釣り3

 

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。

明石でございます。

 

先日久方ぶりの釣りに行ってまいりました。

此度の釣りは言うなれば作戦の勝利でございました。

 

この日は空一面に青空が広がり、気温も安定した最高の釣り日和でございましたが、少々風が強くフカセ釣りをメインとしている我々(私と友人)にとっては難しい日でございました。ですが、よくよく天気予報を見てみると、夕方に近づくにつれ徐々に風速が弱まっていく予報でございました。

そこで我々は普段よりも遅めに出発することにいたしました。

 

当日。

我々はいつもより数時間遅い午前10時くらいに到着いたしました。

まず我々は今までで最も釣果を上げてきたポイント(以下・第一ポイント)で釣りを始めることにいたしました。しかし、前日の雨の影響もあってか波が荒れており、魚影も全く見えませんでした。

結局1〜2時間経っても魚がかかることは一回もありませんでした。

 

そこで我々はお昼休憩を挟みつつもう少し波の穏やかなポイント(以下・第二ポイント)に移動することにいたしました。結果的にこれが大正解でございました。

 

そこは第一ポイントから6㎞ほど離れた釣り場で、波は弱く休日になるとファミリーの姿もちらほら見える穏やかなポイントでございます。

釣果も第一ポイントに比べると穏やかなのですが、この日は違ったのです。

 

第一投から餌を取られ、さらに撒き餌に誘われた魚でみるみる魚影が濃くなってまいりました。

そしてついにその瞬間がやってきたのです。

 

クッと餌に魚が食いつき私はしっかりと合わせ、この日の第一号を釣り上げたのです。

釣り上げた魚は私のブログではお馴染みのメジナでございました。

そしてそれを機に、20㎝ほどの小さいサイズのメジナを中心にお魚をバシバシ釣り上げたのです。

 

それから数時間が経ち、15時頃。

我々は釣り上げたお魚の中で、そこそこのサイズだけを厳選し持ち帰る準備をしておりました。

その時ふと私の脳内にある事が思い浮かびました。

 

「この時間なら風や波も弱まり第一ポイントで釣果が期待できるのでは?」

 

この思いは隣の友人にもあったらしく、我々の意見はすぐさま合致いたしました。

 

「ならば夕マズメを狙って、もう一度チャレンジしよう!」

 

片付けや移動などで、第一ポイントに到着したころには、空はうっすらオレンジ色を帯びており、夕方の様相を呈しておりました。

これは釣りをする時間としては丁度良いタイミングでございます。

 

さらに我々の予想通り、朝来たときよりも波と風が弱まっておりました。

すぐさま我々は竿をセッティングし、期待と少しの不安が入り混じる中、撒き餌と共に第一投を海へ放ったのです。

 

ポチャンという音と共に撒き餌が海に落ち、ゆっくりと沈みながら海中に広がっていきました。

そして我々はプカプカと浮かぶウキを、固唾を呑んで注視しておりました。

 

魚影は今のところ見えず、十数秒経っても動きがありません。

「やはり今日はダメなのか」と、思っていた刹那、ヒュンとすごい勢いでウキが沈んだのです。

私は不意を突かれながらも、グッと合わせ魚をかけることに成功いたしました。が、喜んだのも束の間、海中の魚がこれまたすごい勢いで根に潜ろうとしてきたのです。(根に潜る=岩などの隙間に潜って出てこなくなること)

根に潜られるとビクともしなくなったり、岩に擦れた釣り糸が切れてしまうこともございます。

なので私は絶対に潜られるもんかと、リールを巻き続けました。(恐らく今年一番力を使ったかと存じます)

すると徐々に海中からその姿を現してまいりました。

「ん?メジナか?」

さらに引き続けると、あることに気づきました。

「で、でかい…」

すぐさま私は友人を呼び、タモ(魚を捕らえる網)の準備をしてもらいました。

 

「ゆっくり、ゆっくり……」「捕ったー!!」

 

友人のその声を聞いた瞬間、私はよしっ!と、安堵いたしました。

 

そしてタモの中のメジナを見てみると、この日釣ったメジナはもちろんのこと、今まで釣ったメジナと比べてみても、相当に大きなサイズでございました。

 

