見る、記憶する

今年は桜をゆっくり見られなかった方も多いのではないでしょうか、私も不用意に外出するのははばかられましたので、部屋でひとり、昨年撮影した桜の写真を整理しておりました。
きっとこの日誌がお嬢様の眼に触れるころにはすでに葉桜でございましょうが、ご覧になって多少でも春を感じていただければ幸いです。

3時くらいから、ゆっくり散歩していたのですが、刻々と光が変化し、それを映す桜の花びらが非常に美しくいい時間を過ごせました記憶がございます。

下手の横好きながら写真を撮るようになってから、日常の中にある美しい瞬間を、より多く見つけられるようになった気が致します。
ただ、それを残せるかというと非常に難しく、まさに「瞬間」瞬く間に過ぎ去りスマートフォンを出す暇すらございません。
そういった点では人間の瞳と記憶、想像力に勝るものはありません。

美しいものを残したいという欲求は強いのですが、「LIFE」という映画でのショーン・ペンのセリフの通り、「最高の瞬間をカメラに邪魔されたくない」ということなのだと思います。やはり五感全てをもって感じ、記憶に刻み、想像力でそれを装飾してその感覚をよみがえらせることこそ一番の感動なのかなと思います。

来年は今年の分まで盛大に桜の下で杯を酌み交わしたいものですね。