女の一生

今年は台風の当たり年のようで、8月に続き9月に入っても、大きな
台風が上陸。猛暑や台風と、ここのところの気象は驚くばかりです。
お嬢様方にはくれぐれもお気を付けいただき、ご自愛くださいませ。

早く本格的な秋にならないかなあと、溜め息をついている嘉島ですが、
こんな時は部屋でゆったり過ごそうと、先日、例によってDVDを物色
しに出かけたところ、大変珍しいものを見つけました。

まず、映画のコーナーでジャン・コクトーの『オルフェ』(1949)と
ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)の新旧2本
の名作をゲット。そして同じコーナーの外れの方を見ていた時です。

なんと1961年に文学座創立25周年記念公演として上演された、女優、
杉村春子の代表作『女の一生』の舞台を録画したDVDを発見しました。
こんなものがあるとは、と大興奮。早速手に入れました。

保存されていた当時のNHKの舞台中継のビデオから、2005年に新たに
DVD化されたもので、杉村さんは50代。周りの方たちも皆若く、今と
なっては大変貴重な戦後新劇黄金時代の名舞台の記録です。

50年前ですが、嘉島は18歳の時に、今は無き渋谷の東横ホールで『女
の一生』を観ております。杉村さん60代。10代から70代までを精力的
に演じ、中でも娘時代の瑞々しさに驚いたことを覚えています。

今回観てみると、杉村さんは勿論、あらためて周りの方に魅せられま
した。特に夫を演じる宮口精二さん。存在感があり、台詞が無くても
目線ひとつで何を感じているのかが伝わってくる好演でした。

また、この舞台は日露戦争勝利の提灯行列から始まって第二次大戦の
終戦まで、その中で懸命に生きてきた一人の女性を描くことで、近代
日本の歩んで来た道筋が分かりやすく浮かんでまいります。

そして杉村さんの名演技です。その時代を知っている女性には主人公
が決して人ごとには思えなかったと思います。それは杉村さんにとっ
ても同じだったに違いありません。

その女性たちの共感が『女の一生』の舞台を大ヒットさせた要因にな
っているのだと実感しました。今回、貴重なDVDを観て、新たに感じ
た次第です。いつも大昔の話で恐縮です。
Filed under: 嘉島 — 16:00