように緩やかな坂や急な階段を歩かなければなりません。しかし妄想世界ではそんな心配はございません。歩いても汗は一切掻かず、足取りは羽がはえたように軽く、むしろ羽をはやすのも良いかもしれません。
ちなみに伏見稲荷大社は夜も歩くことが可能で少々明かりも灯されており、不思議で少し不気味な体験ができます。
これも妄想スイッチでその時々の気分に合わせて昼夜切り替えましょう!

如何でございましたか?
やはり妄想旅行は良いものでございますね。

ただ一つ欠点があるとすれば、終わった後の「いったい私は何をしていたんだろう」という虚無感でございます。

終わり。

子供と大人と私と虫と

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
明石でございます。

お嬢様は「大人になったなぁ」と思うことはございますが?
私は変なところで思うことがございまして、今回はその事についてお話しいたします。

幼き頃、私は生粋の虫取り少年でございました。
周りからも昆虫好きとして周知されており、特に捕獲に関しては右に出るものがいなかったと自負しております。
(自慢話として、、、昔友人と虫取りをしていた時、「◯◯で◯◯なカマキリが欲しいなぁ」と友人が呟いたので、その瞬間に私は目を皿のようにして回りを見渡し、その特徴とぴったりのカマキリを一瞬で捕獲し驚かせたのはいい思い出でございます。)
バッタにトンボ、蝶やカマキリと何でも捕獲し、虫取り網を持たせれば鬼に金棒、およそ捕まえられない虫はいないと人からも虫からも恐れられておりました。
そんな私も月日がたち去年の夏頃、久しぶりに虫取りをしようと(それも昆虫界の王者、カブトやクワガタ)出掛けることに致しました。途中休憩などを挟み、何とか生息していそうな林までたどり着くと私は早速探し始め、数分ほどで最初の一匹を見つけ捕獲しようとした時、ふと手が止まりました。
「なんか触りたくない」
何か嫌悪感のようなものがよぎりました。さらによくよく見てみると周りに色々な種類の虫が集まっており、「こりゃだめだ」と一歩引いてしまいました。
引いた理由が毒を持ってそうや噛まれそう、それとも単純に触れたくなかったのかは分かりませんが、昔なら何も考えずに捕まえたことでしょう。

これが少年の心を忘れ、大人になったということなら、なんだか寂しい気持ちでございます。

終わり。

春の一日

春分の日

日本国民の祝日の一つであり、祝日法により天文観測による春分日が選定され休日とされる。
通例、3月20日から3月21日ごろのいずれか1日。

しばしば昼が長くなって「昼と夜の長さが等しくなる日」といわれているが、実際は昼の方が少し長い。
        執事ぺディア

「ふむふむなるほど、、、つまりこれからはお昼の時間が長くなるのか」
 春分の日を調べ終えると、明石太郎(あかしたろう)はふかふかの布団に寝ころんだ。
「お昼の時間が長くなるということは、日が昇り暖かい時間が長くなるということ、、、」
「素晴らしいではないか!!!」
 そう考えると先ほどよりも暖かく感じ、瞼が重くなってくる。時間は午後一時を回ったところ。
「今日はゆっくり過ごす日、お昼寝でもするか」そう決心をし、ゆっくり瞼を閉じようとした刹那ふとあることに気が付いた。
「暖かい日に着る服を買わなければ」
 ゆるりと体を起こそうとするとまた別のことに気が付いた。
「いやまて、お金はあったか?」
ふと茶棚に目をやると、そこにはぺちゃんこなガマ口財布が悲しそうにたたずんでいた。
「君はいつも痩せているな、少しはプックリ膨れてみろ」
そう言いはなち、思案した。
「お金を得るにはお勤めを頑張らなければ、お勤めを頑張るには前日に体を休めなければ、、、」
「やはりここはお昼寝だ!」
           終わり

※明石太郎と明石は別人でございます。