グリーンゲイブルズ

「アボンリーへの道」

きっとご存知ありませんね。
カナダの古いテレビドラマでして、私も過去に何度か見た記憶がある程度でした。
最近、それが全話配信されていることがわかり、各13話が7シーズンといい長さだったのですが、夢中になってみてしまいました。


内容は、1900年台初頭のカナダ、プリンスエドワード島のアボンリーという田舎町を舞台に、住む人々の生活を描いた作品です。

7年間にわたり制作されたそうで、日本でいうなら「渡る世間」のようなものなのかもしれません。


ここまでで、なんとなく勘付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、
この作品は「赤毛のアン」でアンとギルバートが去った後のアボンリーを描いています。
「グリーンゲイブルズ、アン、ギルバート、マリラ、レイチェル」なども登場します。

一応原作は、モンゴメリーだそうですが、
ほぼ全て創作らしいので、二次創作のようなものなのかもしれません。
特に後半は、脚本の出来も素人目に観ても優れているとは言い難いエピソードも多く、
惰性で観た部分もあります。


ただ、なぜこうも惹き付けられるかと申しますと。


ドラマのロケ地の美しい風景、凝りに凝った衣装、美術、セット。
文化風俗的な側面もしっかり描かれているので非常に面白いです。
さすがだなと思わせる完成度で半分以上はそれを目的にみていました。


どこまで正確なのかはわかりませんが、カントリーを感じさせる衣装が素晴らしく
ツイードやフランネル熱が高まりました。勿論足元はブーツです。
そしてそれらがきちんと汚れているところが素晴らしい。
よくそろえたなと思える使い込んだ風合いがでています。

そして古い時代らしく、TPOによる変化も見どころです。
冠婚葬祭、ハレとケ。貧富。大人と子供。
それぞれでしっかり違ってくるところがとても面白い。


大好きなシーンのひとつ。
少年がホテルで働く件があるのですが。
まだ少年なので、自分でボウタイを結べず、形を整えたものを母に縫って固定もらい、それを留めて出勤してくるのですが(現在の既製品のボウタイはほぼこれで悲しい限りです)
支配人に「自分でタイを結べないようでは一人前とは言えない」と直々に教えてもらいます。

また成長したあと別のシーンでは、支配人と食い違いホテルを去ってしまうのですが、その時にタイを解いて突き返します。

このタイの扱いの熱さ。

たまりませんね。



時代としては……


タイタニック号沈没1912
WW1勃発1914

舞台の背景としては、最終回が第一次世界大戦勃発前夜~直後。
そこから10年ほどさかのぼるイメージでしょうか。

分かりやすいものですと
「シャーロックホームズ」の後半がほぼ同じ時期を。
「ダウントンアビー」は冒頭でタイタニックの話題が出てきます。
「グレート・ギャツビー」は1920年台のアメリカ。

それぞれ時間や土地に応じてどんな生活をしていたのかがうかがい知れて面白いものです。


最近のドラマの展開のはやさになれているときっと観るに堪えないテンポかと思いますが。
家にこもりながら春夏秋冬移り変わる美しい島の風景に心をはせるのも、またよろしゅうございましょう。
熱い紅茶と共に是非。
Filed under: 大河内 — 22:00