金色絨毯

お嬢様方、ご機嫌麗しゅう、香川でございます。

突然ですがわたくし、桜は満開よりも風に煽られて舞い散る姿が最も美しいと感じる質でございます。

桜吹雪のあとの地面は、世界が桜に包まれたようで、ついついうっとりとしてしまいます。

あのような感覚は、春にのみ感じられるものかと思っておりました。
ついこの間まで。

ある朝、お勤めにお屋敷の門へと続く道へと出ますと、

なんと世界が金色に包まれておりました。

一面金色の絨毯を敷き詰めたように、光輝く視界の先には、

そう、銀杏並木。

先日の春一番のような強い風が、粋な演出家だったようでございます。

秋の楽しみが一つ増えたように思います。

しばし見とれるわたくしの右手にあったものは、、

ああ、

そういえば掃き掃除、しようと思って来たのでしたね。

この光景は胸にしまっておきましょう。

しっかり整えておきますので、お早いお帰りを、お待ちしております。