雨垂れ石を穿つ

お嬢様
ご機嫌麗しゅうございます。




暑くなってまいりました。



気がつけば
6月でございます。



1年の半分が終わって
残りの半分が始まったのです。



あれよこれよと
お屋敷で
毎日を過ごし
お嬢様と毎日共にし
今年も素敵な
半年間でございました。




突然ではございますが
お嬢様にお伝えしたい事あり
筆を執っております。





私胡桃沢。
この度
お屋敷を旅立つことになりました。



私はまだまだ未熟で
学ぶものが多く
もっともっと
色んな景色が見たいと存じ
大旦那様にお許しを頂きました。



色んな景色を見て
感じて
和歌にでもしていけたら
素敵でございますね。




大旦那様との不思議な
ご縁で招かれたお屋敷。


大切なお嬢様に
お仕えすることが叶い
夢のような
2年と半年でございました。



至らぬ点ばかりの
私でございましたが
なによりも
お嬢様の優しさ
笑顔にいつも元気を頂いておりました。


心から感謝しております。
お嬢様。
ありがとうございました。





そして
大好きな使用人の皆様。




なんだか
長いような短いような時間。
私は
帰れる場所が
増えた気持ちでございました。





笑いが絶えず
仲の良い皆様が
これからもきっとずっと
今まで通り
いやそれ以上に
お嬢様を笑顔にしていくのでしょう。



私に
お屋敷に居場所を下さり
帰る場所を下さり
ありがとうございました。





大事に大切に
してきたものも
いざ去るとなると
いざなくなるとなると
より大事さや大切さを
気づかされるものでございます。



それが
別れというもので
ございますね。



きっとこれからの人生
お嬢様は
沢山のお別れを経験すると存じます。


お話できる時に。
想いを伝えられる時に。
目を見て伝えられる時間は
永遠にはございません。


そんな日々を
大切にして下さいませね。






名残惜しゅうございますが



どうかお元気で。
愛しいお嬢様。



Filed under: 胡桃沢 — 23:30