春、弥生

春の嵐と共に3月が始まりました。お嬢様方にはいかがお過ごしでしょ
うか。あんなに寒かったのに、嵐の後は気温が急上昇したり、全く今年
の天候はエキセントリックで、ついていけません。

それでも温かくなるのは大歓迎。花粉症の方は些か気が重いかも知れま
せんが、嘉島には春の訪れは嬉しく、3月の声を聞くと、一冬着ていた
オーバーやコートが鬱陶しくなってまいります。

春、弥生。春一番が吹いて桃の節句を迎え、地中から虫が這い出る啓蟄、
奈良東大寺のお水取りでは大松明が春を呼び、暑さ寒さも彼岸までと昔
の人の言うように、お彼岸になると春本番。桜の開花へと続きます。

子供の頃、雛祭りが近づくと、木の段を組んで緋毛氈を掛け、お内裏様
から五人囃子まで雛人形やお道具を飾るのが楽しみでした。部屋が一気
にカラフルになり、豪華になります。武者人形だとそうはいきません。

雛人形は姪に渡り、今はお内裏様だけ飾っているようです。振り返って
みると、昼間の薄暗い座敷で雪洞に浮かぶ、金屏風の金色、緋毛氈の赤、
お人形の顔の白….。昔は生活空間にアートがあったなあと思います。

また3月は、7年前の東日本大震災のことを、自分の体験も含め、改め
て思い起こしていきたいと思っています。日誌にも書きましたが、昨秋
訪れた、石巻で感じたことや、地震発生時の貴重な体験も。

地震発生時お屋敷にいた嘉島は、大きな揺れが収まった時点で、大旦那
様の指示により藤堂執事と二人で、お嬢様方を近くの公園まで避難誘導
いたしました。その時のお嬢様方から感銘を受けました。

かなり揺れたのですが、落ち着いてこちらの指示に従い、避難していた
だきました。お嬢様方からの信頼感を感じ、しっかりしなければと自分
に言い聞かせたことを昨日のことのように思い出します。
Filed under: 嘉島 — 11:00