日誌

ヴィンテージは一口に語られがちです。よく話題に上るボジョレーヌーボーのキャッチコピーなどは最たる例でございましょう。

ただ当然のことながら現実にはそこまでシンプルなものではなく、なかなかに複雑でございます。
単純に良し悪しという問題ではなく個性としてとらえたほうがわかりやすいのかもしれません。

例えばお食事に合わせることを考えた場合、余りに良いヴィンテージのものですと料理よりもワインの味が勝ってしまうという場合もございますし、飲み頃からかけ離れていることもございます。
そのような場合却ってやや緩い年のワインがぴったり合ったりします。

評価という意味でもブルゴーニュ2007のように一般的に低めに観られているような年であっても
個人的にお気に入りであったり……(2013もその兆候があるので楽しみです)

最初に申し上げたようにシンプルではないのですがそれは楽しむ幅の広さでもございます。
なによりこのように人間の手の及ばない、超越した自然の力から生み出されるからこそ
人間の想像を超える味が生まれるのでしょう。

豪徳寺執事が「感謝して飲みましょう」としばしば申し上げますが、
その気持ちを忘れずにお嬢様方もワインをお楽しみくださいませ。