人生とは

端的に申しまして人生とは人として生きることであると私は存じてございます。

ただいま読んでおります本に
万葉集からの引用の一節がございまして
万葉集酒を讃むる歌十三首より曰く、

あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似る

意訳いたしますと
賢ぶって酒を飲まない人は猿にさえ似て醜く見える
と、おおよそこういった意味合いのようでございます。

自分たちのお酒を飲まないことを偉いこと誇るべきことだと信じてお酒を飲む人たちを卑下する方に対して思うこと、と言った具合でしょうか。


少々話が逸れますが
俗世によくありがちなことで悲しいことでございます、自分の信条を正しいものとして疑わずその意に沿わない他人を卑下する方々の様子はよく見受けられますね。
自分が正しいからといってそうでない人が必ずしも間違いではございません。
他人が間違っていたとしてそれが自分の正しさの証明にはなりません。
そのように私は存じます。

閑話休題といたしまして。
この首を引用された著者曰く
酒を作り、飲む動物は、人間だけだ。つまり酒は人間だけに与えられた喜びである。
とのことでございます。

このことから私は何を申し上げたいのかという話ですがつまり
お酒に限らず人としての喜びというものが様々あるかと存じます。自分がどのような人間でありたいか考え。そうあろうと生きること、
人道という言葉がございますが
そういったまさに人としての道を逸れず歩み続けること。
渇しても盗泉の水を飲まずという孔子にまつわる故事にも通づるように存じますが。
そういった常に"人"として生きることが人生である、と。
そのように存じます。

当家にも含蓄のある使用人が数々おりましょうから様々お聞きになりご参考になさるのもよろしいかもしれません。
坊ちゃま、お嬢様方、良き、そして善き人生でありますよう。
Filed under: 園田 — 15:00