日誌

先月の日誌においてサイケデリックというお話をいたしました。
この「陶酔」「恍惚」といった要素。
原始のパーカッションのリズムから最新のEDMまで。バッハのアルペジオに、インドのシタール、和楽器の三曲合奏。時間も洋の東西も問わず。聞いているものをトランス状態へと導くのは音楽のみが持つ大きな力でございましょう。

ラヴィ シャンカル(シタール)、山本峰山(尺八)、宮下伸(筝)
「Improvisations On Theme Rokudan」

この一曲もまさにそういったエネルギーに満ち満ちております。
(おそらく時代が生んだ怪作とでもいうべきで正統な評価がくだされるものではないのでしょうが)
「六段の調べ」という筝曲の古典を主題にそれぞれの奏者が即興で演奏していくジャズ的なアプローチで
それぞれソロの最後にはテーマに戻ります。
徐々に徐々に。少しづつ高まる緊張感、高揚感がすさまじくいつの間にか心とらわれてしまいます。
三者三様のメロディラインはどれも個性的でそれぞれの楽器の魅力を十二分に発揮しております。

年を重ねるにつれ音楽を聞く時間も少なくなってしまっていたのですが
たまにはこういった音色に耳を傾け心ゆだねるのも悪くないのかもしれません。
ちょうど秋も深まりワインもおいしくなってきたことでございますし。