秋の一日

秋分の日

日本国民の祝日の一つであり、祝日法により天文観測による秋分が起こる秋分日が選定され休日とされる。通例、9月22日から9月23日ごろのいずれか1日。

しばしば昼が短くなって「昼と夜の長さが等しくなる日」といわれるが、実際は昼の方が少し長い。

執事ペディア

「ふむふむなるほど、、、つまりまだお昼の時間が長いのか」
 秋分の日を調べ終えると、明石太郎(あかしたろう)はふかふかの布団に寝ころんだ。
「お昼の時間が長いということは、日が昇り暑い時間帯もまだまだ長いということ、、、」
「最悪ではないか!!!」
「ん?デジャブか!?前にもこんな事があったような、、、」時間は午前一時を回ったところ。

「とは言えこれからは、気温が下がっていくだろう。つまり寒い日に着る服を買わなければならない」
 明石太郎はふと茶棚に目をやった。ガマちゃんは今日もぺちゃんこだった。

「ふっふっふ。想定済みよ!」明石太郎は落ち着いていた。
「こんな事もあろうかと、夏の間にへそくりを貯めておいたのさ!」
「甘いよガマツグ、私を残念がらせようとしたって」

「アリとキリギリスって知ってるかい?遊んで暮らしているだけじゃダメなのさ!今どきの男は冬に向けて準備しているのが格好いいんだ」明石太郎は押入れの奥底からへそくりを取り出した。
「へへへ、8千円もある。これだけあれば洋服以外も買えちゃうぞ!早速明日お勤めが終わったら、買い物に行こうかな」明石太郎は遠足前の小学生の気分を久しぶりに味わっていた。

「なんだかテンションが上がってきたぞ。そうだ、先日染瀬に頂いたお酒を飲もう!」
部屋の隅に置いてあった一升瓶を手元に引き寄せ、小さなガラスのコップに注いだ。

「とても飲みやすい」と言っていたけれど、どうだろうか?
 明石太郎はお酒が得意ではなかったが、ゆっくりと口を近づけた。
「ズズズズズ、、、ん!?ゴクゴク、、、プハ~」
「すごい!水みたいだ。フルーティーな風味でさっぱりとしている一方、味に深いコクがある」どうやら明石太郎は気に入ったようだ。そしてガマツグと酒盛りを始めた。

10分後
「おいガマツグ、今更そんな顔をしてもお金を入れてやらないよ」

1時間後
「いや、実に美味しいお酒だ、、、何?君も何か飲みたいのか?」
「ではこの百円玉をお口に入れてやろう!がはははは(笑)」

2時間後
「君とは何年の付き合いになるだろう、、、今までありがとな。グスン(泣)」
「これからは頑張って君を太らせてやるからな(泣)」

3時間後
「やはり君が悪いんだ!君がもっと固く口を閉じていれば私は浪費せずに済むのだ(怒)」
「明日、貯金箱を買ってきて、君なんてインテリアにしてやる!!」

、、、そして数時間後
「むにゃむにゃ、、、どうやら寝てしまったか」「、、、今何時だ」

「、、、、、13時」「!!!!」

「やばい!遅刻だ!!急がなきゃ!」
 そんな明石太郎をよそ目にガマツグは、ぷっくりと佇み、心なしか笑っていた。

その後、明石太郎はとびっきりの言い訳を考えてお勤め先に臨んだが、真っ赤な顔と酒臭さの前には、どんな言い訳も通用せず、上司の顔を何倍にも膨らませた。

終わり。

※明石太郎と明石は別人でございます。