実際のメジナがこちらでございます。

 

 

写真では分かりづらいですが、測ってみるとなんと35㎝でございました。

私が釣ったメジナの中では一番大きいサイズでございます。

 

その後も辺りが暗くなるまで釣りを続け、二人とも中々の釣果でこの日を終えました。

 

初めこそ苦戦いたしましたが、久しぶりに調子の良い一日でございました。

 

 

 

追記1

私の友人の友達の父親が55㎝オーバーのお化けメジナを釣ったことがあるらしいので、私も次はそのサイズを目標に頑張りたいと存じます。

 

追記2

35㎝のメジナはお刺身にし、その他のメジナは焼き魚やバター焼きにして、数日に分けて頂きました。やはり自分自身で釣った魚は美味しゅうございます。

いつの日か、お嬢様に最高のお刺身をお届けするために、脂の乗ったメジナを釣ってまいりたいと存じます。

 

終わり。

19年目に向けて

 

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。

今月でお屋敷のティーサロンが18歳の誕生日を迎えます。

人間で言えば高校生ほど。選挙権が与えられる年齢となります。

いちティーサロンがここまでの歴史を刻むことがあるのでしょうか?

日本国内の歴史を鑑みてもここまでの通例はなかなか見受けられないのではないでしょうか。

 

歴史あるティーサロンの一端としてギフトショップも10年歩んでまいりました。

今月ギフトショップでは18年目のアニバーサリを記念してお祭りを催しております。

舞踏会をテーマとして舞い踊り演奏する使用人たちの姿をご覧いただけます。

これまでも様々な方々にアイデアを頂戴し、完成してからもご感想を頂戴いたしました。

お嬢様にもたくさんご意見、ご感想を頂戴いたしましたね。

我々ギフトショップのバンドゥールたちが今の位置にあるのは大旦那様、周囲の使用人たちのおかげ。

そしてもちろん、一番はお嬢様のおかげでございます。

 

私もギフトショップに赴任して7年半が経ちました。

…ん?もう7年半も経ってしまったのか?

しばしば我に返った時に「今、西暦何年だ?」と思ってしまうほどに時の流れはあっと言う間でございますね。

 

時の流れを止めることは叶いませんが、せめて少しでもゆっくりと流すために!

今年に入ってから私は日記をつけるようになりました。

一日一日を大切に過ごすことによって、思い出がハッキリと形になってまいります。

思い出がたくさん認識できると「今月は充実していた!」という気持ちになります。

三日坊主になると恥ずかしいので、2カ月続いた今だからこそ申し上げました。

 

一日たくさん書く必要はございません。一行、二行でも構わないのです。

本当に特に何もない日は何も書かなくてもよいのです。

(余談ですが、私は学生時代に日記と向き合い過ぎるがあまり一日のうち2~3時間を日記に費やしてしまった過去がございます。

これは個人的には時間の無駄だったな、と思いますのでお勧めいたしません。)

毎日続けることが肝要でございます。

 

日記に今日あった内容を記しておくと、後日読み返した時、記した内容の周りの記憶も蘇ってまいります。

また、日記をつける前よりも記憶力が上がった感じがいたします。

「今日一日を忘れたくない!」という強い気持ちがニューロンとシナプスを刺激しているのかもしれません。

まさに執事歌劇団の「File name ~X~ 」で言うところの「よみがえる微かなシナプス」でございます。

 

今までお世話になってきた身として「お嬢様に何かお返しできることはないだろうか?」と考えまして、結論から申し上げますと受けた御恩が大き過ぎて返せはしないのですが、お嬢様のお声が現在の私と我々とギフトショップの品々を形作っているのです。

そんなお嬢様との日々の会話を忘れてしまわないように日記をつけているという側面もございます。

お嬢様との思い出やお嬢様がうれしかったこと、考えさせられたことも使用人として今まで以上にしっかりと心にしまっておきたいと考えております。

そしてそれを糧として19年目もお嬢様がお喜びいただけるようなお品物を発明できるよう、ギフトショップのバンドゥール一同精進してまいります。

 

あ、日記はもちろん他人には見せない秘密の内容でございますので、私と会話する際に身構えないでくださいますよう心よりお願い申し上げます!

 

それでは本日はこれにて。