寒い日が続いておりますが少しづつ春らしさも感じられるようになってきましたね。

私はベッドから出るのが辛いのが冬らしさ。
ぽかぽかの日差しで眠くなるのが春らしさなのではないかと思っております。
寝る子は育ちます。わが身で実証。

さて。
関東でももう桜も散りモクレンが美しい今日この頃ですが、二月の末に梅林公園にいってきたのでそのときの写真を。
まだ満開とはいきませんでしたが、一面の梅の花に囲まれて散歩する時間は大変心地よかったです。

タクトの三人ならこんなときに良いフレーズが浮かぶのでしょうか?
伊織なら煌びやかな言葉で気持ちを文字にするのでしょうか?
こういう感動を記録にのこす手段を持っているのが羨ましいですね。

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春といえば。
裏の林に今年は鶯がやってきました。
ここ数年来ていなかったので久しぶりにさえずりを耳にしたときは思わず外に飛び出してしまいました。
初めて歌声を聴いてから時間も経ち。大分上達してきたようですね。
最初は本当におぼつかない様子でとぎれとぎれ、声もかすれたりしましたが、今では芯の通った艶やかな声で例のフレーズを聞かせてくれます。

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筝の奏者なら誰でもしっている偉大な作曲家であり奏者。宮城道雄。
ご存知でしょうか?
宮城道雄は幼いころに光を失ってしまうのですが。
病が進行する中で道雄の祖母は一つでも多くの美しい景色を道雄に見せようとたくさんの旅行に連れていきます。
視覚的な情報という意味ではそれが道雄の世界の全てとなりました。

道雄は光を失いながらも多くの作品を残します。
「春の海」をはじめ偉大な作品が多く残っていますが、その中に「瀬音」という曲があります。

川の流れがそのまま音楽になっているような、そんな曲です。
17絃の低音は水の流れを、十三絃の高音は踊る飛沫を。
光り輝く木漏れ日にきらめく水面、若々しい緑、そんな渓流の情景が一瞬で浮かぶ非常に美しい「視覚的」な曲。

意思とは関係なく苦難を背負う人生となった道雄ですが、その苦難からより視覚的な音楽を生み出すという感性の輝き。人間の意思の力。
素晴らしいですね。

最初に挙げた小鳥の話ですが。
「毎年小鳥が庭にくるがそれが同じ鳥だということはきっと誰もわからないだろう」
そう言っていたそうです。