雑感

大河内でございます。

先日何気なくニュースをみておりましたところサッカー日本代表本田圭佑選手のコメントが目に留まりました。

イタリアでのインタビューだったのですが
記者からの「スーツを着ることが多いようですが」という質問に
「会う相手へのリスペクト」といった答えを返しておりました。

私はサッカーにほとんど興味がなく同選手のプレーも人柄も詳しく存じ上げないので文字通りに捉えることしか出来ないのですが
このインタビューは学生の時分にお世話になった先生を思い出させてくれました。

今も昔も若い学生は皆、定められた制服のなかにルールから外れた個性を輝かせようとがんばるものです。
それが教師とのいたちごっこを産むのですがそれも文化でございましょうか。

そして。件の先生も折々注意をしていたのですが、そのときの言葉でございます。

「ネクタイなんて私だって締めたくないです。こんな紐を巻いていても苦しいだけですから」
「では何故。皆ネクタイを締めるのでしょう?」
「タイは自分のためでなく目の前の相手のために、互いへの敬意を表すためにしめるのです」

この言葉は心に強く残りました。
当時は本当の意味で理解することはできていなかったと思います。
ただ幾度となく投げかけられた理由もない頭ごなしに発せられた言葉は単に言葉でしかなく
意味を持たず時間が経って思い出すこともありません。

口数も少なく真面目、堅物といった印象をもたれがちな先生でした。
一年を通してほとんどスーツ姿だったのもそのイメージを強くしていたのかもしれません。
ただ、運動部の顧問だったこともあり締まった身体にスーツが本当によく似合っておりました。

一年中ジャージ姿の人間が言っても説得力がないでしょうね。

TPOを大切に……
何かを伝えたいときは理解できるように……
相手が何を伝えたいのか考えること……
はたまた本田選手はすごい……

いかようにも結論をつけられるのですが、
残念ながら今回の話は単なる私の思い出話であり
教訓になるような結末はございません。

日ごとに寒さが増しておりますがコートやブーツなどに心がときめくのもこの時期だけでございましょう。
風邪などひかないように冬だけの楽しみをみつけてみてください。