年の瀬

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。
この頃は随分と冷え込んでまいりましたね。
年末は催し事も多くございます故、お忙しくしていらっしゃることかと存じます。

12月は旧い暦では「師走」とも呼ばれているそうでございますね。
「年の瀬になると、お経をあげるために師(お坊さん)が各地を走り回る」ことに由来があるとか。
年末が忙しいのは、昔の人々も同じようでございます。

かく言う私も少し早くはございますが、先日お部屋の大掃除に取り組んでおりました。
たかが一年、されど一年。
あっという間に過ぎたと思っていても、お部屋の掃除をしているとあれこれ思い出すことがございます。
思えば今年は多くの挑戦がございました。
初めてお嬢様のお手元にわたるお品物に携わらせていただきましたり、私一人でギフトショップにてお帰りをお待ちすることや、執事歌劇団の公演を拝見することもございました。
もちろんペン習字のお稽古も続けております。
などと1年を振り返りながらお部屋の掃除をしておりますと、思い出の品が様々見つかり、ついついノスタルジーに浸ってしまうわけでございますね。

初めて参加させていただいた、アニバーサリーフェアのブロマイド。
「しっとりみかんピューレ」を考案する際に使用したメモ。
今年入手した末に、読了に至らなかった本。

見つけるたびに、ふと手に取り懐かしんでしまうものでございます。

…そう、ここまでお聞きいただけばお分かりかと存じますが、大掃除、全く進んでおりません。
その上、不思議なことに窓の外はすっかり日が落ちており、結局大掃除が一通り終わるころには0時を回っておりました。

そう、タイムスリップでございます。

なんでも後ほどお調べしたところ、大掃除に時間旅行はつきものなのだとか。
大変危険でございますね。
危うく、私一人でお先に2026年にたどり着いてしまうところでございました。

お嬢様、お坊ちゃまも、これから大掃除をされるやもしれませんが、不本意な時間旅行に巻き込まれぬように十分お気を付けくださいませ。

今年も一年お仕えさせていただき、ありがとうございます。
2026年もお帰りをお待ちしております。

宗方