Meilleurs voeux

あけましておめでとうございます。

屋敷で迎える幾度目かの新春。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

年越しの瞬間、隣にお嬢様や使用人たちがいないというのは、

まだまだお恥ずかしながらまったく慣れないものでございます。

と同時に、カウントダウンパーティーには懐かしさも覚えます。

今年の年末にはと、はやる気持ちも心の中に出てまいりました。

新年を迎えるにあたり、抱負というほど大層ではありませんが、

心中に決めた目標のようなものが浮かび上がっております。

それは、例年以上にお嬢様と彩り豊かな景色を見ることです。

昨年、一昨年の日常を取り戻すような一年にしたく存じます。

そのためには今までにない、新たな試みが必要でございます。

私自身が屋敷の使用人と一緒に、新しい何かに挑戦すること。

それはお嬢様にいつもワクワクをプレゼントしたいからです。

使用人として行き過ぎた厚かましいお節介ごとかも知れません。

しかしながら、お嬢様の笑顔のみなもとになれますように。

あなたが流す涙が、どうか喜びと幸せの結晶でありますように。

この身をもって体現してまいりたく存じます。

本年もお早めに顔を見せていただけますと幸いでございます。

屋敷の皆で、あなたのお帰りをお待ちしております。

お嬢様、本年も何卒よろしくお願いいたします。

能見