四月

ご機嫌麗しゅうございますお嬢様方。改装されたティーサロンはいかがでございますか?
大きく変わった箇所もあれば間違い探しのような細かい箇所まで。意外と多く変わっております。
もし多少なりとも笑顔や驚きをお届けできたのなら我々の苦労も報われるというものでございます。
そう。つるはし片手の地下生活は誠に苦労いたしました……。

などとは申しましても。
それは平フットマンの話でございまして、私には縁のない話でございます!
私はワイン三昧で優雅な日々を送っておりました。
久しぶりに温泉にもつかったりと、いやはや。充実した休日になりました。
やはり持つべきものは権力でございますね♪

口にしたワインのことはワイン部用の日誌ができた際にまとめてご報告しようかと存じます。

さて。それはともかく。
今年も毎年恒例の「執事の日」がございました。
エイプリルフール同様使用人の戯れではございましたが、当日は私もモーニングコートに袖を通すお許し頂き、初めてお嬢様方をお迎え致しました。。
白い手袋をつけて開く扉は思いの外重く、ティーサロンでお仕えするようになっての7年間を思い起こさせるようでございました。

拙いエスコートにも笑顔を見せてくださったお嬢様方は勿論。
お許しをくださいました大旦那様。
昨年からずっと準備を進め、進言してくれた藤原。
急な仰せにもかかわらずピッタリの衣装を見立ててくれた神戸。
背中を押してくれた時任執事。
美味し紅茶を入れてくれた各務と羽生。
見事に私を操ってくれた司馬執事を始め、当日並んだ、豪徳寺執事、芥川執事、松平執事、乾執事。
そしてお嬢様型に一番近い場所でフォローしてくれたフットマン達。
特に直接関わった橘、九条、辰生、有村、要、長門。

当日関わりをもった全ての人に感謝しております。
長い使用人生活の中でも一際喜ばしい一日となりました。
またこのような機会があるのかはわかりかねますが、この思いは忘れずに、そして少しでも恩返しできるようにお仕え致します。
ありがとうございました。