個性的な燕達

寒さの中にもほんの少し春に向けた暖かさを感じるようになりました。
きたる花粉に恐々としております。
櫛方でございます。

世は甘い香りのチョコレートに囲まれる季節。
お嬢様方はチョコはお好きでいらっしゃいますか?
甘いのも勿論、時にはビターなものもよろしいですよね。


そんなとある日―――

寮の一室で浅葱さんと何か美味しいお菓子を思案していた所、
あとからやってきた高垣君に「ちょっとついてきてほしいんですが」と言われるがままついていったら、
そのまま二人、裏山に連れてかれました。
一体何をされるのか…





てっきり落とし穴にでも落とされるのかと思っておりましたが、
ふもとに着くやいなや「ではこれをどうぞ」と、彼が出したバスケットの中には沢山の木の実が。

櫛「おっ、私がナッツが好きだと知ってるんだねありがとういただきます」

高「違います」

非常にドライな返答に悲しみを抱きつつ、
なんでも普段餌やりを任されている彼は、今から恵方巻きを食べる練習をしないといけないらしいので、
私達に裏山の小動物の餌やりを手伝ってほしいという事でございました。

(餌やりのあとで恵方巻きを食べればよいのでは…?)
(そもそも恵方巻きを食べる練習とは…?)
という私達に浮かんだ疑問は心に閉まいつつ手伝うことにいたしました。

浅「幼い頃を思い出すなあ」

と、浅葱さんはおもむろに掴んだ木の実たちを懐かしむ顔つきで眺め、
裏山の茂みに視線を戻した次の瞬間、
そのしなやかさと豪快さを兼ね備えた投球フォームから投げられた木の実は、
ザァンと音と共に茂みに吸い込まれていきました。

浅「鬼はぁぁ外!」

櫛「えっ」

浅「えっ」

急な大声の後の風の音が聞こえるくらいの静寂の中、
西南西を向きながら黙々と高垣君は恵方巻きを食べる練習を続けています。

浅「いや、これから節分だし豆まきの練習をしとこうと…」

櫛「えぇ…いや、これ豆じゃないですし、それにその投球フォームで餌やりは普通しないですよ」

浅「これからは個性というものをどんどん出していこうってね」

櫛「ここで個性出してもリス達に(ああ、あの人個性的な餌やりするなあ)って思われるだけですよ」

浅「福はぁぁ内!」ザァン

櫛「えっ」

話が通じていないのは置いておいて…
その後、恵方巻きを食べる練習を終えた高垣君と共に3人で、伝統行事の練習を兼ねた餌やりを続けた一日。
鬼は外、福は内の言い方で「リスにぃぃエサ」としきりに高垣君が呟いていたのが気になりました。

豆ではない!とは言ったものの伊織さんも仰っていたように節分で投げるのは大豆だけではなく、
ピーナッツや金平糖でも、邪気を払えればよろしいのでしょう。きっと。


―――そんな事から天啓を得て、

私の好きなナッツをお菓子にしてみよう!と、

数ある好きなものの内の一つ、アーモンドをひたすらに使った、
『アーモンドブッセ』を今回作らせていただきました。
ギフトショップにてご提供させて頂いておりますので、是非お手にとってみて下さいませ。

アーモンドクリームとプラリネされたアーモンドをブッセに。
芳醇な香ばしさと軽い食感の中に見えるサクサクとしたアーモンドのハーモニーをお楽しみいただけたら幸いです。


一人ひとり好きなものが違うというのも、
これも個性のひとつなのかもしれませんね。

福は内!
Filed under: 櫛方 — 22:00